
飲食店を開業する方必見!集客率に影響する店舗デザインや設計のコツ
憧れを形にするのは、誰にとってもわくわくする出来事ですよね。特に、店舗オープンを検討している方は、具体的なイメージをされているのではないでしょうか?飲食店だと、集客率が大きな鍵となります。衛生的かつ使いやすさもポイントです。
動線を意識した厨房(ちゅうぼう)にしたい。カフェの内装で迷っている。飲食店開業には、何かと悩みがつきものです。悩む気持ち、とてもよくわかります。
店舗デザインがうまく行くなら、経営も順調に行くでしょう。満足できる店舗の設計や内装にするために、この記事を参考にしてみてください。今回は、飲食店の設計について解説していきます。
この記事を読むことで、満足できる飲食店のデザインができるようになり、注意すべきポイントも学ぶことができるでしょう。理想とする店舗デザインの参考にしてください。
1.飲食店の設計とは?
飲食店開業を検討している方は、まず設計の基礎知識から覚えておきましょう。
1-1.飲食店の定義とは?
飲食店とは、食事や飲料を提供する業種です。食品等事業者として、食品衛生法第3条にあてはまります。飲食店の開業にあたり、各都道府県知事に許可申請が必要です。
1-2.飲食店設計のポイント
最初は、どんな店にしたいかをイメージし、必ず取り入れようと思うことを書き出してください。イメージするときに意識したいのは、従業員目線とお客様目線です。従業員だけの目線で判断してしまい、お客様が使いにくくて窮屈な店舗になってしまう恐れがあります。2つの目線から動線を考え、双方にとって最良の店舗イメージを生み出しましょう。
お客様目線を大切にすることで、自然と集客率にも影響します。
1-3.飲食店設計箇所の種類と目的や重要性について
飲食店設計には、外観・内装・厨房(ちゅうぼう)などが必要ですよね。1つ1つにこだわり、統一感のあるデザインを意識することも大切でしょう。
1-3-1.内装はどうデザインする?
内装はごちゃごちゃした印象にしないことが大切です。動線の確保は重要課題で、動線を無視した設計にすると後悔します。レイアウトを決める際は、レジを軸に考えていくといいでしょう。来店する場所でもあり、お客様の行き来を想定してデザインしていきます。
空間を無駄なく使い、見渡しやすさも大切にしてください。注文したいお客様が従業員から見えないのは、集客率のダウンにつながります。
1-3-2.外観は入りやすさを意識
飲食店の設計で重要なのは、お客様が入りやすい、入ってみたいと思う雰囲気を出すことです。外観はお客様が最初に目を留(と)めるものですから、堅苦しいデザインより親しみやすい印象を出す方が効果的でしょう。
また、何を提供している店舗なのかが一目でわかることも意識してください。外観は、お客様へ最もアピールできる宣伝ポイントで、業種がわかりにくい作りは避けることが大切です。
来店してほしい年齢層に合うコンセプトを決め、反映するようにしていきましょう。
1-3-3.厨房は飲食店の要となる
お客様が見ることができない部分ではあるものの、飲食店の要となる場所です。機能・動線・衛生面に配慮し、設備はしっかりこだわって導入しましょう。厨房(ちゅうぼう)機器も大切です。しかし、電気やガスについても考えなければなりません。調理するために十分な容量を確保し、安定した経営ができるようにしてください。
さまざまな厨房(ちゅうぼう)機器がある中で、店舗のコンセプトに見合うものを用意しましょう。不要なものは排除し、すっきりした厨房(ちゅうぼう)にすることをおすすめします。
1-4.一般住宅設計との違い
一般住宅では、住む人に合う設計を行います。ですから、施工主が気に入れば問題ないということです。たとえ、ほかの人から見ると不便さや風変わりなデザインがあったとしても、施工主が好みであるなら、すべてよしとなります。
しかし、飲食店にはさまざまなお客様が来店し、食事やお酒を楽しむのです。従って、万人に好まれるデザインが要求されます。飲食店と一般住宅設計の違いは、来店する顧客層を狙ったデザインにする必要があるところでしょう。
2.飲食店の設計における外観や外装について
外観は、業態を示す顔です。ぱっと見て、どんな店舗かがわかることが理想でしょう。
2-1.飲食店における外観や外装の重要性
内装を重視する方は多いです。しかし、外観や外装というのは、街を歩く人の目に留(と)まります。店舗のコンセプトやターゲットをアピールする場でもあり、力を入れてデザインしておくと集客率が飛躍的にアップするでしょう。
外観や外装がわかりにくく、入りにくい雰囲気にしてしまい、客足がほとんどなかったという失敗例もあるほどです。人の心を引くデザインを意識してください。
2-2.飲食店の外観・外装デザインのコツ
デザインするために軸となるのが、店舗のコンセプトです。コンセプト決めの段階で、7割が成功の鍵を握っています。適当に決めず、そしてコンセプトは後回しにしないでください。どうして飲食店をやろうと思ったのか、どういうメニューを提供したいのか、ターゲット層などを思い浮かべて決めましょう。
コンセプトを決めたら、自然と外観のイメージが湧いてきます。
2-3.人気の外観イメージとは?
ポップな印象のカフェスタイルは人気です。シンプルなデザインにアクセントカラーを添え、明るさとはつらつとしたイメージを出すことができます。
アジアンスタイル・南欧スタイル・純和風スタイルも好まれているデザインです。いずれも、店舗のコンセプトに添うものを選ばなくてはいけません。コンセプトをきちんと決めてからデザインしましょう。
2-4.ビル内・屋内に設計する場合の外観はどうすべきか?
場所選びをする中で、ビル内・屋内に開業することもあるでしょう。路面店との違いは、ほかの店舗との調和を意識することです。自分の店舗だけが浮くようなことがあっては不都合が生じます。調和するデザインを意識し、看板などを設置してターゲット層を誘引する形が理想です。
看板にはターゲット層へのメッセージとなるような表現をしっかり記載し、メニューもわかりやすく表示するようにしてください。
2-5.外観を決める際のポイント
飲食店の開業はとても楽しみですよね。どんな店舗にするか迷うと思います。最も重要なのは、コンセプトを決めることです。コンセプト決めは、内装や厨房(ちゅうぼう)デザインにも影響します。外観は派手に、内装はシンプルにでは、バランスも悪くなってしまうのです。しっかりコンセプトとターゲット層を絞り込んでから、設計に入るようにしてください。
3.飲食店の設計における内観や内装について
内装は、お客様と従業員の両方が過ごしやすい空間を生み出すことが大切です。どちらかに偏ることなく設計し、使いやすく快適な内装を目指してください。
3-1.飲食店における内観や内装設計の重要性
お客様と従業員にとって快適な内装に仕上げることは、なぜ重要なのでしょうか?答えは、従業員は料理を提供します。そのため、動きやすい動線を確保しなければ、作業効率が格段に低下してしまうのです。動線がスムーズなら、作業効率が上がるとともに、回転率も上昇していくでしょう。
お客様は外観の印象で入ってくることが多い一方、過ごす時間が長いのは店舗内です。居心地よくリラックスできる店内なら、ほかのお客様とまた一緒に来ようと思ってくれます。リピーターを増やすために、内装で快適な空間を作ることは、おいしい料理に続いて大切なことです。
3-2.飲食店における内観・内装設計のコツ
内観・内装を考える際は、入り口からの動線を考慮することが大切です。お客様は入り口からレジ横をとおり、席へ着きます。ですから、レジを起点に、店舗の作りを考えていきましょう。行き帰りに障害となるものがないか、遠回りにならないかなどを意識し、トイレへのルートも考えなければなりません。
従業員の使い勝手を考えるなら、厨房(ちゅうぼう)からの動線がスムーズであるかも1つのヒントになるでしょう。
3-3.飲食店で人気の内装イメージ
カフェスタイルとともに人気があるのは、バーのような雰囲気です。高級感もあり、落ち着いた印象を与えてくれます。ターゲットの年代層が上がるほど、落ち着いた内装が好まれるので、設計時の参考にしてください。
若い世代を誘引したい場合、明るくポップな雰囲気の方が入りやすいでしょう。
3-4.飲食店の内装で意識すべき動線とは?
飲食店に限らず、人がとおるのに理想の幅は120cmです。すれ違う際もぶつからず、スムーズに行き来できる広さとされています。トイレまで一直線で行ける通路を用意しましょう。しかし、どの店舗も広さを確保できるわけではないため、動線が重ならないよう工夫するのがコツです。従業員が料理を提供するときの動線はなるべく短くし、無駄な動きが出ないよう意識してください。
3-5.飲食店の内装設計のコツ
内装では、壁紙や棚などの色を決める必要があります。暖色は人を興奮に導く色だとされ、寒色は冷静さをもたらしてくれる色です。飲食店は料理をおいしく食べる場所ですから、暖色の方が食欲を促進する作用があるとされています。内装設計時には取り入れてみるといいでしょう。
内装を決める際は、主軸となる色を選んで強調し、ほかの色は補色といった程度に抑えると効果的です。
4.飲食店の設計における厨房について
飲食店において、厨房(ちゅうぼう)は繁盛するかどうかを決める場所です。厨房(ちゅうぼう)からおいしい料理を生み出し、お客様に喜んで食べてもらいます。厨房(ちゅうぼう)は見えない部分でも、きちんと考えて設計しましょう。
4-1.飲食店における厨房設計の重要性
厨房(ちゅうぼう)機器を決めるときは、メニューを考えてからがいいでしょう。無駄な厨房(ちゅうぼう)機器を省き、経費節約につながります。厨房(ちゅうぼう)は広さが限られていますから、どんな厨房(ちゅうぼう)機器を入れるか、火力などに問題はないかを検証してください。
メーカーや見た目にこだわり、十分な能力が得られない厨房(ちゅうぼう)機器を入れてしまい、速やかに料理の提供ができないのは本末転倒です。失敗のない飲食店開業には、厨房(ちゅうぼう)機器の厳選は避けてとおれないでしょう。
4-2.厨房設計のコツ
厨房(ちゅうぼう)でも必要になるのは、動線の確保です。従業員同士がぶつかってしまう環境は避けるべきでしょう。調理する流れを頭に入れておくことが大切です。調理中にものを取るときも、1〜2歩で済むような動線にします。
厨房(ちゅうぼう)でもたもたとなってしまい、料理の提供が遅れるのは問題です。スムーズな作業が行える環境作りが、飲食店における厨房(ちゅうぼう)設計のコツでしょう。
4-3.飲食店設計で必要な厨房設備とは?
調理の流れを振り返ってみましょう。
- 食糧貯蔵設備
- 下ごしらえ
- 調理加熱
- 盛り付け
- 料理の提供
- 料理を下げる
- 食器の洗浄
- 後片付け(食器の収納)
流れにのっとり、必要な厨房(ちゅうぼう)設備を用意するといいでしょう。食料をストックしておける場所や棚を設置し、調理場と洗い場を導入します。食器の収納庫も十分なスペースを確保しておくと便利です。後から食器の買い足しがあっても、困ることがありません。食器に限らず、グラス類の収納も必要です。
4-4.飲食店の業態別厨房サイズ
飲食店の規模が広くなるほど、厨房(ちゅうぼう)機器もサイズアップが要求されます。小規模な飲食店なら、直線型の厨房(ちゅうぼう)で最低限のものが揃(そろ)えば問題ないでしょう。
中規模ならL字型、大規模なら2列型やアイランドキッチンタイプがおすすめです。
4-5.飲食店の厨房設計のコツ
飲食店開業における要となるのが、厨房(ちゅうぼう)だとご説明しました。使いやすさも大切ですが、今後の経営を左右するのがランニングコストを考えることです。調理能力も重要ではあるものの、ランニングコストがかかりすぎる厨房(ちゅうぼう)機器では、無駄が出てしまいます。また、導入にあたり、メンテナンスを定期的に行ってもらえるメーカーを選んでください。メンテナンスを怠り、調理ができない状態になってしまったら、店舗を休業せざるを得ません。
5.店舗デザインで必要なこと
飲食店開業では、外観・内装・厨房(ちゅうぼう)に注力することでしょう。開業地により、用意すべき要素があることを覚えておいてください。
5-1.棚や什器の設置
店舗デザインでコンセプトが決まったら、棚や什器(じゅうき)を配置するスペースも考慮してください。先に目星がついているものがあるなら、店舗デザインを請け負う業者へ相談しておきましょう。飾り棚もインテリアの一部です。内装に合うものを選んでください。
5-2.駐車場の用意
駅近ではない物件は、店舗へのアクセスに車があることを想定しておきましょう。駅から遠い場所なら、お客様が来店する際の駐車場スペースを確保しなければなりません。駐車場も含め、店舗デザイナーに相談してみてください。スペース確保が難しい場合、近隣に提携できる駐車場を契約するなど、店舗デザインと並行して準備しておきましょう。
5-3.排水は飲食店にとって重視すべきポイント
厨房(ちゅうぼう)やトイレからの排水は、デザイン優先で無視してしまうと大変なことになります。排水がきちんとなされていない場合、悪臭が店内に漂う恐れがあるでしょう。
ビル内に飲食店を構える方も、路面店で開業する方も、排水については専門家に配管の形状や能力をきちんと測定してもらうようにしてください。
5-4.店舗デザインのポイント
店舗デザインは見た目の印象ばかりにとらわれがちです。しかし、長い目で見た場合、インフラ整備は必要不可欠ですから、しっかり配管・ガス・電気などをチェックしておくことが大切でしょう。開業してから修理修繕がいらないよう、設計時に必ず行ってください。
6.飲食店設計にかかる費用
飲食店設計に必要な費用や内訳をご紹介します。
6-1.デザイン料金
飲食店のデザイン料金は、坪面積から計算する業者がほとんどです。実際の施工費用から算出する場合もあります。業者に見積もりを依頼するときによく確認してください。
デザイン料金は、幾度かの提案を経て、決定した設計図を提出してから確定します。
6-2.工事費
工事費には、インフラ整備・内装や外装工事・空調工事などが含まれます。予算が決まっている場合、事前に相談しながら優先順位を伝えてください。予算組みは、デザイン料金にも影響します。初期費用が多額になってしまっては、開業後の運転資金が危うくなるため、無理のない範囲で行うことが重要です。
6-3.飲食店設計費用における注意点
飲食店開業にあたり、コンサルタントを利用することをおすすめします。場所選び・集客率などを調べて提案してもらえ、土地勘がない場合でも安心です。店舗デザインにおいてもプロですから、費用が適正かどうかも判断してもらえます。費用の抑え方も熟知しており、アドバイスを受けるといいでしょう。
7.飲食店の設計を業者に頼むとき
飲食店の設計は、専門に取り扱う業者が安心です。プロならではの視点で設計してもらえますから、依頼時のコツを知っておきましょう。
7-1.飲食店設計専門業者ならではのメリット
飲食店を数多く手がけている業者なら、条件が厳しい場所での設計や予算上限が決まっている場合にも対応してきています。さまざまな店舗デザインを扱っているからこそ、理想を現実に近づける能力があるのです。一般住宅の設計とは全く異なるのが店舗デザインですから、専門業者に依頼することは飲食店経営を成功に導くポイントでしょう。
7-2.専門業者に飲食店設計を頼むときのコツ
開業予定地に足を運んでもらい、現地調査を依頼しましょう。イメージを伝え、専門業者と情報共有していくことがコツです。仕様・希望するレイアウト・ターゲット層を具体的に伝えることで、狙いを定めた提案を受けることができます。見積もりが予算より大幅にはみ出ているなら、費用をかけずにできる部分を提案してもらいましょう。
業者により、価値観はさまざまです。ですから、複数の業者に現地調査を依頼し、見積もりを比べてから決めることが重要になります。
7-3.飲食店の設計や工事の流れ
飲食店開業を決めてから、竣工(しゅんこう)までの流れをご紹介します。
コンセプトを決めて、店舗のイメージを具体的にするようにしてください。
- 開業地の選定と契約
- 設計業者に現地調査を依頼
- デザインを複数出してもらって比較する
- 契約書を交わす
- デザインの決定
- 着工(外観・内装・インフラ工事・空調工事など)
- 竣工(しゅんこう)
- 引き渡し
7-4.飲食店設計ではトラブルもある!
飲食店設計業者をめぐるトラブルには要注意です。オープンの日程に合うよう、オーナーは業者に依頼しますよね。しかし、工事が期日までに終えられず、オープンが間に合わないというトラブルがあるのです。
予定日に開店できなければ、収入を得ることができません。契約時に、予定より遅れた場合の損害賠償などを記載するようにしてください。契約事項に含まれていなければ、納期が遅れても損害を補塡することができません。
8.飲食店の設計でよくある質問
理想の飲食店を作るため、疑問や不安に感じていることは解消しておきましょう。店舗デザインにかんする質問を集めました。
8-1.工事期間はどのくらい?
規模や設備などにもより、工事期間には幅があります。オーナーからのヒアリングを経て、プランを練って店舗デザインを行う期間も必要です。長くても、2〜3か月を予定してください。
8-2.施工後のアフターケアが不安
専門業者では、引き渡し後のアフターフォローをきちんと行っています。ただし、無償でできる場合と有償になる場合がありますから、契約時にアフターフォローについて確認しておきましょう。
8-3.イメージをうまく表現できるか心配
頭の中で想像しているものを形にするのは、とても難しいことですよね。店舗デザインを理想に添って実現できるかは、誰もが不安に感じることでしょう。希望を店舗デザイナーに伝え、まずデザインを提案してもらってください。デザイン案を参考に、プラスしたい要素を足していく方法もおすすめです。
8-4.見積もりは無料でできる?
業者によって異なります。ほとんどの業者では、契約書を交わすまでは無料としており、無料見積もりを利用して比較するようにしてください。飲食店設計は妥協せず、納得できる業者に依頼することが大切です。
9.まとめ
いかがでしたか?飲食店開業は、理想を表現する機会です。夢を形にできるか不安に感じることもあるでしょう。開業後も安定した集客が得られるよう、外観・内装・厨房(ちゅうぼう)選びはとても重要です。動線を意識し、動きやすく使いやすい環境を作ってください。お客様目線も忘れずに、快適な空間でおいしい料理を提供できるよう、店舗デザインは妥協せずに考えていきましょう。