
家を建てるのに必要な準備や流れを知りたい。まず何から始めるべき?
家を建てるということは、人生において最も重大な買い物の一つです。住む人すべてが満足できる家を目指そうと、いろいろと下調べをしている方も多いことでしょう。その一方で、家を建てたいのだが、何から手をつければよいか、分からないと悩んでいる人もいると思います。家を建てることまでにやることはたくさんありますが、家を建てるまでの流れを知っていれば、次に何をすべきかの見当もつきやすいでしょう。
そこで、今回は家を建てるための準備や、家を建てる流れについて解説します。
この記事を読めば、家を建てるために必要な知識もよく分かるでしょう。これから家を建てたいと考えている人や、家を建てる予定がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.家を建てるまでの流れ
家を建てるまでの流れを大まかに説明すると、以下のようになります。
- 家の予算・家のデザイン・工法・家を建てる場所などの計画を立てる
- 土地を探し、購入する
- 工務店を探し、契約する
- 住宅ローン等の申請を行う
- 着工・完成・引き渡し
これは、まったく何もない状態から家を建てる場合の流れです。すでに土地を購入している場合などは、多少流れがことなります。とはいえ、やるべきことがたくさんあることには変わりありません。1つ1つの工程に時間がかかることもありますので、家を建てる場合は、時間に余裕をもって計画を立てて実行していきましょう。
2.家を建てる準備の内容とは?
この項では、家を建てる準備について詳しく解説していきます。それぞれ、どのようなことをする必要があるのでしょうか?
2-1.家の間取りやコンセプトにかんする準備
家を建てる際、真っ先に行うことが「どのような家を建てるか」という具体的な計画です。たとえば、建築方法だけで
- 木造建築:日本従来の建築方法。柱や梁で屋根を支える形。費用が安く窓を大きく取ることも可能。間取りが変更しやすい反面、気密性が低くこまめな手入れが必要。
- 2×4住宅:北米発祥の工法で、2インチ×4インチの規格化された部材を用いて作る。壁で屋根を支える形なので、気密性が高く耐震強度が高い家ができる。その反面、間取りの自由がきかず、湿気対策をしないとカビや結露が発生しやすい。
- RC構造:鉄筋コンクリート造りとも呼ばれる工法で、耐震性・耐火性・遮音性の高い家を作ることが可能。その反面、費用が高く工期も長めになり、リフォームなどが難しくなるので注意が必要。
といった違いがあります。
また、住む人によっても間取りやコンセプトが異なるでしょう。たとえば、子育て中のご家庭ならば2階建ての家でも大丈夫ですが、老夫婦2人で住む場合は平屋のほうが便利です。また、子どもが小さい場合や将来子どもが増えるような場合は、リフォームすることを前提に家を建てたほうがよいこともあるでしょう。
現在は、インターネットを検索するだけで、家の間取りやコンセプトにかんするさまざまな情報を得ることができます。また、住宅展示場などを見学すれば、いろいろなコンセプトに合わせた住宅を見学することができますし、住宅メーカーと相談も行えるので、ぜひ足を運んでみましょう。
なお、家の間取りや工法にかんする相談は、家に住む予定の人たち全員で行うことが大切です。
計画の立て方としては、まず全員の希望を聞いてから、取捨選択をしていきましょう。個人の部屋やキッチンなどは、使う人の意見を最優先してください。
2-2.お金にかんする準備
家は、大きな買いものです。ほとんどの人が住宅ローンを利用すると思いますが、住宅ローンを実施している金融機関は大手銀行のほか、地方銀行・信用金庫・信用組合・農協・漁協などがあります。メインバンクがある場合は、そこへ申し込むことが多いでしょう。また、ローンの内容も固定金利・変動金利・フラット35などの種類があります。住宅メーカーや不動産業者は住宅ローンにかんする相談もできますので、利用してみましょう。また、メインバンクがある場合は、住宅ローンの相談会などに参加すると、アドバイスをもらえます。
最近は頭金ゼロでも家が建てられるという宣伝もありますが、家を建てるには建築費以外にも諸費用がかかるため、少なくとも数十万円の資金がなければ家は建てられません。ですから、頭金ゼロで家を建てる計画がある人は、諸費用がどのくらいかかるかの計算を忘れずに行いましょう。
なお、自治体によっては、エコ住宅やバリアフリー住宅などの住宅を建てると、補助金が出るところもあるのです。お住まいの自治体がどのような補助を行っているか知りたいという場合は、自治体のホームページなどを確認してみましょう。
2-3.土地にかんする準備
家を建てるには、土地が必要です。土地から買う場合は、すでに宅地用に整備されているものを購入するのが、一番手っ取り早いでしょう。ただし、このような土地は家を建てられる住宅メーカーなどが決まっているケースもあります。
一方、自分で整地をする場合は、何もかも自由にできる反面、土地の購入費用と建築費に加えて整地の費用もかかってくるので、より費用がかかるでしょう。
また、宅地でなかった場所を宅地として整地する場合、地盤の強化が必要となるケースもあります。
土地の費用は、一般的に都市部で利便性が高い場所ほど高額になる傾向です。ただし、都市部で利便性が高い場所にあっても、日当たりが悪かったり騒音問題があったりして、安価なところもあります。一般的に宅地として最も人気があるのは南向きの角地と言われていますが、そのような場所を買えば全く問題がない、というわけでもありません。
土地を買う場合は、朝・昼・晩のそれぞれの様子や周囲の環境、以前その土地がどのような目的で使用されたかなどを一通り確認し、購入するとよいでしょう。
2-4.工務店や住宅メーカーにかんする準備
家を建築してくれる業者には、ハウスメーカーや工務店などがあります。大手ハウスメーカーならば、自社で一括して建築材料を製造していたりするので、工務店に依頼するよりも建築費が安くなることもあるでしょう。その一方で、自由度は低くなります。工務店の場合は比較的自由に建築ができる反面、こだわりの建材などを使用するほど、建築費は上がるでしょう。しかし、地域密着型の大きな工務店の場合は、大手ハウスメーカーよりも融通がきき、その土地に合った家を建ててくれます。
なお、建築家に家の設計をお願いする場合は、建築費に加えて設計費用もかかるので、その分費用が高額になるでしょう。
業者を選ぶには、まず目星をつけた業者からすべて見積もりなどを取り、説明を聞くとそれぞれの業者の特徴やメリット・デメリットが見えてきます。そのうえで、業者を選ぶとよいですね。住宅相談会などにいくといろいろな業者から説明を聞けるので、便利でしょう。なお、業者によって諸費用や手数料が異なりますが、安ければよいというわけではありません。最初からすべて込みの値段なので高い、何かあるたびにその都度料金が発生するので安い、ということもあるでしょう。
3.家を建てる準備に対するよくある質問
Q.土地を購入する際、不動産屋が工務店などを紹介してくれることはあるのでしょうか?
A.地域密着型の歴史が長い不動産屋ならば、そのようなケースもあります。しかし、基本的には不動産屋は土地を売買するだけの業者ですので、工務店などは別に探してください。
Q.大手ハウスメーカーのメリットは何でしょうか?
A.知名度が高い業者の場合は、信頼度が高く何かあったときのアフターケアも充実しています。しかし、工務店でもそのようなところは多いので、絶対に大手ハウスメーカーにしかないメリットというのは同じ建材を利用した際、多少費用が安くなる点くらいでしょう。
Q.自分で家を建てることは可能ですか?
A.ご自身で家を建てる場合は、技術的な面もさることながら、各役所への届け出や許可まですべて自分で行わなくてはなりません。不可能ではありませんが、選択肢には入れないほうがよいでしょう。
Q.住宅ローンは性別や年齢にかかわらず、組めますか?
A.80歳未満であれば、基本的に性別にかかわらず組むことが可能です。しかし、60代以降の場合は長いローンが組めなかったり、親子ローンをすすめられたりすることもあるでしょう。
Q.どのような場合に、建築家に家の設計を依頼すればよいのですか?
A.一般的な住宅の設計では実現できないコンセプトがある場合や、土地の形が特殊で、設計に工夫を凝らさなければならない場合は、建築家に設計を依頼しましょう。
4.おわりに
いかがでしたか? 今回は家を建てる準備や流れについて解説しました。こだわりのコンセプトがあり、個性的な家を建てたいケースほど、建築費用や建築期間がかかります。維持費やリフォーム費用のことなどもよく考え、工務店や住宅メーカーの人からもアドバイスを受けながら、準備を進めていきましょう。