
エアコンのカビ臭いを除去する方法を紹介! 対策&予防法を知ろう!
エアコンから出る風が臭いと、気分が悪くなりますよね。カビ臭い、生乾きのような嫌な臭いは、エアコン内部に発生しているカビが原因です。まずは、内部に発生しているカビを除去しなければなりません。そこで、本記事では、エアコンのカビ対策・予防法をまとめて紹介します。
この記事を読むことで、エアコンのカビを除去し予防する方法が分かります。臭いで悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。
1.エアコンのカビ~基礎知識
最初に、エアコンのカビが発生しやすい場所と原因など基礎知識を押さえておきましょう。カビ臭さを取りのぞくためには、カビについて知ることが近道となります。
1-1.カビが生えやすい場所は?
エアコンのカビは、「フィン」と呼ばれる場所に発生することがほとんどです。エアコンのカバーを開けると、最初に見えるのがホコリなどを吸着する「プレフィルター」となります。目がそれほど細かくないフィルターですが、定期的に掃除するのはこの部分でしょう。このプレフィルターの奥にあるのが、カビが発生しやすい「フィン」なのです。そのため、外から見えにくく、掃除しにくい場所といえるでしょう。
1-2.主な原因を知ろう!
カビは、発生環境になればエアコン内部だけでなく、室内のどこにでも発生する害のあるものです。カビの発生要因は、「湿度」「温度」「ホコリ・汚れ」の3点が大きく関係しています。湿度が80%以上、温度が20~35℃の環境が最も繁殖しやすく、この環境に加えホコリ・汚れが付着すると、さらにカビが増えるのです。ホコリ・汚れはカビにとっての絶好のエサとなるため、エアコン内部の汚れはこまめに掃除しキレイにする必要があります。
1-3.カビの悪影響、怖いところは?
エアコン内部に発生したカビを放置すると、どんどん増殖し、内部のカビがエアコンの風に乗って一緒に外へ出てきてしまいます。その結果、室内にもカビが蔓延(まんえん)し、夏型過敏性肺炎を発症させる可能性が高くなるのです。夏型過敏性肺炎は、夏に風邪をよくひき、咳(せき)が長く続く怖い病気となります。慢性化すると肺の機能が少しずつ弱り、ちょっとしたことで息切れを起こすようになるでしょう。また、エアコン内部のカビは、本体を劣化させる原因にもなるので要注意です。
1-4.カビの見極め方は?
目で確認しにくいエアコン内部のカビの発生を見極めるポイントは、「不快に感じる臭い」です。エアコンを稼働させたときに、風と一緒にカビ独特の臭いが出る場合は、内部にカビが発生している可能性が高いでしょう。また、簡単にチェックできる方法があります。踏み台に乗り、風向きを変えるときに動いている部品「ルーバー」を手動で開けてみてください。そこから、吹き出し口に光を当てつつ、エアコンの中をのぞいてみましょう。無数の黒い点々が見えたなら、カビが発生している証(あかし)です。
2.エアコンのカビ~正しい対策法は?
エアコン内部にカビを見つけたら、早めに掃除し除去する必要があります。ここでは、エアコンのカビを除去する掃除方法を紹介しましょう。
2-1.理想的な掃除頻度
エアコンのカビを防ぐためには、年に1~2回のクリーニングが必要だといわれています。プロの業者によるエアコンクリーニングを年に1~2回、そして、自分で行うフィルター掃除を月に最低でも1回は行うようにしてください。フィルターに付着するホコリなどの汚れが、カビを発生させる原因にもなります。こまめに掃除することで、カビの発生を未然に防ぐことができるでしょう。
2-2.用意するもの
「フィン」に発生しているカビは、必要なものが用意できれば自分で取りのぞくことができます。エアコンのカビ除去に必要なものは、以下のとおりです。
- フィンクリーナー
- ゴム手袋
- 掃除機
- 歯ブラシまたは綿棒
カビの除去に最適な洗剤=カビ取り剤と思われがちですが、エアコンの場合は変色するおそれがあります。フィン専用のクリーナーを使うのが一般的です。近くのホームセンターや薬局・ドラッグストア等で手に入るので、ぜひチェックしてみてください。
2-3.掃除方法、手順を紹介
必要な掃除アイテムを用意した後は、以下の手順でフィンを掃除しましょう。
- エアコンカバーを取りはずし、プレフィルターもはずす
- フィンの部分に掃除機を当て、ホコリを吸い取る
- 掃除機で吸い取れなかったホコリを歯ブラシまたは綿棒でこすり落とす
- フィンクリーナースプレーを吹きかけ、乾燥したらフィルターとカバーを取りつける
また、エアコン内部のフィンとファンを掃除する際は、手の届く範囲で行ってください。エアコン内部の掃除方法と手順は以下のとおりです。
- コンセントを抜き、必ず電源を落とす
- タオルに中性洗剤を染みこませ、吹き出し口の部分を拭く
- 洗剤を使ったタオルで拭いた後は、水でしぼったタオルで拭き取る
内部に電気が通ったまま掃除するのは危険です。必ずコンセントを抜いてから掃除してください。
2-4.無理に掃除を行うのは禁物
自力で掃除できる範囲は限界があります。エアコンの奥にカビが発生している場合は、分解する必要があるでしょう。しかし、エアコンの故障につながるおそれがあるため、無理をせずに業者へ依頼したほうが安全です。また、内部の電子部品にクリーナーがかかると故障するので、自分で行う場合は水がかからないように養生を行う必要があります。心配な方や不安な方は、無理をせず業者へ依頼してください。
2-5.エアコンの掃除機能は役立つのか?
近年のエアコンには、便利な「掃除機能」がついています。しかし、プレフィルターの汚れを取りのぞく機能であって、カビを除去する機能ではありません。ほとんどのお掃除機能は、フィルター上部に設置されたブラシがホコリをとりのぞき、集めたホコリを室外へ排出し、もしくはダストボックスへと回収するという仕組みになっています。ある程度のホコリは除去できますが、細かいチリやホコリ、フィルター以外の場所に汚れが溜まるのを防ぐことはできません。ただ、カビのエサとなるホコリ防止のために、掃除機能を活用すると良いでしょう。
2-6.プロの清掃、クリーニングは?
プロに頼めば、自分で行うよりも故障の心配がありません。エアコンに詳しいスタッフが掃除を行うため、確実にキレイにしてくれるのも大きなメリットです。1度しっかりとキレイにすれば、次回の掃除の間隔を延ばすことができますし、カビの予防も徹底できるでしょう。さらに、エアコンクリーニングの中には、抗菌剤散布が含まれているところもあります。抗菌剤散布をすることで、さらにカビの発生を予防できるのです。
3.エアコンのカビ~予防と注意点
エアコンをキレイにしたら、次にやるべきなのがカビの予防策です。ここでは、気軽にできるカビ予防と注意点について解説します。
3-1.定期的にフィルターを掃除する
カビの発生を抑えるためには、定期的なフィルター掃除が必要です。内部がキレイになっても、フィルターがホコリまみれでは意味がありません。ホコリ・汚れ等でカビが発生しやすい環境になってしまいます。前述したとおり、エアコンフィルターは1か月に1~2回の目安で掃除をしましょう。また、フィルターについた汚れがなかなか落ちない場合は、新しいフィルターに交換してください。
3-2.部屋全体の湿度を下げる
室内の湿度が高くなると、エアコン内部にカビが発生しやすくなります。そのため、家全体でカビが発生しづらい環境づくりをすることが大切です。たとえば、こまめに窓を開けて換気したり、除湿機を活用したりするなど、さまざまな対策があります。できる限り、カビが発生しやすい湿度80%を上まわらないように気をつけてくださいね。
3-3.送風運転に設定する
水気があるところに、カビが発生しやすくなります。エアコン内部に水気があるとカビが繁殖しやすくなるため、乾燥させるために「送風運転」をしてから電源を切ってください。特に、梅雨時期の除湿運転や夏場の冷蔵運転は、使用するたびに水気が発生します。冷房・除湿機能を使用した後は、30分~1時間ほど送風運転をして電源を切るように心がけましょう。
3-4.防カビコーティングを依頼する
カビ予防のために、エアコン内部をコーティングすることを「防カビコーティング」といいます。エアコンの防カビコーティングは、エアコンクリーニングを依頼したときに同時にお願いできるでしょう。防カビコーティングの効果は1シーズンといわれているため、冷房を使い出す前に施すのが理想的です。自分でもスプレーを使用すればコーティングできますが、完璧にキレイになってからのほうが効果が高いといわれています。プロにクリーニングを依頼しキレイにしてからコーティングしたほうが良いでしょう。
4.エアコンのカビに関してよくある質問
エアコンのカビに関してよくある質問を6つピックアップしてみました。
Q.カビが発生すると取りのぞきにくい場所は?
A.エアコン内部の「フィン」だけでなく、「熱交換機」「送風ファン」「ドレンパン」もカビが発生しやすく、除去しにくい場所といわれています。熱交換機は空気を暖めたり冷やしたりする場所で、エアコンの風が必ず触れるところです。ドレンパンは空気中の水分が液体から気体になった水を受ける皿で、カビの発生原因がそろっています。これらの場所は、エアコンを解体しなければキレイにできないので、プロに依頼したほうが良いですよ。
Q.エアコンのカビで特に注意しておきたい点は?
A.大人よりカビの影響を受けやすい赤ちゃんや幼児がいる家庭は、特に注意が必要です。子どもは免疫力が低く、体ができあがっていません。大人よりカビの影響を受けやすく、病気の発症率が高くなります。カビによるアトピーや喘息(ぜんそく)が発症すると、大人になっても症状を引きずることがあるため、常にエアコンを清潔にしておくことが大切です。
Q.エアコンクリーニングはいくらかかるのか?
A.エアコンの機種・容量・業者などで異なりますが、壁掛けタイプで約1万円、天井埋め込みタイプで約2万円かかるでしょう。掃除機能つきのエアコンや、室外機の洗浄も依頼する場合は、これらの料金に加え5千~1万円オプション料金がかかる可能性があります。依頼前に、無料見積もりとエアコンクリーニングの内容を細部までチェックしておきましょう。中には、高額な料金を請求する悪質な業者が存在しているので注意が必要です。
Q.業者選びのポイントは?
A.スタッフの対応・サービス内容・料金・口コミなど、複数の業者を比較してください。比較することで、優良業者と悪質業者を見極めることができるでしょう。料金設定が明確でない・見積書が大ざっぱな業者は信用できません。しつこい営業電話などがなく、親身になって相談に乗ってくれる業者かどうか慎重に選んでくださいね。
Q.エアコンフィルターの掃除方法が知りたい
A.自宅でも簡単にできる掃除方法を以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
- フィルターをはずす前に掃除機である程度ホコリを取りのぞく
- フィルターをはずし、外側から掃除機をかける
- 内側からスポンジを使って水洗いをする
- 完全に乾かした後、再度フィルターを元の位置に戻して完了
Q.エアコンクリーニングに適した時期は?
A.カビ臭さを感じたときにはすぐ掃除すべきですが、エアコンクリーニングに適した時期は「春」と「秋」です。つまり、夏が始まる前か、夏が終わった後にクリーニングをすると良いでしょう。夏は冷房を頻繁に使うので、内部に水気が溜(た)まり、カビの温床となります。そのため、事前に掃除するか、使用後にまとめて掃除するかどちらかがベストな方法なのです。
まとめ
いかがでしたか? エアコンのカビ臭さは、内部に発生しているカビを除去すれば解消できます。自分でも除去できますが、プロの業者へ依頼したほうが安心です。エアコンクリーニングで除去した後は、再度、カビを発生させないために予防を施しておきましょう。定期的な掃除をしておけば、カビを未然に防ぐことができますよ。逆に、放置するとカビ臭さがひどくなるので注意してくださいね。