
新築の間取りについて知りたい! 失敗しない間取りの決め方とは?
新築で最も悩むところが「間取り」です。人生に一度の大きな買いものとなるマイホームは、絶対に失敗できませんよね。できるだけ、後悔のない新築にするためには、間取りのプランをきちんと立てることが大切なポイントとなります。しかし、「どこから決めたら良いのか」「どんな部分に注目すれば良いのか」など、さまざまな悩みが出てくるでしょう。そこで、本記事では、間取りの基礎知識から新築の間取りの決め方・実例・建築業者の選び方などについて説明します。
この記事を読むことで、新築の間取りについて詳しく知ることができます。家を建てる予定のある方は、ぜひ参考にしてください。
1.間取りの基礎知識
新築の間取りについて考える前に、基礎知識を身につける必要があります。間取りの定義や重要性・生活との関係について詳しくチェックしておきましょう。
1-1.定義
間取りとは、住宅の部屋の配置のことです。1Rや1K・2DK・3LDKなどのように、数次とアルファベットの組み合わせで表記されます。計画段階のときは、間取りというよりも「ゾーニング」や「平面計画」と呼ばれることが多いでしょう。もともと、間取りという言葉は、建築物の内部における「間」の「取り」方からきているといえます。
1-2.重要性
家を建てるときはもちろんのこと、賃貸物件を探すときも、間取りを重視する方が多いと思います。リビングの広さやトイレやお風呂など水まわりの配置など、住居者が建築物の機能を効率良く使いこなせるかどうかが、大きなポイントです。建物の面積や形状・構造・環境という制約がある中で、ライフスタイルや住居人数・目的に合った間取りを考えなければなりません。
1-3.生活との関係について
間取りと生活は、常に密接な関係にあります。現在のライフスタイルに合っている間取りを考えがちですが、将来のこともきちんと考慮しなければなりません。なぜなら、将来子どもができたり、家族が増えたり、子どもが自立したりするなど、時間の経過とともにライフスタイルも変化するからです。特に、持ち家の場合は、一生暮らすことになるので将来を見据えた間取りを考えなければなりません。
2.新築の間取りについて
では、実際に、新築の間取りはどのように決めていけば良いのでしょうか。間取りの決め方や家のつくり・パーツの書き出し・目的・組み立て方など必要な内容について説明します。
2-1.間取りの決め方について
新築の場合、間取りの自由度が高く、理想的な家づくりができます。自由度が高い分、優先順位や目的を明確にしておかなければなりません。まず、家族の活動でイメージしてみてください。たとえば、子どもが自立した後は、夫婦でガーデニングを楽しみたいときは、大きな庭をつくりたいものです。家族が好きなことや叶(かな)えたい夢などを、箇条書きで出していき優先順位を決めながら間取りをイメージすると良いでしょう。1人だけで考えるのではなく、家族で話し合いながら決めることが大切です。意見が対立したときは、箇条書きした紙を見返すことで原点に立ち返ることができます。
2-2.家のつくりを考える
購入する土地の広さや環境によって、家のつくりが変わります。たとえば、3階建てにしたくても、建築可能な地域でなければ建てることはできません。家のつくりを考える前に、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合である「建ぺい率」を確認しておきましょう。建ぺい率や環境は、平屋・2階建て・長方形など家のつくりを決める判断材料となります。建ぺい率に関しては、建築を依頼する業者やハウスメーカーなどのプロに相談してください。
2-3.パーツを書き出してみる
家族の活動を書き出したら、それぞれの内容を実現させる間取りのパーツを考えていきましょう。具体的な間取りを考える必要はありません。ポイントは、必要なパーツとおおよその広さを書き出すことです。たとえば、先ほど例に挙げたガーデニング好きな家庭の場合、庭の広さをどのくらいにするのか、大まかで良いので書き出してみましょう。十分にガーデニングやバーベキューが楽しめる広さか、ひなたぼっこをする場合はウッドデッキを設けるか、などを考えます。
また、家族で交流する機会を増やすためのリビングや、仕事ができる書斎など、家族が必要なパーツを書き出し、ある程度の広さを記してみてください。
2-4.目的を考える
新築の間取りを決める際に、最も大切な要素が「目的」です。何のために家を建てるのか、考えてみましょう。新築を建てる目的として多いのが、「子どもが増えたから」「2世帯で暮らすから」などです。子どもが多い場合は、子ども部屋の配置・広さ・将来自立したときの使い方なども考えておかなければなりません。2世帯の場合は、どこまで各世帯が共有するのかがポイントです。完全分離・隣居スタイル・玄関共有・玄関浴室共有・完全共有などのスタイルがあります。
2-5.間取りの組み立て方
間取りの組み立てを行う際のポイントは、生活動線・家事動線・玄関の3点です。図面をもとに、生活動線や家事動線を線で書き出してみてください。たとえば、母親の場合は、キッチンとダイニングが主な生活・家事動線になるでしょう。子どもの場合は、リビングと子ども部屋の往復になるはずです。朝の時間帯は、洗面台やリビングなど忙しい動線も見えてくるでしょう。いつどこが慌ただしくなるのか、明確にしておいたほうが住みやすい間取りが組み立てられます。
また、新築の場合は、玄関の向きに注目すべきです。子どもの送り迎えや荷物の受け取り、外出・帰宅時など、毎日必ず使うことになる玄関は、生活の基盤となる場所でもあります。玄関の向きで注目すべきポイントは、駐車場への移動動線・セキュリティー性・風水的な運気です。リビングや庭などの配置に注目しがちですが、玄関の向きを先に考えておいたほうが良いでしょう。
3.新築の間取り~実例について
新築の間取りの決め方を把握しても、なかなかイメージできない部分があるでしょう。そんなときは、実際に例を見たほうがイメージしやすいと思います。
3-1.さまざまな実例とポイント
建設業者に依頼する前に、いくつかの実例をチェックしてみてください。核家族・2世帯住宅向けなど、種類に分けて実例が確認できます。土日や祝日には、各地で住宅完成見学会も実施されているでしょう。できれば、間取りの図面をもらって、実際の家を見学してみてください。図面を見たほうが、具体的なイメージがしやすくなります。また、インターネットでも「新築 間取り」と検索すれば、多数の実例が出てくるのでおすすめです。「住みやすい間取りの実例集」では、タイプや坪数などから間取りが検索できるので、ぜひチェックしてみてください。
3-2.失敗から学ぶこと
一生に一度の大きな買いものとなる新築は、絶対に失敗したくないでしょう。失敗を防ぐためには、どのような失敗談があるのか把握することが大切です。たとえば、よくある失敗談が、配線・収納・広さの失敗となります。それぞれの失敗例を以下にピックアップしてみました。
<配線の失敗>
- リビングの照明スイッチが、ドアを開けると隠れてしまう
- 玄関入ってすぐの廊下のスイッチが遠い
- コーヒーメーカーを使うためにキッチンにもスイッチをつければよかった
失敗しやすいコンセントは家電の数と場所ごとに設置しましょう。スイッチは生活動線に合わせて距離も確認すると、適した位置に配置しやすくなります。
<収納の失敗>
- 玄関の広さを優先するあまり、収納スペースが少なくなった
- 大きな納戸をつくったが、実際は使わなかった。今ではデッドスペースに
収納のポイントは、出し入れする面の広さを確認することです。出し入れする面の広さによって、収納量を決めていきましょう。奥行きは深すぎると無駄なスペースになってしまうため、収納するものに合わせて設計してください。
<広さの失敗>
- 子どもと一緒に料理をするスペースにしては狭すぎた
- リビングを少しでも広くさせようとしたら、玄関が狭くなった
- リビングを吹き抜けにしたら2階が狭くなり、1階の冷暖房効率が悪くなった
新築の間取りにおいて、広さは失敗しやすい箇所です。部屋の広さを決める場合は、どこにどのくらいの大きさの家具を置くのか、図面に書き出してみてください。移動するためのスペースも忘れずに書き込んでおきましょう。人が通るには50cm以上、すれ違うには90cm以上の間隔が必要です。
3-3.注意点
最初から、自分たちだけで間取りを考えるのは、どうしても限界があります。プロ視点でのアドバイスも必要なので、複数の工務店などで間取りの作成・見積もりを依頼してみてください。すべてを自分たちで決めてしまえば、生活しづらい間取りになる可能性があるので要注意です。
4.新築を建てる~建設業者の選び方
理想的かつ生活しやすい間取りにするためには、腕の良い建設業者に頼むことが重要です。そこで、ここでは、業者選びのポイントや主な流れ・間取り・大まかな費用などについて説明します。
4-1.業者選びのポイント
業者選びの際に、最も大切なポイントは「実績と経験」です。新築の実績や経験を積んでいる業者ほど、どのようなケースに対しても適切なアドバイスをすることができます。要望を聞き入れつつも、適切なアドバイスやプランを提示してくれるかどうかがポイントです。長い時間をかけて、間取りを決め建設が始まるため、業者の担当者との相性も注目しなければなりません。相性が合わない業者との話し合いは、平行線のまま、イメージとは異なる仕上がりになってしまいます。
4-2.主な流れ
新築の完成までの主な流れを、以下にピックアップしてみました。
- 予算と建てる土地の決定
- 住宅会社探し→建築のプランと見積もり
- 依頼先の仮決定(設計申し込み)
- 地盤調査
- プランの詳細打ち合わせ(間取りの最終決定)
- 最終見積もり→本契約と住宅ローンの申し込み
- 工事→完成・引き渡し
主な流れは以上のとおりです。プラン詳細の打ち合わせで、最終的な間取りを確認することになります。すべてを業者に任せるのではなく、積極的に携わっていきましょう。
4-3.間取りについて
優良業者は、依頼主の要望をきちんと聞き入れながらも、より良い間取りのプランを提案してくれます。ある程度、家族の行動をピックアップして、大まかな間取りを決めた後に、業者へ相談してみると良いでしょう。また、最終的な間取りを確認するときは、予算がオーバーしていないかどうかも要チェックです。オーバーしている場合は、どのくらいオーバーしているのか、確認しておかなければなりません。
4-4.大まかな費用
土地の広さや家のつくり・間取り・使用する材料などによって、新築費用は大きく異なります。大まかな目安としては、新築一戸建てで3,000万~4,000万円、注文住宅で4,500万~5,000万円ほどかかるでしょう。立地や環境にも変動するため、土地価格も考慮しておかなければなりません。間取りを考える前に、予算を明確にしておきましょう。
5.新築の間取りに関してよくある質問
新築の間取りに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
5-1.新築の間取りで最も重視すべきこととは?
機能性や見た目にこだわりすぎて、実用性を見逃してしまうことがあります。新築で失敗しているほとんどの人が、見た目の憧れを優先しているのです。新築の間取りを決める場合は、見た目だけでなく、実用性・機能性に目を向けてください。将来に亘って、使いやすさを考えた間取りが理想的です。
5-2.玄関の向きで注意すべきこととは?
「訪問者にとって分かりにくい位置だった……」という失敗をよく耳にします。子どもたちが遊びに来る、宅配業者や家庭訪問への対応など、玄関は誰もが探す場所です。家は分かるけど玄関が分からないというような状態にならないように気をつけてください。
5-3.プライバシーが確保できる間取りにしたい
家の中や外からの視線が気になる方は、図面上を歩くつもりで視界に何が入ってくるのか想像してみてください。特に、外から見えやすいリビングの窓やドア、2階部分の窓から見える風景は要チェックです。
5-4.想定と現実の不一致を防ぐポイントとは?
イメージと完成後の間取りが異なる、ということにならないためには、設計図面に意図をきちんと反映させることが大切です。図面で分かりにくい部分は、現場で業者にきちんと伝えていきましょう。業者との意思疎通が、想定と現実の不一致を防ぐポイントとなります。
5-5.2世帯住宅の間取りのポイントは?
2世帯住宅の場合は、同居する両親の将来も考えなければなりません。将来、介護の予定を立てているのなら、階段や段差のない間取りが良いでしょう。居住部分を分けるのなら、1階部分を祖父・祖母、2階部分を父・母・子どもなどの住まいにする方法もあります。
まとめ
いかがでしたか? 新築の間取りは、自由に決めることができます。自由度が高いからこそ、きちんと目的や家族の生活を踏まえた上で優先順位を考えなければなりません。現在のライフスタイルだけでなく、将来どのような生活になるのかも考慮して間取りを考える必要があります。きちんと知識を把握しておかなければ、間取りで失敗することになるでしょう。失敗を防ぐためにも、新築の間取りのポイントを押さえてくださいね。