アナタに最適なのはどんな家? 知って得する住宅の工法・種類とは?

貯金額が十分になった、子供ができた……等々、さまざまな理由からマイホームの購入を検討している方も多いはず。

マイホーム購入となると、家の向きであったりデザインであったりと何かと目のいきがちな部分が多いと思いますが、やはり一番重要なのは『住宅の工法』でしょう。家の向きが最適で、デザインがいかに良くとも、住みづらくては本末転倒。一生に1度の買い物ですから、しっかりと吟味したいところですよね。

そこで、今回は住宅の工法や種類について中心にご紹介していきたいと思います。ぜひ、今回の記事を参考にしてみてください。

1.木造工法の主な種類と特徴

木造工法の全体的な特徴としては、コストの安さが挙げられます。その代わりに、火事や災害にはあまり強いとはいえません。東日本大震災の津波においては、木造住宅のほとんどが破壊してしまいました。また、木造であるがゆえに、シロアリなどの害虫被害を受けやすいのも特徴です。

木造工法には一般的に4種類に分けることができます。では、それぞれの特徴についてご紹介しましょう。

1-1.在来工法(木造軸組工法)

柱や梁(はり)などの軸材によって構成する工法。在来工法という名前がついているとおり、伝統的な木造工法です。そのため、伝統工法と呼ばれることもあります。数寄屋(すきや)造りなどの純和風の家はもちろん、一般的な家の造りまで、自由度の高い設計が特徴。また、増改築が比較的しやすいというメリットや、どのような立地や敷地でも立てることのできる対応性も特徴です。

デメリットとしては、大工や施工業者の技術力によって品質に大きな差が生じる点でしょう。

1-2.木造軸組パネル工法

木造軸組パネル工法は、軸組工法にプラスして、耐力壁としてパネルを組み合わせて建築する工法です。

耐力壁となるパネルを軸材部分に取り付けるため、通常の木造軸組工法よりも強度が増します。近年、地震や台風の被害が注目されていますので、おすすめの工法の一つです。その他の特徴としては、パネルによる機密性の高さや、木造軸組工法特有の高い自由度が挙げられるでしょう。

ただし、在来工法と同じ木造軸組工法ですから、大工や施工業者の腕によって品質に差が生じるというデメリットがあります。

1-3.木質パネル工法

強化された木質パネルによる耐力壁で建物を支える工法です。あまり一般的な工法ではなく、主にプレハブ住宅や輸入住宅に採用されています。

1-4.2×4(ツーバイフォー)工法

2×4(ツーバイフォー)工法とは、2インチ×4インチの枠組みに合板を貼り付けてパネル状にし、それを耐力壁として用いる工法のこと。アメリカやカナダなどの北米で人気です。

木造軸組に比べて技術難度が低く、さらにシンプルな構造のために施工期間が短く済むのが特徴。また、規格が統一化されているので、一定の品質が期待できます。ほかには、在来工法に比べて耐震能力に優れているのも大きな特徴の一つでしょう。

ただし、後続的な問題で壁の貫通などを行うことが難しいことから、増改築には向いていません。また、施工してくれる業者が在来工法に比べて少ないのもデメリットの一つです。

2.鉄骨造工法の主な種類と特徴

鉄骨造の全体的な特徴としては、設計の自由度が高い点と、災害に対する耐久力の高さでしょう。デメリットとしては、木造に比べると費用が高くなるという点です。

鉄骨造工法には大きく分けて『鉄骨軸組工法』と『ラーメン工法』に分けられます。この項目では2つに分けてご紹介していきましょう。

2-1.鉄骨軸組工法

鉄骨軸組工法は、木材の代わりに鉄骨を使った工法です。多くの場合はパネルを併用していて、縦の力には鉄骨で耐え、横の力にはパネルで耐えるような構造をしています。

頑丈な作りのため地震などの災害に強いのが特徴。木造に比べると倒壊のリスクが低いでしょう。

2-2.ラーメン工法

柱や梁(はり)、耐力壁などを強固に一体化させて建物を構成する工法。材と材の交差点が剛接合によって固定されているのが特徴です。高層ビルや集合住宅などに多く採用されており、耐震性に優れている工法として有名。また、間取りの自由度が高いのも特徴です。

3.鉄筋コンクリート工法の主な種類と特徴

鉄筋コンクリート工法の全体的な特徴としては、なんといっても災害に対する能力でしょう。コンクリートで構成されているので火事になりにくいですし、大地震でも倒壊するリスクは著しく低下します。また、シロアリなどの害虫被害もありません。

デメリットとしては値段の高さ。そして、地盤の状態に左右されるという点でしょう。鉄筋コンクリート工法の場合、地盤がある程度強固である必要が出てくるからです。

鉄筋コンクリート工法は大きく分けて2種類あります。それぞれの特徴について触れていきましょう。

3-1.コンクリート一体壁式工法(RC造)

コンクリート一体壁式工法とは、建物の骨組みを構成する柱や梁(はり)、床などの形に合わせた型枠に鉄骨を組み入れ、そこにコンクリートを流し込んだ工法のことです。一般的にはRC造と呼ばれることもあります。

コンクリート一体壁式工法の特徴は、なんといってもその強度。コンクリートを骨組みに流し込むことでつなぎ目がなくなり、大きな地震や台風が来ても倒壊するリスクが下がります。その強固さの証明として、あの東日本大震災の津波でも、ほとんどの家が流される中でRC造の家だけは流されずに残っていたほどです。

ただし、デメリットもあります。一番のデメリットは、一般的なほかの工法に比べて値段が高くなるという点でしょう。また、コンクリートが乾くまでの時間を要するため、ほかの工法に比べて工期が長くなるというデメリットもあります。

3-2.PCパネル工法(PC造)

PCパネル工法とは工場で作られたコンクリートパネルを現場で組み立てて建築する方法。PC造の特徴としては、コンクリートパネルの強固さです。通常のRC造では現場でコンクリートを打設(だせつ)するため、職人の技術力などによって制度や品質にばらつきが発生します。

しかし、PC造の場合は工場で厳格な管理されて作られるため、高強度・高耐久・高耐火の性能を持ったパネルを『一定品質』で作ることが可能です。そのため、ただのRC構造よりもより信頼性が高いといといえます。

RC造の場合、大地震に襲われればひび割れが発生しますが、PC造の場合はひび割れすら最小限に抑えることが可能です。

まとめ

いかがでしたか?

今回は住宅の工法について中心にご紹介しました。

  1. 木造工法の主な種類と特徴
  2. 鉄骨造工法の主な種類と特徴
  3. 鉄筋コンクリート工法の主な種類と特徴

住宅は一生に1度の買い物であり、かつ最も高い買い物でもあります。後悔しないためにも、住宅の工法にはしっかりとこだわり、選びましょう。ぜひ、今回の記事を参考にしてみてくださいね。