今話題のスケルトンリフォームとは？ メリットから業者の選び方まで

1．スケルトンリフォームとは？

まずは、スケルトンリフォームについて解説します。

1-1．どんなものか？

「スケルトン」とは、もともと「動物や人間の骨格」のことを意味する言葉です。不動産業界では「建物を支える柱などの構造躯体（くたい）」のことを指し、住居を骨組みの状態まで解体して中身を新しく作り直すことを「スケルトンリフォーム」と呼んでいます。特にマンションリフォームの場合、配管の位置など構造上の問題から、間取りを大きく変えられないというデメリットがあるでしょう。しかし、スケルトンリフォームなら既存の間取りにとらわれることはありません。

1-2．現状

近年は、中古マンションを購入してスケルトンリフォームをする人が増えてきています。そもそも、ここ数年はマンションの買い替え需要が高まってきているのが現状です。リフォームを前提として中古マンションを購入し、自分たちが暮らしやすいように作り変える方法を選択する人が増えています。マンションの資産価値を上げることが可能になるという点でも、人気を集めているのです。

2．スケルトンリフォームの特徴

スケルトンリフォームの特徴をまとめました。

2-1．特徴

いったん骨組みだけの状態にするため、大掛かりな間取り変更を伴うリフォームに向いています。「配管の都合でキッチンの位置を変えられない」というような問題も解決できるのです。もちろん、断熱材や防音材などを使用することで住み心地のよい住居を作り出すこともできます。まるで新築のような住まいに生まれ変わることが可能なのです。

2-2．通常のリフォームとの違い

そもそも、リフォームとは「住居を元のきれいな状態に直す」ことをいいます。古くなったものを新しくし、故障したものを修復するための作業であり、スケルトンリフォームとは定義がまったく異なるのです。

2-3．リノベーションとの違い

よく似た言葉に「リノベーション」があります。リノベーションとは「住まいの価値向上を目的としたリフォーム」のことであり、スケルトン状態にして間取りを変更する方法とそうでない方法があるのです。業者によっては、スケルトンリフォームとリノベーションという言葉を混同して使っているところもあります。

3．スケルトンリフォームのメリットとは？

では、スケルトンリフォームには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

3-1．どんな場合に適しているのか？

スケルトンリフォームに適した建物やケースは、以下のとおりです。

• 築年数が15～20年以上経過し、老朽化が目立つ建物
• 住宅設備をまとめてリフォームしたいとき
• 家族構成やライフスタイルに変化が生じたとき

3-2．メリット

スケルトンリフォームにはたくさんのメリットがありますが、一番はやはり自由にプランニングできるという点でしょう。壁紙から床材まで自由に選ぶことができ、部屋数を変更することも可能です。また、耐震性能や断熱性能をアップできるという点、新築同様のデザインを選べるという点も、大きなメリットでしょう。

3-3．デメリット

その反面、以下のようなデメリットもあります。

• 共有部分とつながっている部分など、リフォームに適していない場所がある
• マンションの規約によってはリフォームできない箇所もある
• 建て替えよりも費用が高くなることがある
• 工事期間が長い

3-4．注意点

スケルトンリフォームは、部分的なリフォームに比べて工事の規模も大きくなります。騒音の問題などで近隣の住人に迷惑をかけることになるため、注意が必要です。騒音対策をしっかり行い、工事の時間帯や曜日などもきちんと計画した上で工事を行わなければなりません。

4．スケルトンリフォームの費用について

スケルトンリフォームの費用についてご紹介します。

4-1．一戸建ての場合

一戸建ての場合はリフォームにかんする制約がない分、自由度が高くなりやすいことから工事が大掛かりになる傾向にあります。そのため、費用相場はマンションより200万円ほど高くなり、800万～1,000万円程度です。もちろん、築年数や建物の面積・過去のリフォーム履歴などによっても価格は変動するため、事前にしっかりと相談しておきましょう。

4-2．マンションの場合

マンションの場合、費用相場は600万～800万円前後といわれています。一戸建てよりもできることに制限があり、屋根や外壁の解体がない分、安くなることが多いのが特徴です。

5．スケルトンリフォーム成功のコツ

リフォーム成功のために知っておくべきコツやポイントをまとめました。

5-1．費用を抑えるコツ

事前に必ず複数の業者から見積もりをとりましょう。そして、比較した上で依頼する業者を決めることが大切です。中には高額な料金を請求してくる悪徳業者もいるため、そういった業者を見極めるためにも相見積もりをとるようにしてください。

5-2．成功のポイント

高いお金をかけてリフォームするため、満足のいく仕上がりにする必要があるでしょう。事前に、現在の状態をしっかりと把握しておくために、耐震の問題についてもチェックしておいてください。修繕が必要な箇所を特定しなければなりません。また、何を重視してリフォームしたいのか、優先すべきものを決めておくことも大切です。デザインを重視したいのか、機能を重視したいのかなど、家族で話し合っておきましょう。

5-3．業者選びが重要！

信頼のおける良心的な業者を選ぶことが大切です。業者選びのポイントは、以下を参考にしてください。

• 豊富な実績があるか
• 見積もりの内容が分かりやすいか
• 質問に対して丁寧に答えてくれるか
• 高い技術力を持っているか
• 迅速な対応をしてくれるか
• アフターフォローが充実しているか

5-4．注意点

悪徳リフォーム業者を見分けるポイントを知っておきましょう。特に、突然訪問してきて言葉巧みにリフォームをすすめてくる業者、契約を急がせるような業者には要注意です。訪問でのセールスを受けた場合は、絶対にその場で契約しないようにしてください。家族とよく相談し、ほかの業者にも見積もりを依頼して金額を比較してみましょう。もし契約してしまった場合は、契約日から8日以内であれば解約できます。気になる点があるときは「国民生活センター」などに相談するのもおすすめです。

6．スケルトンリフォームにかんするよくある質問

「スケルトンリフォームについて知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q．マンションの場合、リフォームにかんしてどのような規制があるのでしょうか？
A．共用部分はリフォームすることができません。また、専用部分であってもマンションの管理組合に届け出をする必要があることが多いでしょう。マンションによっては「日曜日の工事が不可」というところもあります。

Q．なぜ、建て替えよりもスケルトンリフォームのほうがよいのですか？
A．確かに、建て替えよりもスケルトンリフォームのほうが高額になることもあります。しかし、築年数の古い一戸建ては現行の法基準に適合していないこともあり、建て直すことで家が狭くなってしまうこともあるのです。

Q．一戸建ての場合、スケルトンリフォーム工事の坪単価はどのくらいでしょうか？
A．解体費用の相場が1坪あたり1.5万円～2万円程度、リフォームにかかる費用相場が1坪あたり50万～80万円程度です。

Q．スケルトンリフォームが完了するまでどのくらいかかりますか？
A．規模や内容によりますが、設計期間を含めると4～5か月はかかると考えておくとよいでしょう。短期賃貸マンションなどの仮住まいを用意する必要があります。

Q．マンションならではのリフォーム業者の選び方にはどのようなポイントがあるでしょうか？
A．工事中に起きたトラブルに迅速に対応できるか、近隣への騒音対策をしっかりとしているかなど、細心の注意を払っている業者を選ぶことが大切です。

まとめ

いかがでしたか？ スケルトンリフォームの特徴やメリット・業者の選び方などをまとめてご紹介しました。スケルトンリフォームにはさまざまなメリットがあり、住居にかんする悩みを解決してくれるはずです。ぜひこの記事を参考にして、スケルトンリフォームについて知ってください。そして、理想のリフォームを実現しましょう。