
アパート退去時はどこまで掃除するの? 汚れの落とし方のポイントなど
アパートなど賃貸物件の退去時に、どこまで掃除したらよいのか分からないという方は少なくないでしょう。引っ越し作業はただでさえ大変なものですが、それにくわえて掃除もしなければならないとなると大変な手間です。そこで今回は、アパート退去時の掃除が楽になるポイントなどをご紹介します。
原状回復や敷金のポイント、最低限掃除しておいたほうがいい場所などもご紹介します。ぜひ最後まで読んでみてください。
1.アパート退去時の掃除の必要性
まずは、アパート退去時の掃除の必要性についてご説明します。
1-1.掃除の必要性
アパートを退去するときには、掃除をするのが常識です。掃除をしないで退去すると、その場合は、敷金の返却がなかったり、ハウスクリーニング代を請求されてしまうこともあります(契約内容による)。
1-2.借主の義務?貸主の義務?
アパートなど賃貸物件の借主には、原状回復をしてから返す義務があります。しかし、原状回復は、汚れや傷の種類などによって範囲が異なるのです。詳細は「2.アパート退去時の掃除と敷金について」「3.アパート退去時の掃除方法」でもご紹介します。
1-3.掃除をどこまでするべきか?
厳密に言うと、借主は掃除をする必要はありません。なぜなら、貸主は次の借主に物件を貸す前にハウスクリーニングを入れるのが一般的だからです。しかし、退去時の点検の際に、ひどく汚れている場合などは、借主が一部負担しなければならないこともあります。そのため、点検時のために、ある程度は掃除しておいたほうがよいでしょう。
2.アパート退去時の掃除と敷金について
アパートの敷金の決まりや原状回復についてご紹介します。
2-1.決まりごと・敷金について
一般的な賃貸物件では、入居時に敷金というものを払っているはずです。そして、この敷金は退去時に、ハウスクリーニング代を差し引いて返却されます。ただし、汚れがひどい場合には、マイナスになってしまうこともあるのです。また、敷金の返却の詳細は、契約内容によって異なるので、契約書や大家さんに確認しておきましょう。
2-2.掃除で返金される敷金が増える?
上記のように、敷金はハウスクリーニング代によって異なります。たとえば、入居時に敷金を5万円払ったとしましょう。汚れが軽微で、ハウスクリーニングが3万円で済んだ場合は2万円が返却されます。汚れがひどくハウスクリーニングに9万円かかってしまった場合は、4万円を支払う必要があるのです。
2-3.原状回復について
賃貸物件の原状回復にはトラブルが発生しがちです。汚れや傷の回復義務が、借主負担となるか、貸主負担となるかがポイントとなります。「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版) – 国土交通省」にもまとめられているので、一読しておくとよいでしょう。主な内容は以下のとおりです。
- 日焼けや家具を置いたあとなど、自然消耗や経年劣化による傷や汚れは、貸主負担となる
- 自然消耗や経年劣化の範囲を超える程度の傷や汚れは借主負担となる
3.アパート退去時の掃除方法
次に、アパート退去時の掃除方法などをご紹介します。
3-1.どこまで掃除すべきか
退去の点検時に、ひどい汚れがないことを示すことが大切です。また、掃除すれば簡単に落ちる汚れは、必ず落としておきましょう。普段から「掃除をしない借主」という印象をもたれないことも大切です。
3-2.よくある汚れ
汚れのタイプごとに、落とし方やポイントをご紹介します。
3-2-1.シミ
壁や床に付着したシミはなるべくきれいにしておきましょう。以下の溶液を使うと掃除が楽になります。ただし、色落ちやムラになる危険性があるため、目立たない場所で少し試してみるとよいでしょう。
- 油によるシミ:アルコール・市販のスプレー剤・石けん水など
- 壁のヤニ汚れ:重曹水など
しぶとい汚れがある部分や細かい部分は、メラミンスポンジや歯ブラシなどで優しくこするとよいでしょう。
3-2-2.カビ
カビには、市販のカビ取り剤を使いましょう。スプレーした部分を、ティッシュやラップなどで密封して10~20分程度放置することで、効果があがります。一度で落ちないときは、3回程度繰り返すとだんだんカビが落ちていくでしょう。また、歯ブラシを使うと掃除が楽になります。
3-2-3.傷
傷は、パテなどで補修することもできますが、素人作業だと余計に汚くなる可能性が高く、手間と時間が無駄になるので、手を付けないほうがよいでしょう。フローリングに付いた細かい傷は、専用の補修クレヨンを使えば目立たなくすることもできます。フローリングクレヨンを使う場合は、目立たない部分で試してからにしましょう。
3-2-4.色あせ
上記のとおり、日焼けなど経年劣化による傷や汚れは、貸主負担となります。無理に落とす必要はありません。
3-3.掃除方法とは
部屋の掃除をする際は、上から下・奥から手前が原則です。汚れの流れを一方向にすることによって、一度掃除した場所に再び汚れが付くことを防ぎます。また、ホコリなどが舞い散らないように、ぬらした新聞紙を床にまいたり、こまめに掃除機をかける方法もおすすめです。
3-4.掃除のポイント
特に掃除しておいたほうがよいポイントをご紹介します。パッと見たときに掃除してあるかどうかがすぐに分かってしまう場所です。
- 台所の油汚れ・シミ落とし
- トイレ掃除
- お風呂・洗面所のカビ落とし
- カーペットや壁のシミ取り
- ベランダのゴミ取り
- その他汚れが目に付く場所
4.アパート退去時の掃除についてよくある質問
アパート退去時の掃除について、よくある質問をまとめました。
Q.部屋のリフォーム代金を請求されることはありますか?
A.リフォーム代金は貸主の負担となるので、借主が負担する必要はありません。
Q.自分でハウスクリーニングを頼んだほうがいいですか?
A.掃除が苦手な人や、掃除する時間を取れない方は依頼してもよいでしょう。貸主が依頼するハウスクリーニングよりも安価なところに依頼すれば敷金の返却額があがるかもしれません。ただし、せっかく自前で一度ハウスクリーニングを入れても、貸主がさらにハウスクリーニングを依頼することがあり、その場合は費用が無駄になってしまいます。貸主とも相談したほうがよいでしょう。
Q.掃除の前に片付けができないのですが
A.引っ越し前の片付けや、不用品回収を受け付けている業者があります。地域に対応している業者を探して、見積もりを依頼するとよいでしょう。
Q.退去時に、貸主とのトラブルを避けるには?
A.運悪く悪質な大家さんに当たってしまうこともあるでしょう。貸主とのトラブルを避けるには、不用意にサインをしたり、了承しないことがポイントです。契約内容や敷金返却については、一度持ち帰って内容をよく確認してからサインをしたほうがいい場合もあります。
Q.退去時に、貸主とトラブルになってしまったのですが
A.以下のようなところに相談することができます。ひとりで悩まず専門家に相談しましょう。
よくあるトラブル事例なども掲載されています。
5.まとめ
アパート退去時の掃除方法や注意点などについてご紹介しました。敷金や契約内容などは、つい言われるがままにしがちですが、本当に自分が負担すべき内容はよく確認しておきましょう。また、退去時の点検をクリアするためには、できる範囲の掃除をしておくことが大切です。今回ご紹介したポイントをぜひ実践してみてください。