浴室乾燥の電気代は安くできる? 設置からお得な使い方まで情報満載

梅雨時や花粉の季節だけでなく、共働きの家庭では毎日大活躍なのが浴室乾燥機です。この記事では、浴室乾燥の基礎知識から気になる電気代やお得な使い方など、お得でためになる情報をお届けします。これから浴室乾燥機を設置したいという人はもちろん、すでに浴室乾燥機を使っている人も、ぜひお読みください。

  1. 浴室乾燥とは
  2. 浴室乾燥機について
  3. 浴室乾燥の電気代について
  4. 浴室乾燥のお得な使い方とは?
  5. 浴室乾燥機の設置について
  6. よくある質問

電気代が気になって浴室乾燥機の設置をためらっている人は、この記事を参考にすれば、快適な洗濯ライフを送ることができるでしょう。

1.浴室乾燥とは

まずは浴室乾燥の基礎知識について知ることから始めましょう。

1-1.定義

浴室乾燥とは、浴室の天井や壁面に設置し、浴室の換気をするためのシステムです。通常の換気とは違い、熱源によって暖められた温風が浴室内に吹き出すことで、浴室全体を乾燥させたり温めたりします。

1-2.メカニズム、機能

ガスや電気などの熱源により温めた空気を、天井や壁面から吹き出します。この温風により浴室全体を温め、浴室内に干した衣類を乾燥させることができるのです。浴室内の湿った空気は、吸気口より屋外へ排出されます。

1-3.目的

  • 浴室を換気することで、カビの発生を防ぐ
  • 温風を吹き出すことで浴室に吊るした衣類を乾燥させる
  • 温風や涼風により、浴室を快適な温度に保つ

1-4.人気、最近の傾向など

浴室乾燥は、最近の新築マンションマンにはほぼ装備されている人気の機能です。ファミリータイプのみならず、外に洗濯物を干せない女性にも人気があります。共働き世帯が多い都市部では、戸建ての新築やリフォームでの需要も高まっているのです。

2.浴室乾燥機について

浴室乾燥機の種類や機能についてご説明します。

2-1.効果について

梅雨時など外に洗濯物を干せないときや、子どものユニフォームなどすぐに乾かす必要があるときなどに便利なのはもちろん、浴室を乾燥した状態に保つため、カビの発生が抑制される効果もあります。また、浴室暖房の機能は、冬場のヒートショック対策としても有効です。

2-2.種類

浴室乾燥機は、熱源によって2つの方式、取り付け方法によって3つのタイプに分かれます。

2-2-1.熱源による分類

  • 電気式:電気ヒーターやヒートポンプを利用した熱で浴室に温風を送る。温度は低めで風量も少ないため、大物の乾燥には向かない
  • ガス温水式:ガスでお湯を沸かしてその熱を温風に利用する。パワーが強く乾燥もスピーディー

2-2-2.取付タイプによる分類

  • ビルトイン(天井埋め込み型):新築やリフォームで設置可能。薄型だが、天井に埋め込み可能なスペースがないと設置できない
  • 天井取り付け型:後付けタイプで、既存の換気扇にかぶせて設置が可能
  • 壁掛け型:壁についている既存の換気口を利用して設置できる

2-3.メーカー

電気式は、機種によっては設置のコストが安く、後付けで取り付けることも可能なので、気軽に導入できます。人気メーカーは以下です。

  • Panasonic:省エネに優れたエコナビや、ナノイーイオン発生機能でカビを抑制する機種が人気
  • TOTO:「三乾王」のブランドで知られる浴室換気暖房乾燥機が人気。換気・暖房・除湿と多機能に使える
  • 三菱電機:乾燥はもちろん、暖房から涼風、ミストまで出る「バスカラット」シリーズが人気

ガス式は室外に熱源機が必要なため、設置の時にはコストがかかりますが、パワフルな乾燥能力が魅力です。

  • リンナイ:プラズマクラスターイオン機能がついた「バスほっと」シリーズを展開。衣類2kgを65分で乾燥するハイパワーが特徴
  • 都市ガス:東京ガスの「ホットドライ」に加え、従来の乾燥・暖房・涼風に加えてミストが出る「ミスティ」も登場

2-4.その他の機能

単なる浴室や衣類の乾燥だけでなく、温風に加えて涼風も出るなど、多機能なものが主流となっています。最近では、ミストが発生するミストサウナ機能付きが人気で、より快適なバスタイムのための機能が求められているのです。

3.浴室乾燥の電気代について

浴室乾燥機といえば電気代が高いイメージがありますが、実際はどうなのでしょう?

3-1.浴室乾燥機の消費電力は?

メーカーや機種によっても違いますが、たとえばパナソニックのFY-13UG6Eの場合、衣類乾燥の消費電力は1250Wです。電気量料金を27円/KWhとして計算すると、1時間で約34円の電気代がかかることになります。乾燥まで5時間かかるとすると1回あたり170円かかるわけです。

3-2.一年間ではいくらになる?

毎日欠かさず前項の条件で乾燥機能を使うと、毎月5,100円、なんと1年間で62,050円になってしまいます。3時間ずつ使ったとしても37,000円以上です。いくら便利な浴室乾燥機といえども、衣類の乾燥のためだけにこれだけのコストをかけるとなると、設置をためらってしまいますね。ちなみに、どのメーカーでも電気ヒート式の浴室乾燥機の場合はほとんど消費電力は変わりません。

3-3.ガス式、電気式の比較

ガス式の場合、1時間当たりにかかるガス代は約60円と高額ですが、乾燥にかかる時間は短縮されるので、1回あたりのコストは抑えられます。たとえばリンナイのバスほっとの場合、衣類2kgなら約65分で乾燥できるため、1か月では1,950円で、電気式の半分以下に出費を抑えることができるのです。

3-4.洗濯機の乾燥機能の電気代との比較

次に洗濯機の衣類乾燥機能と比較してみましょう。乾燥にかかる時間は130分、乾燥時の消費電力が840Wとすると、1回あたりの電気代は47円です。1か月では1,410円となり、ガス乾燥機よりもコストダウンになります。

3-5.洗濯乾燥機にはないメリットとは?

電気代だけを見ると、洗濯乾燥機の方が優秀ですが、浴室乾燥機は衣類を吊るして乾燥できるので、しわにならず、アイロンなどの手間が省けます。また、浴室を温めることでヒートショックの防止にもなり、乾燥させることで浴室のカビの発生を抑えることもできるなど、洗濯乾燥機にはないメリットがたくさんあるのです。
電気代だけで判断するのではなく、自分のライフスタイルと相談して、必要な機能のためにどれだけのコストがかけられるかを考えましょう。

4.浴室乾燥のお得な使い方とは?

多機能な浴室乾燥をお得に使うための方法をご紹介します。

4-1.コストをかけない使い方

基本的な節約テクから根本的な改善までご紹介します。

  • 浴室の湿気対策:浴槽にお湯が入っている場合はふたを閉める、浴室の壁を使い終わったバスタオルでざっと拭いておくなど、少しでも湿気を出さないようにする
  • フィルターの掃除:定期的なメンテナンスが余分な電力をかけないコツ
  • 洗濯乾燥機との合わせ技:洗濯乾燥機を使って生乾き状態にまでし、洗濯物の仕上げ乾燥に浴室乾燥機を使う
  • 電気プランの変更:お得な夜間電力やプランに変更することで節電する
  • 省エネ運転:機器にエコモードなど省エネ運転機能がついている場合は活用する

4-2.オール電化について

新築やリフォームを機に浴室乾燥機の導入を考えているなら、1軒丸ごとのエネルギーについて考えてみるのもいいかもしれません。オール電化は、安い深夜電力が利用できたり、火災に対する安心感があったりと、使い方次第でメリットがたくさんあります。まだ設計段階なら、プランニングに組み込めるかどうか検討してみましょう。

4-3.電気プランについて

電力自由化により、多くの電力会社がさまざまなプランを出しています。この機会に、インターネットのシミュレーターなどを使い、電気プランを見直すのもいいでしょう。世帯人数、昼夜の電気の使い方などを入力すると、最適なプランを提案してくれます。季節によって料金単価が変化したり、夜トク・朝トクなどお得な時間帯が選べたりするので、ライフスタイルに合わせて選んでみましょう。

5.浴室乾燥機の設置について

浴室乾燥機を設置する場合の料金や業者についてご説明します。

5-1.料金

  • ビルトインタイプ:本体と工事費込みで13~18万円前後
  • 電気式後付けタイプ:元々あった換気扇の配管などを利用して後付けする場合。天井付け・壁掛けともに、本体価格5万円前後~、工事費は3万円前後
  • ガス温水式: 本体と工事費で10~20万円以上。ガス配管・給水パイプ工事などでさらにプラスになることもあり

5-2.おすすめの家庭

どんな人にとっても便利な浴室乾燥機ですが、特に以下の人におすすめします。

  • 共働き
  • 赤ちゃんがいる
  • 花粉症
  • 育ち盛りの子どもがいる
  • 高齢者がいる
  • 一人暮らしの女性

5-3.業者選びのポイント

まずは、自分の好みのタイプの浴室乾燥機を扱っている業者に見積りを依頼しましょう。相談したときの受け答えや見積内容、施工実績などを見て、信頼できる業者かどうか見極めます。疑問点があったら遠慮なく質問して、説明してもらいましょう。見積りは1か所ではなく、数か所から取ってください。この時、公正な比較のために必ず同一条件を提示しましょう。

5-4.アフターフォローについて

施工後の保証期間やアフターフォローについても確認しておくことが大切です。浴室乾燥機は、長期使用製品安全点検制度の特定保守製品のため、メーカーが定めた標準使用設計期間が満了する前後3年の間に、メーカーの点検(有償)を受ける必要があります。点検以外でも、不具合があったらすぐに対応してくれる業者と付き合いましょう。

5-5.注意点

インターネットやチラシで本体価格のみを安く表示して販売している業者もありますが、工事費用や出張費などについても忘れずに確認しましょう。見積り金額は詳細に出してもらうようにしてください。

6.よくある質問

Q.電気式とガス式、どちらがいいでしょう?

A.家族構成や使い方にもよるため、どちらがいいとは一概には言えません。それぞれのメリットデメリットを考えて、迷ったら専門家にアドバイスを求めましょう。

Q.部屋干しのように嫌な臭いになりませんか?

A.部屋干しが臭うのは、洗濯物が濡れている時間が長く、雑菌が繁殖するためです。浴室乾燥機は温風で乾燥させるので、臭くなる心配はありません。

Q.壁掛けと天井タイプのどちらがいいですか?

A.壁掛けは戸建て住宅の後付けに適しています。天井タイプは天井裏にスペースが必要なため、新築やリフォームの時におすすめです。

Q.浴室乾燥機を使えば、お風呂場にカビは生えないのでしょうか?

A.普通の換気扇よりカビの発生を抑えることはできますが、カビの胞子をゼロにするわけではありません。浴室の定期的な掃除は必要です。

Q.浴室乾燥機の寿命はどのくらいでしょう?

A.使用頻度や機器の個体差にもよりますが、およそ10年といわれています。使用頻度が低くても部品の経年劣化などもあるため、10年以内でも不具合には早めに対処しましょう。

まとめ

浴室乾燥機には、洗濯ものを乾かすだけでなく、浴室のカビ抑制やヒートショック防止、夏も冬も快適な温度環境など、さまざまな機能があることがわかりましたね。新築やリフォームだけでなく、後付けでも浴室乾燥機は設置することができます。電気代の節約方法を身に着けて、希望に合った浴室乾燥機を手に入れてください。