
家づくりを始める前に知っておきたいこと~理想の一戸建てをつくる~
一軒家の購入は大きなお買いものです。だからこそ、後悔のない家選び・家づくりをしなければなりません。無知のまま家づくりを始めてしまうと100%失敗するでしょう。後で○○しておけば良かった…と後悔してしまいます。そこで、家づくりをするポイントや家づくりにかかる資金・家づくりの準備・計画・土地選び・業者選びなど詳しく把握しておきましょう。
この記事を読むことで、家づくりをするための必要な知識を身につけることができます。入念に準備をすれば、理想的な家づくりができるでしょう。
1.賃貸から家づくりへ
賃貸生活から自分だけの家を購入するまで入念な計画が大切です。そこで、賃貸物件・分譲物件・建売と一戸建ての違いやそれぞれのコスト・暮らし方の違いなど詳しく説明しましょう。
1‐1.賃貸物件・分譲物件・建売・一戸建ての違いとは
賃貸物件は家主から住居スペースを借りる物件のことです。あくまで住居スペースの権利は家主になります。分譲物件は所有権を譲渡する目的でつくられた物件です。土地や建物をわけて売る方法になります。そして、土地と住宅がセットで売られるものが建売です。注文住宅は土地を手に入れて、住宅を最初からつくるタイプになります。理想的な家づくりをしたい・こだわりを持って住宅を建てたい方は建売よりも注文住宅が良いでしょう。
1‐2.それぞれのコスト
最初から家づくりをおこなう注文住宅が最もコストがかかる住宅です。最初から家を設計するため、時間と手間もかかります。注文住宅のコストはおよそ2,000万~4,000万円になるでしょう。賃貸物件にかかるコストは長期的な家賃を計算しなければなりません。毎月かかる費用+住居期間が総合コストです。分譲物件は家賃を支払う賃貸と購入するケースがあります。長く住み続けるのなら賃貸よりも購入、引越しが多い方は賃貸物件が良いでしょう。
1‐3.暮らし方の違い
自分の家を持つと気兼ねなく生活できます。賃貸物件は家主から借りている状態なので、個人の勝手で家を傷つけることはできません。誤って傷をつけた場合は責任を持ってもとどおりにする必要があります。暮らし方にも違いが出てくるので、自分のライフスタイルを見直すことも大切ですね。
1‐4.いつ一戸建てを建てる人が多いのか
一戸建てをつくると土地から離れられなくなります。簡単に引越しができないので家庭が安定したときこそ一戸建てを建てるタイミングでしょう。家族が増えたとき、親から資金援助をしてもらったときなど良い条件がそろったときに一戸建てを建てる人が多いです。人にとって状況が異なるため、一戸建ての購入・建築は自分自身のタイミングで決めてください。家族と相談すると良いでしょう。
1‐5.一戸建てならではのメリット
家賃・駐車場代・管理費などがかからないことが一戸建てならではのメリットです。たとえ、築年数が経過したとしても土地の価値を持っているので資産価値が残ります。また、独立性の高い一戸建ては家族のプライバシーが守れるでしょう。隣家と離れていれば騒音トラブルがなく、増築・建て替えも自由にできます。
1‐6.一戸建てのデメリット
一方、一戸建てにもデメリットがあるのでチェックしておきましょう。一戸建ての主なデメリットは土地によってマンションよりも物件価格が高くなること・修繕費を自分で確保しなければならないこと・防犯対策を徹底しなければならないなどです。賃貸物件は管理人・管理会社が責任を持って防犯対策・メンテナンスをしてくれます。しかし、一戸建ての所有権はすべて自分にあるため、防犯対策・メンテナンスにお金がかかるのです。以上のデメリットを踏まえたうえで、一戸建ての計画をすすめていきましょう。
2.家づくりにかかる資金とは
家づくりを始める際、大きい不安要素になるのが「資金」でしょう。多額のお金を動かす家づくりだからこそ、資金計画が必要です。家づくりの資金について知識を身につけておきましょう。
2‐1.建築費
注文住宅を建てる際は建築費が必要になります。すでに住宅ができている注文住宅でも増築・改築に建築費がかかるでしょう。建築費の中には解体工事・造成工事・基礎補強工事・インテリアや電気設備関連工事・エクステリア関連工事などが含まれています。一軒家の建築費は2,000万円が目安です。
2‐2.土地代
家づくりは土地探しから始まります。土地価格は環境や周囲の状況によって異なるものです。たとえば、人気のある都市部・交通機関に優れている場所などは土地の価値が高くなります。逆に、田舎や周囲に施設が整っていない場所は土地の価値が低くなるでしょう。土地代は土地の価値と敷地の範囲によって異なるため、きちんと土地の坪単価を確認しておかなければなりません。
2‐3.その他経費
家づくりのおよそ7割が本体工事・付帯工事費がおよそ2割になります。そして、残りの1割がそのほかの費用です。そのほかの費用には登記費用・印刷代・住宅ローン手続き費用・火災や地震保険費用・引越し費用・光熱費・仮住まいの費用などがあります。特に、家づくりにかんして注意すべき費用が「登録免許税」や「印紙税」「不動産取得税」などの税金です。
- 登録免許税…不動産の権利にかんする登記のこと
- 印紙税…契約書の作成時にかかる税金のこと
- 不動産取得税…不動産を取得したときに発生する課税のこと
2‐4.資金計画の重要性
家づくりをおこなう前に自分自身の総予算をつかむことが大切です。総予算によって家づくりの基礎となる「資金」が把握できます。総予算は自己資金+住宅ローンの借り入れ可能額を合計した金額です。素人ではわからないことも多いため、住宅メーカーや銀行など専門家に相談してください。資金計画の立て方によって家づくりも大きく左右されます。
2‐5.住宅ローンの組み方について
住宅ローンの組み方によって支払う金額が数百万も変わってきます。住宅ローンを組むときは、まず自分がいくらまでローンを組めるのか確認しなければなりません。自分が借りられる金額を確かめる方法は、収入・子どもの養育費・将来の貯金・現在のライフスタイルなど支出の見直しが必要です。そして、住宅ローンを毎月いくら返していけるのか、何年計画で返済するのか、金利を踏まえて計算しましょう。
2‐6.注意点
住宅ローンを組む際、「住宅ローン控除(こうじょ)」が利用できます。住宅ローンの控除(こうじょ)とは、住宅ローンの残高に応じて所得税・住民税が減税できるものです。住宅ローンに詳しい専門家と相談しながら、住宅ローンの控除(こうじょ)を考えていきましょう。
3.家づくりの準備・計画
家づくりの準備・計画はどうすれば良いのでしょうか。具体的な準備・計画について説明します。
3‐1.どんな家がいいかイメージする
最初はあやふやで良いので、どんな家がいいかイメージしてみてください。たとえば、和風・洋風どちらにするのか、どんなデザインにするのか軽くスケッチすると良いでしょう。そして、少しずつ具体的に間取りを決めていけば理想的な家づくりができます。また、土日・祝日は住宅展示場・住宅情報館でイベントが開催されているでしょう。家族でのぞいてみると具体的なイメージがわくはずです。
3‐2.デザイン選び
和風・洋風・和洋折衷・シンプルモダン・現代和風・欧米スタイルなど住宅のデザインは多種多様です。個性的なデザインにする家庭も増えています。住宅のデザインを考える際は「暮らしやすさ」「ライフスタイル」「メンテナンスのしやすさ」に配慮してください。つい、理想的なデザインを求めすぎて掃除しにくい・メンテナンスしにくいデザインになりがちです。そのため、暮らしやすさや快適性にも注目してデザインを選ぶ必要があります。
3‐3.人気のデザインとは
近年、人気になっている住宅デザインは「現代和風」や「シンプルモダン」「和洋折衷」です。シンプルモダンは全体の形がシンプルでスタイリッシュなデザインになっています。「現代和風」は日本の伝統的な和風デザインを維持しつつ現代風にアレンジしたデザインです。そして、「和洋折衷」は和風と洋風が混ざっているデザインになります。
3‐4.工法選び
住まいの耐久性と関係している大切な要素が「工法選び」です。住宅の構造は主に「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート(RC)」の3つの方法があります。構造によって工法も異なるものです。たとえば、木造は「木造在来軸組工法」「木造枠組み壁工法」「木造丸太組工法」があります。鉄骨造は「鉄骨軸組工法」「鉄骨ラーメン工法」です。そして、鉄筋コンクリート(RC)は「RC工法」になります。
- 木造在来軸組工法…コンクリートを基礎に土台を固定して柱・梁を組み合わせる工法。
- 木造枠組み壁工法…2×4・2×6工法と同じ仕組み。基礎のうえに床根太を一定間隔に並べて構造用合板を貼りつける。そして、できた枠組み壁を組み立てる工法。
- 北米式の純正2×4工法…職人たちの手でパネルを生産し、現場で造りあげる工法。
- 木造丸太組工法…丸太や角材を水平に積み重ねて構造壁をつくる工法。
- 鉄骨軸組工法…木造枠組み工法に使う木材を軽量鉄骨に置き換えた工法。
- 鉄骨ラーメン工法…重量鉄骨の柱と梁を接合したフレームで構成する工法。
- RC工法…鉄筋を組んで枠型をつくりコンクリートを流しこむ工法。
3‐5.間取り
家づくりのデザインを決めると同時に「間取り」も考えなければなりません。間取りプランは総合的な暮らしやすさを考えることが大切です。たとえば、収納場所・窓の大きさ・家屋の設置場所・家事動線などきちんと確認しましょう。
4.家づくりの土地探し
家づくりは土地探しからスタートします。土地探しのコツや自分で探す方法・土地に強い業者に任せる方法など説明していきましょう。
4‐1.土地探しのコツ
土地探しのコツは「自分の目で確認すること」です。不動産のチラシやインターネットの情報にまどわされてはいけません。チラシやインターネットの情報を考慮しながら実際、自分の目で土地を確かめてください。気に入った土地があれば、自分で見に行き様子を確認することが大切です。できれば、不動産の担当者と一緒に見に行ってください。疑問点があればすぐに質問できます。
4‐2.土地がなくても家づくりは開始できるのか?
土地が見つからなくても自分でできる家づくりはあります。「いい不動産屋探し」も立派な家づくりの1つです。依頼主の意見を聞き適切なアドバイスをしてくれる不動産屋ならより良い土地が見つかります。土地探しは家づくりの第一歩なので、いい不動産屋探しも大切です。また、自分でいろいろな家のデザインを見てイメージをふくらませてください。
4‐3.自分で探す方法・コツ・注意点
情報収集が土地探しのコツになります。自分で土地を探す場合はインターネットや不動産巡り・知人や友人からの情報を積極的に入手していきましょう。いつまでも受け身のままでは一向にステキな土地が見つかりません。自分から積極的に土地を探すことが何よりも大切です。ただし、チラシだけでは土地を決めないこと・きちんと自分の目で確認してから土地の詳細を知りましょう。
4‐4.土地探しに強い業者に任せる方法・コツ・注意点
いい不動産屋を見つけると土地探しも順調にすすむものです。土地探しに強い業者は幅広い案件を取り扱い、依頼主の意見をきちんと聞いています。自分で探すのはもちろんのこと、土地に強い業者に依頼するのも1つの方法です。業者に任せるときはできるだけ土地への要望を伝えておきましょう。たとえば、周囲にスーパーが欲しい、駅に近い場所、子どもの養育環境に適している場所など、具体的な内容が好ましいです。
5.家づくりの業者選び
家づくりは自分たちだけでできません。プロである業者の目線も大切なポイントです。工務店・ハウスメーカー・建築家それぞれのメリット・デメリットや選び方のポイントなど詳しく説明しましょう。
5‐1.工務店
工務店の特徴は自分たちで最初から家づくりができるところです。商品が存在していないので、依頼主が主導権を持って理想的な建築を建てることができます。家づくりの時間・労力を惜しまない方なら工務店での家づくりに満足できるでしょう。
5‐2.ハウスメーカー
規格住宅などを販売・施工する会社のことをハウスメーカーといいます。基本、ハウスメーカーは設計・施工をするのは同じ会社です。ハウスメーカーは住宅の低コストを前提としてしているためコストはほかの依頼先よりも安くなります。ただし、規格住宅なので設計の自由度は低いです。
5‐3.建築家
設計事務所または個人事務所の建築家に依頼する方は、建物のデザインを重視しています。完全な自由設計ができるため、デザイン・工法・仕様が選択できるでしょう。より個性的な家を建てたい・デザインを重視したい・こだわりが強い方に適しています。しかし、建築家への依頼はそれなりのコストもかかるものです。人気建築家であるほどコストが高くなります。
5‐4.選び方のポイント・コツ
選び方のポイント・コツは「住宅の優先順位」です。家庭によって「○○だけははずしたくない」とこだわりを持っているでしょう。家づくりに何を求めるのか、家族で話し合ってみてください。そして、優先順位を決めていきましょう。コストを優先する、デザインを重視する、時間を短縮するなど優先順位によって依頼先も変わります。
5‐5.情報の探し方
情報収集は最初にする家づくりです。どこから家づくりの情報を入手すれば良いのかわからない方も多いでしょう。ネットが流通している現代、インターネットの情報にまどわされることもあります。そのため、インターネットはもちろん、ハウスメーカーのカタログや雑誌・新聞紙・不動産屋のチラシなどさまざまなところから情報を入手してください。そして、重要だと思う情報にチェックをいれていきましょう。
5‐6.モデルハウス・見学会など
モデルハウスや見学会があちこちで開催されています。家づくりに詳しい専門家の話が聞けるチャンスでもあるので、ぜひ参加してみてください。いろいろな家を見学することで想像がふくらみ、より具体的な家づくりがイメージできるでしょう。
6.トラブル・欠陥住宅・シックハウスの防止策
家づくりをすすめる前に、トラブル・欠陥住宅・シックハウスの現状について把握しておかなければなりません。トラブルを把握しておけば事前に対策ができます。
6‐1.欠陥住宅とは
日本の住宅において欠陥住宅が増えています。欠陥住宅とは建築基準法などを満たしていない住宅のことです。設計や工法に問題があるので安全性・快適性に支障をきたしてしまいます。たとえば、新築でも雨漏りが発生する・家が傾き始める・基盤ができていないなど、欠陥住宅の代表的な例です。
6‐2.シックハウスとは
建材などから発生する化学物質の健康被害・室内空気汚染をシックハウスといいます。シックハウスが私たちの健康に悪影響をもたらすと鼻水・のどの乾燥・吐き気・頭痛といったシックハウス症候群が出てくるのです。
6‐3.家づくりでよくあるトラブル
きちんと業者に要望を伝えておかなければ「想像とは違う家」になってしまいます。実際、完成した間取りと想像していた間取りが違っている、生活してみると居心地が悪いなど不満が出てきて業者とトラブルになるケースが多いのです。トラブルを防ぐためにも工事中は定期的に確認する、疑問に思ったところはすぐに尋ねて解決しなければなりません。
6‐4.対策方法
欠陥住宅やシックハウス対策は「業者選び」が大きなポイントになります。優良業者はきちんとした工法で家をつくり対策をきちんとほどこしているものです。しかし、悪徳業者は手抜きをしている傾向があります。きちんと丁寧に説明してくれるか、見積もりに不備がないか、アフターフォローがあるかどうか契約前にチェックしておきましょう。
7.家づくりにかんしてよくある質問
家づくりにかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。家づくりを検討している方はぜひ参考にしてください。
7‐1.住宅ローンの審査基準とは?
住宅ローンが組めるかどうかは審査の結果にかかっています。住宅ローンの審査基準は完済時の年齢・返済負担率・借入時の年齢・担保評価・勤続年数・健康状態・年収の7項目です。
7‐2.住宅ローンの計算方法が知りたい
自分で計算するとしても住宅ローンの金額は大きいので難しいです。そこで、おすすめしたいのが住宅ローンシミュレーションシステム。銀行などのホームページで誰でも利用できます。ぜひ試してみてください。
楽天銀行の住宅ローンシミュレーション:http://www.rakuten-bank.co.jp/home-loan/simulation/
7‐3.すまいの給付金とは?
すまいの給付金とは消費税引き上げによって消費者の負担を軽減する制度です。住宅ローン減税ができない収入層に対して適用される給付金になります。
国土交通省すまい給付金:http://sumai-kyufu.jp/
7‐4.家づくりの相談はどこにすべきか?
家づくりの相談はハウスメーカー・工務店・建築事務所などで受けつけています。わからないことがあれば気軽に相談してみてください。安城建築では無料で相談を受けつけていますよ。
7‐5.土地家屋調査士とは?
地震が多い日本だからこそ、土地を購入する前に土地や家屋の状態を把握しておかなければなりません。必要な土地・家屋にかんする調査をおこなう専門家が「土地家屋調査士」です。土地家屋調査士は境界杭(くい)の位置確認・面積の測量・土地と建物の位置関係などを調べます。
まとめ
いかがでしたか?家づくりは時間に余裕を持ってコツコツと積み重ねていくものです。1か月では十分な計画を立てることができません。いい家をつくるには時間と手間がかかります。決して、焦らず家族のペースで家づくりをしていきましょう。きちんと基礎知識を身につけておけば、計画どおりにすすめられますよ。大切なのは情報収集・家づくりに必要な知識を身につけることです。