
社会問題化している空き家の放置!その実態と解決方法を紹介
空き家を放置することには、どのような問題があるのでしょうか。
わが国の空き家率は年々増加し、多発するさまざまなトラブルがテレビや新聞で報道されているのです。
もちろん、すべてが「問題のある空き家」というわけではありません。
社会問題化する空き家とは、どのような状況のものを言うのでしょうか。
そんな人たちは、ぜひ参考にしてみてください。
1.空き家が増えている原因
近年、街中で見かけることの多くなった空き家。
増え続けている原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
1-1.固定資産税が増えるという問題
日本で空き家が増えている主な原因には、固定資産税が大きく関係しています。
不動産にかかる固定資産税は、その土地に住宅が建っていれば6分の1に減額されるという制度があるのです。
つまり、家を解体すると支払わなければならない固定資産税の金額が増えることに。
本来はもう使わないため取り壊しても構わない空き家でも、そのまま放置してしまうケースが多いのです。
固定資産税の減額制度は、もともと日本に住宅が不足していた時代に作られたもの。
住宅の建設を促すことを目的としていました。
住宅が増えた現在でも、その制度だけが残っているわけです。
1-2.少子高齢化
空き家が増える原因のもう1つは、少子高齢化がすすんでいることです。
不動産の持ち主が高齢になり、老人ホームに移住した場合、家がそのまま残されてしまいます。
また、家主が亡くなっても「相続人がいない」という理由で、家が放置されっぱなしになっているケースも少なくないのです。
1-3.新築志向の根強さと住宅耐用年数の短さ
さらに空き家率の増加を押し上げているのが、日本人の新築志向です。
欧米では中古住宅のシェアが8割以上。
しかし、日本ではわずか1割程度なのです。
割安な中古住宅より、新築住宅を好む人が圧倒的に多いということ。
その理由の1つに、日本住宅の平均耐用年数が諸外国より短いことが挙げられます。
そのため、人口が減少して中古住宅が市場にあふれ返っている状態にもかかわらず、新築住宅がどんどん建設されていくのでしょう。
2.空き家を放置する問題点
では、空き家を放置することにはどのような問題点があるのでしょうか。
2-1.資産価値の減少
空き家は傷みやすいのが特徴です。
人が住んでいると玄関からの出入りや窓の開閉があるため、定期的に空気の入れ替えが行われます。
住宅に湿気がこもるのを防ぎ、木材や壁、内装などが腐食するのを防止する効果があるでしょう。
また、排水口に水が流れない状態が続くと臭いや虫が発生しやすくなります。
「使っていないから傷まない」と思っている人もいると思いでしょう。
しかし、決してそのようなことはないのです。
住宅は、人が住んでいることそのものがメンテナンスになっている部分も少なくありません。
空き家として放置される期間が長いほど傷みはすすみ、不動産としての価値は減少してしまうのです。
2-2.防犯・防災の問題
空き家は監視の目が届きにくいため、部外者の出入りが容易です。
近所の子供が入り込んだり動物が住み着いたりする可能性が高いでしょう。
子供がいたずらでした火遊びが原因で火災が発生することも考えられます。
また、動物が繁殖することで住宅はさらに傷み、悪臭や鳴き声などの問題も出てくるでしょう。
もちろん、犯罪者の隠れ場所として使用される可能性もあります。
問題が起きたときには、空き家の持ち主もトラブルに巻き込まれることになるでしょう。
2-3.経済的負担
前述したとおり、解体して更地にするより空き家を放置していた方が固定資産税は安くなります。
しかし、今年度に施行された空き家対策関連法で「特定空き家」としての認定を受けた場合、そのような優遇を受けることができなくなるのです。
そのため、今までの倍以上、税金を払う必要が出てきます。
今後一切住む予定のない空き家であれば、早めに売却や解体を行う方が経済的に有利と言えるでしょう。
3.空き家の管理方法
今後は、空き家を放置しておくことに何のメリットもありません。
空き家を管理する方法を考える必要があるでしょう。
最後に、空き家の管理方法をいくつかご紹介します。
3-1.兄弟や親戚と協力して管理する
空き家を自分で管理するのは大変な作業です。
いつでも住めるような状態にしておくためには、最低でも月に2回は手入れが必要になるでしょう。
自分1人で管理するのが難しい場合は、兄弟や親戚などと協力して空き家を管理する方法もあります。
「自分は月に1回だけ手入れを行えばよい」という状態にしておけば管理し続けるのも可能になるのではないでしょうか。
3-2.代行業者を利用する
空き家を管理してくれる業者もあります。
インターネットで検索すれば簡単に見つけることができるでしょう。
費用も割と安く、月に1万円もかからないような業者も多くなっています。
遠方に住んでいて管理するのに交通費がかかるという人は、業者に依頼した方がお得な場合もあるでしょう。
また、代行業者と自己管理を併用して空き家を管理する方法もあります。
月に1回だけ業者に依頼して、あとは自分で管理すれば効率的でしょう。
3-3.売却する
将来、空き家に住む予定がない場合は、早めに売却する必要があります。
不動産会社に相談すれば「売却する」「賃貸に出す」「管理する」という3つの視点から総合的に診断してもらうことも可能でしょう。
売却するとなれば、査定金額や売却にともなう費用がいくらになるか計算してもらってください。
そして、不要な家具や家電などを処分する方法を考えましょう。
処分したいものが大量にある場合は、不用品の回収や買い取りを行っている業者に依頼すると便利です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
空き家を放置しておくことが何を意味するのか、お分かりいただけたと思います。
社会問題化している現実を受け止め、自分にとってベストな方法で空き家をどうするか考えていきましょう。
そうすることで、さまざまな問題を解決することができるはずです。