
耐震リフォームは必要? 迷っている人のための耐震リフォーム豆知識
いつか来ると言われている大地震、その時までに耐震リフォームをして備えておいた方が良いの?
そんな風に悩んでいる人は多いと思います。自分が住んでいる家や持っているアパートなどが古ければ古いほど、リフォームによって補強する必要性の有無に頭を抱えてしまうことでしょう。
「でも、耐震リフォームってどのくらい費用がかかるの? 」
「補助金についてよく知らない…貰える物なの? 」
…と、様々な疑問を持っている人は少なくないでしょう。そこで、この記事では耐震リフォームを検討している人が知っておくべき豆知識をご紹介していきます。これからリフォームする時に是非役立ててくださいね。
1.耐震リフォームは必要なのか?
1-1.命や財産を守るためには欠かせないこと
耐震リフォームによって家屋の耐震強度を高めることは、大地震から命や財産を守るためには欠かせないことと言えます。多くの被害者を出したと言われている阪神・淡路大震災で亡くなった人の殆どは、自宅です。しかもその死因の多くが圧死と窒息死ということから分かるように、家屋が倒壊したことによって亡くなっています。これだけでも、家屋に適切な耐震補強をしておくことが非常に大切であることがお分かりいただけるでしょう。
1-2.地震動は活動期に入っている
近年、地震動が活動期に入っているということが明らかになりつつあります。つまり、首都圏直下型地震や東南海地震など、様々な大地震がいつ来てもおかしくない状況なのです。もしかしたら、再び大地震が襲ってくるのは明日かもしれません。その脅威から身を守るため、大切な家族や財産を守るためにも、耐震リフォームの必要性は高いと言えるでしょう。
1-3.こんな場合は要注意! 早めの耐震相談を
阪神・淡路大震災で最も倒壊する率が高かったのは、1980年以前に建てられた家屋と言われています。それ以降に建てられた家屋については、1980年以前に建てられた物に比べると被害が少ないと言われていますが、それでも大破や倒壊している家は多かったのが事実です。
また、2000年以降に起きている新潟中越沖地震などでは2000年以降に建造された家屋が最も倒壊する率が低かったことが分かっています。つまり、2000年以前に建てられた家である場合は、大震災が起こった時に倒壊してしまう可能性が高いといえるのです。
1-4.2000年以降に建てられた家でも要注意
耐震リフォームが最も必要といえるのは2000年以前に建造された家屋です。しかし、2000年以降に建てられた家だからといって油断は出来ません。家は年が経つごとにどんどん経年劣化していくものです。そのため、いくら耐震性のある家屋でも経年劣化によって耐震性が低くなってしまう可能性は高いと言えます。
2000年以降に建てられた家でも安心せず、必要に応じて耐震リフォームを考えるようにしていきましょう。
2.耐震リフォームの方法
2-1.補強によって耐震性を高める方法
基本的な耐震リフォーム方法は、補強です。例えば耐震性が低いと言われている無筋コンクリートの基礎にはコンクリートを増し打ちするなどして強度を高めます。他にも、柱をアンカーボルトなどで固定する足元補強・金物を使って行う壁の補強・金物を使っていない接合部に行われる接合部補強・床面の補強・外付け補強など様々な補強方法が存在するようです。
2-2.傷んでしまった部材は交換する
木材で出来た家屋は、シロアリや湿気などが原因で年が経つにつれて腐朽してしまいます。そのような箇所はまるごと部材を取り替えることによって、強度を確保するのです。
2-3.屋根への耐震リフォーム方法
古い家屋の屋根には重さのある屋根材が使われていることが少なくありません。このような重い屋根材を支えるために、建物には余計な負担がかかることになります。そこで、屋根材を軽い物に取り替えることで建物全体にかかる負担を和らげ、強度を高めるのです。
3.耐震リフォームにかかる費用と補助金について
3-1.耐震リフォームの費用相場はどのくらい?
耐震リフォームの費用は、どのくらいの補強工事が必要になるのかで異なります。そのため、安ければ50万円以下、高いと200万円前後と幅広いのです。ちなみに、平均的な費用の相場は大体120万円~130万円と言われています。
例えば耐震金物を家全体に10個ほど取り付ける作業でだいたい40万前後、土台や柱に耐震パネルを付ける作業で65万円前後くらいです。また、屋根材を重い物から軽い物へ一式交換する場合は120万円前後かかると言われています。
3-2.自治体に相談すれば補助金が貰える可能性も?
自治体によりますが、耐震リフォームのための補助金を給付している所もあるようです。「地震は怖いけど、耐震リフォームは高いからなあ…」と悩んでいる人はまず、自分の地域の役所に問い合わせをしてみることをオススメします。耐震リフォームをする際に補助金や助成金を用意している自治体であれば、詳しい内容を案内してくれるでしょう。
4.業者を選ぶ時の注意点
4-1.恐怖心を煽るような発言を必要以上にしてくる業者は悪徳業者に多い?
人間は恐怖心を煽られると、冷静に考えることが出来なくなってしまうものです。悪徳業者はその心理を利用して、恐怖心を煽ることで契約をさせようとする傾向があります。
「今の状態だと震度6くらいでも倒壊してしまうでしょう」
「耐震リフォームをしなければ大地震であっけなく崩れます」
このような恐怖心を煽るような言葉をしつこく言ってくる業者に注意して下さい。恐怖心に負けてしまうことなく、冷静に考えて対処していきましょう。
4-2.ある程度実績のある業者を選ぼう
耐震リフォームは近年始まって間もないリフォーム分野の1つです。その為、知識や経験が浅い業者は少なくありません。例え1級建築士であったり、他のリフォームでの実績が高い業者でも、耐震リフォームに長けているかと言うと決してそういうわけではないのです。業者を選ぶ時は、資格を有していることは勿論のこと、ある程度耐震リフォーム経験も積んでいるような業者を選びましょう。
4-3.いくつかの業者に見積もりを出してもらって比較して決めよう
1つの業者だけ見て、すぐに「ここに決めた! 」とするのは失敗の可能性も高くなるのでオススメできません。出来ればいくつかの業者をピックアップしておき、それぞれに大体の見積もり額を出してもらうようにお願いしてみましょう。こうして出た結果を見比べて、自分が最も納得できる業者さんにお願いしてください。
4-4.契約する時は契約書の内容をきちんと読もう
業者を選んだら、後は契約をするだけです。この契約の時に契約書を読まないままサインしてしまう人は少なくありません。これが落とし穴となって後々トラブルになってしまうケースは意外と多いのです。契約書を渡されたら、少し面倒かもしれませんが必ず最初から最後までしっかりと読むようにしてください。そして、読んでいる途中に疑問点などがあればどんどん聞いていくようにしましょう。その時にしっかりとした回答をくれない業者や口ごもる業者などは要注意です。そのような業者とは契約せず、改めて別の業者を探していきましょう。
まとめ
耐震リフォームに関する豆知識、いかがでしたでしょうか?
それでは、これまで説明してきたことをおさらいしてみます。
- 耐震リフォームの必要性
- 2000年以前に建造された家屋が特に必要
- 2000年以降に建てられた家屋でも経年劣化で強度が落ちる
- 耐震リフォームの方法について
- 耐震リフォームにかかる費用の相場
- 自治体によっては補助金も期待できる
- 業者を選ぶ時の注意点
人間は誰しも自分が主人公です。
「耐震リフォームをしなくたって、自分は大丈夫」
「大地震が来るって騒がれてるけど一向に来ないし、問題ないはず」
…と、このように楽観的に考えてしまう人は少なくありません。
しかし、大自然の動きは私たち人間には完全に予測できない物です。いつ、どのタイミングで再び大きな震災が起こるかは本当に分かりません。もしかするとそれが起こるのは、明日かもしれないのです。
そのような地震が起こった時に自分の命が助かるかどうかは、家屋の強度にも左右されることになります。自分の命は勿論大切ですが、一緒に暮らしている家族の命まで奪われることになると考えたら…耐震リフォームを考える他ないでしょう。「備えあれば憂いなし」の考えを胸に、耐震リフォームについて前向きに考えてみることをオススメします。