
エアコンの移設方法、かかる費用の目安、注意点など徹底解説!
引っ越しや大掃除などをきっかけに、エアコンを別の場所へ移動することがあると思います。そんなとき、「自分でエアコンを移設しても良いの?」「業者へ依頼するといくらかかるのか」「買い替えとどちらがお得?」など、さまざまな疑問が出てくるでしょう。そこで、本記事では、エアコンの移設方法・費用・ポイントについて解説します。
この記事を読むことで、エアコンの移設方法とポイントが分かります。検討している方はぜひ参考にしてください。
1.エアコンの移設方法は?
実際に移設を行う前に、知っておきたい基礎知識を押さえておきましょう。
1-1.どんな場合に移設するか?
引っ越しをきっかけに、エアコンを移設する方がほとんどです。現在、使用しているエアコンをそのまま新居で使いたいと考えている方は、取りはずしから運搬・取りつけ工事・移設にかかる費用をチェックしておかなければなりません。また、急な故障などで使っていない部屋のエアコンを移設することもあるでしょう。
1-2.移設のメリット・デメリットは?
エアコンを移設すると、新しいエアコンを購入する必要がないため、新しいエアコンを購入するためのお金が節約できるでしょう。しかし、エアコンを移設するためには、取りはずしから新しい家へ運び、再び取りつけなければなりません。自分で作業を行う場合、エアコンの移設に時間と手間がかかるのがデメリットといえます。また、移設を業者へ依頼する場合はお金がかかり、場合によっては追加料金を取られる可能性もあるのです。
1-3.自分で移設できるのか?
方法を把握しておけば、自分でエアコンを取りはずし、移設することができます。業者へ依頼する際にかかる費用が節約できますが、失敗のリスクがあるのでおすすめしません。エアコンの移設は、バルブの閉め方・作業手順などを誤ると、ガスが漏れる危険性があります。また、よくあるのが、「室外機がうまくはずせないこと」です。無理にはずしてしまうと、エアコン本体や室外機の配管・電線などを切断してしまうため、自分で行うよりも専門業者へ依頼したほうが良いでしょう。
1-4.どこへ依頼するのか?
エアコンの移設作業を依頼するのは、引っ越し業者・電気店などがほとんどです。引っ越しでエアコンを移設するケースが多いため、ほとんどの方は引っ越し業者へ依頼します。頻繁に使う部屋のエアコンが壊れた場合は、電気店に依頼し、ほかの部屋から移設するケースもあるでしょう。依頼先は、そのときの状況で決めてください。
2.エアコンの移設にかかる費用は?
エアコンの移設にかかる費用の相場・内訳・新しいエアコンを購入する際の金額などをチェックしておきましょう。
2-1.費用の相場は?
エアコンの移設にかかる費用は、約2万円~です。取りはずし標準工事費の相場が5,000円~、既存配管を再利用した場合の取りつけ標準工事費が約7,000円~、新品部材を使用した取りつけ工事費が約16,000円~となります。当たり前ですが、既存部品を再利用したほうが安くなるのです。ただし、この料金に、追加料金が追加されると2万円以上の金額になるでしょう。追加料金に関しては、後ほど【2-4.追加料金がかかるケースは?】で説明するのでぜひチェックしてください。
2-2.内訳をチェック!
一般的に、エアコンの移設工事は、取りはずし工事と取りつけ工事の2項目に分かれています。取りはずし工事の主な内容は、ポンプダウン作業・エアコン室内機や室外機の取りはずし・配管穴のパテ埋めなどです。取りつけ工事は、既存部品を使用するか、新品部材を使うかで費用が大きく異なります。そのため、見積書を確認する際は、どの工事にいくらかかるのか細部まで確認しておかなければなりません。
2-3.新設にかかる額と比較しよう!
エアコンを新設する場合、家電量販店・インターネットなど購入方法で費用が大きく異なります。たとえば、家電量販店で購入し工事を依頼する場合、工事費用に本体価格が含まれているケースがほとんどです。室内機の真裏に室外機がくる場合は、配管の追加料金がありません。一方、インターネットで本体だけを購入し、エアコンの取りつけを業者へ依頼する場合は、本体価格のほかに工事費用が12,000~15,000円ほどかかります。中には、工事込みの価格を提示しているところもあるので、さまざまな購入先を比較すると良いでしょう。場合によっては、エアコンを移設するよりも新設のほうが安く抑えられることもあります。
2-4.追加料金がかかるケースは?
家の形状や取りつけ位置・エアコンの状態によっては、工事代金のほかに追加料金がかかるケースがあります。追加料金がかかる主なケースとその相場は以下のとおりです。
- 配管等の部材交換:10,000円~
- 室外機特殊設置(天づり・壁面・屋根置きなど):12,000円~
- 室外化粧カバー:2mあたり4,000~8,000円
- ガス補充:6,000円~
- 穴あけ・電圧変更などの追加工事:2,000円~
追加料金の有無は、素人では判断できないので、業者へ依頼する前に確認しておく必要があります。後でトラブルにならないためにも、見積書でしっかりとチェックしておきましょう。分からないことがあれば、直接業者へ尋ねることが大切です。
3.エアコンを移設すべきか購入すべきか?
ここで問題になるのが、「エアコンを移設すべきか、購入すべきか」という判断です。どちらのほうがお得になるのか、そのときの状況やエアコンの状態によって異なります。判断に悩んだときの決め手について解説しましょう。
3-1.チェックすべきこと
まずチェックしてほしいのが、既存のエアコンです。移設予定のエアコンがどんな状態なのか、製造年月日・対応畳数・使用年数・汚れ具合等を確認してください。
基本的に、エアコンの耐用年数は、「10年」が目安の1つだといわれています。10年以上使い続けているエアコンを移設すると、壊れてしまい、買い替えなければならなくなる可能性があるのです。そのため、10年以上使い続けているエアコンは、引っ越しなどを機に買い替えを検討したほうが良いでしょう。移設にお金をかけるよりも、お得な方法といえます。
そして、もう1つ特にチェックしてほしいのが「対応畳数」です。対応畳数はエアコンのパワーを示しており、移設先の広さに見合った種類にしなければなりません。対応畳数に適していないと、十分に冷えなかったり、電気代が高くなったりしてしまいます。もし、移設先の広さに対応していないのなら、新しいエアコンに買い替えたほうが良いでしょう。
3-2.判断基準は?
前述したとおり、「使用年数」と「対応畳数」が主な判断基準となりますが、現在のエアコンの状態をいま一度確認することも大切です。もし、以下のような症状が現れている場合は、買い替えサインとなります。
- エアコンを入れると異音がする
- エアコンから放たれる風が臭い
- スイッチを入れても一向に冷えない・暖まらない
- 室内機から水が漏れる
- エアコンの操作ができない
- エアコンをつけると漏電ブレーカーが落ちる
上記以外の症状でも、不具合が起こり、その修理に数万円かかることがあります。修理を検討する際は、使用年数を考えながら買い替えにかかる費用と比較してみてください。これから長く使い続けることになるため、思いきって買い替えたほうがお得になることもあります。
3-3.購入費用を抑えるポイントは?
エアコンを新しく購入する場合、本体価格と工事費がかかります。購入費+工事費を節約したい方におすすめなのが、「工事費込みエアコン」です。工事費込みのエアコンは、名前のとおり、工事費とエアコン本体価格がセットになっています。また、家電量販店で購入すると、工事業者を手配してもらえるので安心できるでしょう。しかし、場合によっては、エアコン購入と工事依頼を別々にしたほうが安くなることがあるため、見積書の内訳をしっかり確認することが大切です。
3-4.悪質な業者に要注意!
移設すべきか、新設すべきか悩んだときに、専門業者の意見を参考にするのも方法の1つです。ただし、業者の中には、高額な料金を請求するなど不正を働く悪徳業者が存在しているので注意しなければなりません。悪徳業者と優良業者を見極めるため、業者選びの際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 電気工事の実績があるか
- 見積書の内容が細かく記載されているか
- 質問しても分かりやすく説明してくれるか
- 料金システムが明確になっているか
- 口コミ・評判が良いか
- 低費用かつ高品質なサービスが受けられるか
特に、見積書の内容が細かく記載されていない・きちんと説明してくれない業者は、悪徳業者の可能性が高いので要注意です。
4.エアコンの移設に関してよくある質問
エアコンの移設に関してよくある質問を6つピックアップしてみました。
Q.どの業者に依頼したほうが良いのか?
A.依頼先によってメリット・デメリットがあります。たとえば、引っ越し会社の場合、引っ越しと同時にエアコンの移設ができるので手間がかからないのが大きなメリットです。しかし、下請け作業員が行うケースが多いため、追加費用が高く引っ越し業者との伝達不足によるトラブルが起こりやすいというデメリットがあります。
Q.カビだらけのエアコンは移設しないほうが良いのか?
A.新しく買い替えることをおすすめします。なぜなら、カビだらけのまま取りつけると、常に汚い空気を吸い込むことになるからです。特に、赤ちゃんや高齢者がいる家庭では注意しなければなりません。購入したばかりのエアコンなら、エアコンクリーニングを依頼すると良いでしょう。エアコンクリーニング代は、約1万~2万円で依頼できるところがほとんどです。
Q.自分で移設する際によくあるトラブルは?
A.取りはずしの際に、室内機・室外機の配管接続部分をテープで養生しふさぐことができなかったために、配管内にゴミが入るというトラブルを起こすケースがあります。配管内にゴミが入ると、コンプレッサー故障の原因につながり、修理費用が高くついてしまうのです。また、ポンプダウン作業時に操作を誤り、冷媒が漏れ圧縮機内に空気が混入し、破裂することがあります。非常に危険な状態なので、なるべくプロに任せましょう。
Q.10年前のエアコンを使い続けるデメリットは?
A.10年以上使用し続けているエアコンは、パワーが弱まっており、電気代が高くなるおそれがあります。また、エアコン内部にホコリやカビが生えている可能性が高いので、別途クリーニング料金もかかるでしょう。電気代とクリーニング代を考えると、買い替えたほうが断然お得なのです。
Q.エアコンを取りつける際にチェックしておきたい箇所は?
A.室外機と室内機の距離と、室外機を置く位置の2点を確認しておきましょう。この2点は、エアコンの取りつけ工事費用に大きく影響します。室外機と室内機の距離があるほど高くなり、室外機を置く位置によっては追加料金が発生するのです。業者へ依頼する際は、どこに何の費用がかかるのかチェックしてください。
Q.エアコンのサイズ表記の注意点は?
A.カタログに記載されている「6~9畳」の表示は、「木造住宅は6畳」「鉄筋住宅は9畳」という意味です。鉄筋住宅のほうが密閉率が高いため、このような表記の差が生まれます。新しく購入する際は、表記の読み方を間違えないように注意してくださいね。よく分からないときは、メーカーに問い合わせたり、エアコンに詳しい家電量販店のスタッフに尋ねたりしましょう。
まとめ
いかがでしたか? エアコンの移設は、思っている以上に大変な作業です。自分で行う場合は、ドライバー・電動ドリル・六角レンチなど必要な工具を用意しなければなりません。また、床を傷つけないために養生したり、エアコンの設置場所から撤去するまでの道を確保したり、配管パイプを取りはずしたりなどすべきことがたくさんあります。素人が作業をすると失敗してしまう可能性があるため、専門業者にお任せするのが1番安心です。ただし、業者へ依頼する際は、見積書を細部まで確認しましょう。