
子育てに最適な間取りとは? 新築の間取りを決めるときのポイント
新居を建てる場合、子どもにとってよい住環境をつくりたいものですよね。「子育てに間取りは関係ない」と考える方もいますが、実は深い関係があります。しかし、子育てが楽になる間取りとは何なのか、将来にどう影響するのか分からない方が多いでしょう。そこで、本記事では、子育て時期と間取りの関係について説明します。
この記事を読むことで、子育て中の間取りの決め方やポイントについて分かります。家を建てる予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
1.子育て時期の間取りについて
子育てと間取りには、どのような関係があるのでしょうか。子育て時期に最適な家をつくるためには、関係や悩み・悪い間取りなどの知識を身につけることが大切です。
1-1.子育てと間取りの重要性
家は家族にとって憩いの場所、自然と心が落ち着く場所でなくてはなりません。特に、新築の際は、子どもの成長に合わせて間取りを考えることが重要となります。子どもは毎日成長するため、その成長に合わせて変更できる間取りが理想的です。
たとえば、小さな子どもは目が離せないので、母親のいるリビング・キッチン周辺に子どもの居場所をつくると母親の負担も少なくなります。小学校・中学校と成長すれば、子ども部屋を設ける時期です。友人を自分の部屋へ呼ぶことも増えるため、子どもにとっての“自分の場所”をつくらなければなりません。悩み多き青春時代は、プライベートな空間も必要となります。
間取りは、子どもの成長・心に伴ったつくりにすることが大切です。
1-2.子育て中の家の悩み
子育て中は、さまざまな悩みが出てくるでしょう。中でも、おもちゃが散乱して片付かない・子どもの遊び道具が多い・すぐに汚れるなど多種多様です。これらは、小さな子どもがいる家のよくある悩みなので、解消方法を考えれば適切な間取りにすることができます。収納スペースをつくる・汚れにくい壁紙にするなど、工夫はさまざまです。
1-3.どんな間取りが理想か
子どもの成長に合わせて変えられる間取りが理想的です。たとえば、子ども部屋に仕切りをつくるとしましょう。小学生の時期はオープンスペースとして、中学生・高校生の時期は仕切りを活用して個人の部屋をつくってあげることができます。また、家族のコミュニケーションを増やしたい方は、お互いの様子が分かるオープンキッチンや、家族が自然と集まる居心地のよいリビングなど、共有スペースに注目するとよいでしょう。キッチンからリビングが見渡せるつくりにすれば、子どもの様子も分かります。
1-4.悪い間取りとは
新築で失敗しがちな悪い間取りを、以下にピックアップしてみました。
- 日当たり・風とおしが悪い子ども部屋
- お風呂場が狭い
- 収納が少ない
- キッチンからリビングが見えない
以上のポイントが悪い間取りの代表的な例です。日当たりの少ない部屋はカビを発生させ、子どもの喘息(ぜんそく)などの原因にもなります。収納も、子どもの成長とともにものが増え続けるため十分なスペースを確保したほうがよいでしょう。また、お風呂場が狭いと一緒に入れなくなり、キッチンからリビングが見えないと家族とのコミュニケーション不足になったりします。
2.子育て中の間取りの決め方について
それでは、子育て中の間取りはどのように決めたらよいのでしょうか。
2-1.まずはどうするか
「パーツを書き出すこと」「どうしたいか考えること」の2点が、最初にやってほしいことです。それぞれについて詳しく説明します。
2-1-1.パーツを書き出してみる
まずは、簡単なラフ画でもよいので間取りを書き出してみてください。キッチン・リビング・子ども部屋・夫婦部屋・浴室など、パーツごとに間取りを考えましょう。ある程度の形になったら、収納スペースなどの細かい大きさを決めてください。間取りを決めるときは、生活の動きやパーツごとの目的を明確にすることが大切です。たとえば、「広々としたリビングにしたい」「子どもと料理ができるキッチンにしたい」など、目的を添えるとイメージしやすくなります。
2-1-2.どうしたいか考える
現在の子育てで何をしたいのか考えてみてください。人それぞれ、こういう子どもに育てていきたい、という考えがあるはずです。そして、現在だけでなく、将来子どもと何をしたいのか考えることも大切なポイントとなります。前述したとおり、子どもの成長に合わせた間取りが大切なので、将来設計もきちんと考えなければなりません。
2-2.間取りの組み立て方
まず、家族で話し合って、子育ての目的や将来設計に見合った間取りを簡単に決めてください。完ぺきに決める必要はありません。大まかなイメージを固めておけば、専門家との打ち合わせで少しずつ具現化していきます。個人では限度があるため、細かいところは業者などの専門家と話し合って決めたほうがよいでしょう。ただし、専門家と話し合う前に、どんな間取りにしたいのか、どんな子育てを理想としているのか明確にすることが大切です。
2-3.注意点
子ども中心に間取りを考え過ぎるあまり、夫婦のコミュニケーションを減らすような間取りになるのはNGです。子育てのことを考えるのは悪くありませんが、家族全員が居心地よく感じられる間取りにしなければ意味がありません。子育てをする親たちにとっても、リラックスできる環境を心がけて間取りを考えてくださいね。
3.子育て中の間取り~実例紹介
実例と失敗談を把握することで、子育て中の間取りがより具体的にイメージできます。それでは、早速紹介しましょう。
3-1.さまざまな実例とポイント
子育て中の間取りは、コミュニケーション・自立心・好奇心が大切なポイントです。勉強だけではなく、コミュニケーション能力や子どもが持つ自立心・好奇心という能力をバランスよく育てていかなければなりません。子どもの能力が伸ばせる環境が大切です。そのためにも、家族全員がコミュニケーションを取れる場所が必要となります。分かりやすい実例として、大手メーカー「ミサワホーム」のホームページをチェックしてください。子育て住宅の間取りが掲載されていますよ。
3-2.失敗から学ぶもの
子育て中の間取りでよくある失敗談を以下にピックアップしてみました。失敗例をチェックして、どうすれば回避できるのか考えながら間取りを固めることも大切です。
- 子どもが増えたけど、子ども部屋が1つしかない
- 収納スペースが足りない
- 子どもの部活道具や遊び道具で室内が汚れる
- 子ども部屋に仕切りがないため、プライベート空間が確保できない
4.子育て中の家・建設業者の選び方
理想的かつ実用的な家にするためには、建築業者選びが重要です。ここでは、業者選びのポイントから主な流れ・費用について説明します。
4-1.業者の選び方のポイント
大手メーカーから地域密着型まで、さまざまなタイプの建設業者があります。その中から、信用できる業者を選ばなければなりません。満足できる家を建てるために、以下のポイントに注目しながら業者を選びましょう。
- スタッフの対応が丁寧でスピーディー
- 建築の実績がある
- 依頼者の希望を取り入れつつも、適切なアドバイスをくれる
- 具体的なプランをいくつか提示してくれる
- 無料相談を行っている
- 親身になって話を聞いてくれる
- 口コミ・評判がよい
- 見積もり内容が細かく記載されている
4-2.主な流れ
業者によって異なりますが、主な流れは以下のとおりです。
- 電話またはホームページから問い合わせをする
- 新築のプランの作成と概算見積もりを依頼する
- 地盤の調査を行う
- 間取り・住宅設備などプラン詳細の打ち合わせ
- 仕様の決定と最終的な見積もりを確認する
- 本契約と住宅ローンの申し込み
- 解体工事・着工→完成
- 引き渡し・ローン実行・登記
以上の流れが一般的です。ただし、具体的な内容・流れは業者との打ち合わせで入念に確認することをおすすめします。分からない部分があれば、すぐにその場で尋ねましょう。後まわしにすれば、後で「伝えたのに伝わっていなかった」など、業者とのトラブルの原因になることがあります。トラブルを未然に防ぐためにも、早めの確認が必要です。
4-3.大まかな費用について
新築にかかる費用は、立地・土地の広さ・間取り・設備・建材などによって大きく異なります。あくまで目安ですが、約2,500万~4,000万円はかかるでしょう。一から間取りを考える注文住宅の場合は、4,000万円以上かかる可能性もあります。具体的な費用に関しては業者へ依頼してください。費用を抑えたい方は、「ここだけは譲れない!」という優先順位を明確にしておくとよいでしょう。
4-4.注意点
「イメージと異なる間取りになった」「建てたばかりなのに不具合が出た」など、業者との間でトラブルが起きています。ほとんどのトラブルは、意志疎通がうまくできていなかった点にあるようです。そのため、新築で間取りを考える際は、具体的に目的と要望を伝えておかなければなりません。また、時間をかけて打ち合わせを行うため、相性のよい担当者かどうかもチェックしましょう。相性の悪い担当者とは意思疎通ができず、逆にストレスがかかってしまいます。子育てに最適な家づくりもできなくなるので注意してくださいね。
5.子育て中の間取りに関してよくある質問
子育て中の間取りに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.間取りが子どもの将来に影響するのは本当か?
A.思っている以上に、間取りと子どもの将来は大きな関係をもっています。たとえば、リビングの壁の一角に落書きできる素材を採用して「お絵かきコーナー」にするとしましょう。昔からお絵かきを楽しんできた子どもは、芸術面での才能が豊かになり、記憶にも焼きつきます。つまり、家で過ごした時間は、子どもにとって一生残る記憶でもあるのです。感受性・好奇心が強くなる子ども時代は、家での過ごし方が大きく影響することになるでしょう。
Q.生活・家事動線とは?
A.子育てしやすい環境は、生活・家事動線が考慮された空間です。生活動線は家族が利用する洗面・化粧・排せつのための移動経路、家事動線は調理・洗濯・掃除を行うための移動経路となります。生活・家事動線が一緒になるよりも、分かれていたほうが、使いやすい環境をつくることが可能です。
Q.子育て中の玄関で気をつけるべきポイントとは?
A.外で遊んだり、部活で汚れたりと、子どもは汚れて帰ってくることが多いものです。玄関横に土間スペース・収納をつくっておけば、汚れをそこで取り払うことができます。また、子どもが幼いころはベビーカーなどの収納スペースとしても重宝するでしょう。また、玄関から洗面所・風呂場までドア1つで行けるようにすれば、洋服・身体が泥だらけでも室内が汚れにくくなります。
Q.リビング階段のメリット・デメリットが知りたい
A.リビングに取りつける階段は、家族の集うリビングを通過することが特徴です。そのため、子どもと顔を合わせる機会が増えたり、家族間でのコミュニケーションが取れたりというメリットがあります。しかし、上階からの冷たい空気が降りてくるため、引き戸を設けるなどの冷気を防ぐ工夫が必要です。
Q.子ども部屋をつくるポイントとは?
A.成長に合わせて変えられる部屋にすることが最も大切なポイントでしょう。たとえば、子どもがまだ小さいときは、10畳そのまま使える子ども部屋として確保しておきます。将来、子どもが増えたときのために仕切りをつくっておけば、2部屋に変わるのです。ただし、2部屋に仕切るときのために、入り口・収納・窓・配線・コンセントなどを2部屋分用意しておかなければなりません。
まとめ
いかがでしたか? 子育て中の間取りは、現在の目的だけでなく、将来をきちんと見据えたつくりにしておかなければなりません。子どもが大きくなったときのプライベート空間や、子どもの数が増えたときの仕切り、家族間でコミュニケーションを取るための場所などさまざまな点を考慮する必要があります。間取りを考えるのは大変な作業ですが、きちんとポイントを押さえておけばスムーズにすすめられるでしょう。業者と入念に打ち合わせをしながら、イメージを具現化してください。