
賃貸の退去時には掃除が必要! 具体的な方法や注意点は?
「引っ越すことになったけど掃除をするべきか」「掃除費用は誰が負担するのか」など、賃貸物件を退去するときには掃除で悩みがちです。具体的に、どこをどのように掃除するべきなのか、分からないことも多いでしょう。気持ちよく退去するためにも、疑問はスッキリ解決しておきたいものですよね。そこで、今回は、賃貸物件の退去時の掃除について、詳しく解説します。
この記事を読むことで、賃貸の退去時の掃除について詳しく分かり、適切な方法で進めることができます。まずは、記事をじっくり読んでみてください。
1.賃貸の退去で気をつけたいこと
最初に、賃貸の退去に必要な手続きや費用・よくあるトラブルなどを解説します。
1-1.賃貸の退去とは?
賃貸物件は、期間を定めて契約をし、借りることになります。同じ物件に住み続けるためには、契約を更新することが必要です。契約満了時に更新しなければ、速やかに退去をすることになります。退去をするときには、「原状回復」を求められることが多く、借りたときの状態に戻す作業を行うことになるでしょう。
1-2.賃貸の退去に必要な手続きや費用
賃貸の退去時には、さまざまな手続きがあります。主なものについては、以下を参考にしてください。
- 電気・ガス・水道・電話などの解約および移転
- 郵便物の転送手続き
- 家賃の自動振り込みの停止
- 家財道具の新居への移動
- 自治体への転出・転入手続きや住所変更
- そのほか、個人的に契約しているものの住所変更
- 退去する物件のハウスクリーニング
家財道具の新居への移動と、退去する物件のクリーニング代は、それぞれ数万円程度の費用が必要になります。
1-3.入居前の傷や汚れに関するトラブル
入居前からあった傷や汚れなのに、掃除や修復をする必要があると言われてもめることがあります。トラブルを防ぐためには、契約書を交わす前に、問題がないかきちんと確認しておきましょう。おすすめは、スマホなどでもいいので問題部分の画像撮影をしておく方法です。画像は客観的な証拠となるため、いざというときに役立ちます。入居時に貸し主に通知しておくとなお安心です。
1-4.原状回復の費用負担や割合
契約書に沿って原状回復をしても、費用負担でトラブルになることがあります。経年や普通に暮らすだけで起こりうる範囲なら、貸し主負担が妥当です。借り主が故意につけた傷や汚れなどは、借り主負担となるでしょう。しかし、故意に汚したり傷を作ったりした覚えがないのに高額な費用請求をされるケースもあるので注意が必要です。納得がいかないときは、きちんと借り主と話をしてください。
1-5.敷金が戻ってこない
退去時に敷金が戻ってくると思っていたのに、実際には戻ってこなかったという例が多くあります。敷金は、万が一、家賃を滞納したときに引き当てるための預かり金のようなものです。にもかかわらず、貸し主が退去時のクリーニング代などの名目により、返却しないというトラブルが発生します。
1-6.退去日の認識が違っている
賃貸物件の場合、1か月単位での契約が多くなります。しかし、契約を満了する月の末日までに退去すればいいと考えて準備を進めていたところ、借り主から即日退去を求められて、もめる例もあるのです。賃貸契約を更新しない場合は、いつまでに退去するべきか、また、家賃の計算はどうなるか(日割り計算になるのか)など、きちんと確認しておきましょう。
2.賃貸の退去時は掃除やクリーニングが必要?
賃貸の退去時には、掃除やクリーニングが必要です。必要性や掃除をするべき立場・ガイドラインなど詳しく解説します。
2-1.賃貸の退去時の掃除やクリーニングの必要性
賃貸の退去後には、新たな借り主のために壁紙やフローリングの張り替えなどを貸し主負担で行うことが多いものです。しかし、経年などの理由以外で生じた大きな傷やひどい汚れなどがあれば、敷金からクリーニング代が引かれることになるでしょう。そうした場合でも、物件をキレイに掃除して返すことで印象がよくなり、敷金がきちんと帰ってくる可能性が高くなるというメリットがあります。
2-2.掃除は借り主の義務? 貸し主の義務?
実際に退去時の掃除を行うのは、借り主でも貸し主でも構いません。まずは、賃貸契約書を確認してみてください。どちらがどの程度の責任を持って行うのか、明記してあるはずです。もちろん、退去時のマナーとして借り主が最低限の掃除をすることは必要でしょう。しかし、経年変化による壁紙の色あせや畳・床材の劣化の修復については、借り主が負担しなくても大丈夫です。
2-3.掃除費用は誰が払う?
国土交通省では、「原状回復を巡るトラブル」のガイドラインを出しています。ガイドラインでは、経年による劣化部分は貸し主負担・故意による部分は借り主負担であり、敷金に関しては、借り主の故意による破損・汚損がない場合は、全額返却が原則と明記してあるのです。しかしながら、賃貸契約書に特約を付記し、「退去時のクリーニング代を借り主負担とする」などと明記してあることが多くあります。その場合はどうなるか、事前確認をしておきましょう。
3.賃貸の退去時の掃除方法を解説
賃貸の退去時の掃除方法を、自分でする場合とプロに依頼する場合について解説します。
3-1.退去時の掃除を自分で行う方法
退去時の掃除は、自分で行うことも可能です。家財道具を新居に移動した後、大掃除の要領で隅々までキレイに掃除しましょう。ものが少ない状態なので、いつもの掃除よりやりやすいはずです。しかし、長年住んだことにより蓄積した汚れはなかなか落ちにくいことでしょう。リビング・キッチン・風呂・トイレ・ベランダなど、場所ごとにやるべき内容をリストアップし、掃除する順番を決めておくとスムーズに作業が進むのでおすすめです。
<メリット>
- お金をかけずに掃除ができる
- 自分のペースで掃除を進められる
<デメリット>
- 自分で掃除道具を用意する必要がある
- 手間と時間がかかる
- 大きな疲労を伴う
- 時間が足りずに手が回らないところが出やすい
3-2.プロに依頼するべきケースとは
賃貸の退去時でも、以下のような場合は業者に依頼したほうがいいでしょう。
- 片づける時間がない
- 片づけを手伝ってくれる人がいない
- 掃除が苦手でやり方が分からない
- ものが多すぎる
業者に依頼するときは、まず作業見積もりを依頼しましょう。希望日時とやってほしい内容・部屋の広さや大体の物量を伝えると、業者が視察した後で見積もりを出してくれます。見積もり内容をチェックして問題がなければ正式に依頼しましょう。なお、業者に依頼した場合のメリットとデメリットは以下のとおりです。
<メリット>
- 自分でやるよりキレイに片づく
- 時間や労力の節約になる
- 不用品の処分も依頼できる
- 日時指定ができるので計画を立てやすい
<デメリット>
- 費用がかかる(数万円~、部屋の広さと物量・状態によるため業者に要確認)
3-3.業者選びのポイント
退去時の掃除・クリーニングの依頼は、以下のポイントを満たす業者に依頼すると安心です。
- 退去時の掃除・クリーニングで豊富な実績がある
- 不用品の買い取り・処分も行っている
- 費用がリーズナブルで分かりやすいシステム
- 見積もりだけの依頼は無料
- スタッフの対応が親切で丁寧
- 希望の日時に作業を依頼できる
4.賃貸の退去に関するよくある質問
最後に、賃貸の退去に関するよくある質問に回答します。ほかの人がどんなことを疑問に思うのか、参考にしてください。
Q.何をやっても取れない汚れはどうすればいいですか?
A.自分たちで取れない汚れは、プロの業者に依頼してみましょう。プロの業者でも取れない場合は、素材の張り替えで対応することになるはずです。経年変化や通常使用の範囲でついた汚れでないときは、借り主負担での修繕となる可能性が高くなります。貸し主とよく相談して、費用分担を決めてください。
Q.退去時に貸し主とのもめごとが収まらないときの対応は?
A.不動産会社が仲介している場合は、不動産会社に相談してください。そのほかにも、以下のような第三者機関に相談し、仲裁してもらうことも可能です。
Q.まったく掃除をしないで退去した場合は?
A.後日、貸し主からクリーニング代を請求される可能性が残ります。思わぬ高額請求をされないためにも、きちんと掃除してから退去しましょう。自分ができる範囲でいいので、入居したときと同様の状態に戻しておくのがマナーでもあります。
Q.退去時に不用品を置いていった場合、処分してもらえるのでしょうか?
A.不用品を置いたままでは、貸し主も賃貸に出すことができないため、処分してもらえるはずです。しかし、処分費用の請求があってもおかしくありません。めんどうでも、退去時の不用品処分は、自分で行ったほうがいいでしょう。
Q.敷金無料の物件の場合でもクリーニングの必要はありますか?
A.退去時にはクリーニングをしてください。敷金無料なのは、退去時に返却金がないだけのことです。通常の賃貸物件と同様、クリーニングをきちんと行ってスッキリしてから退去しましょう。
まとめ
今回は、賃貸物件を退去に関して詳しく解説しました。賃貸物件を退去するときは、必要な手続きをスムーズに終えてスッキリした状態にしたいものです。今まで暮らした部屋をきちんと掃除することで、さわやかな気持ちで退去しましょう。賃貸物件の掃除をすることは、気持ちの区切りになるだけではありません。貸し主への印象をよくし、敷金をできるだけ多く取り戻すための方法でもあるのです。貸し主から、思わぬ高額請求をされないためにも、自分たちでできるだけキレイにすることに大きな意味があります。