
リフォーム例に学ぶ玄関リフォーム。 ポイントは防犯性と機能性!
玄関は住まいの第一印象を決める大切な場所です。玄関まわりのリフォームは、家全体の印象のリフレッシュだけでなく、使い勝手の改善や防犯などに大きく貢献します。一口に玄関のリフォームといっても、扉の交換から、収納、介護上必要な補修など、工事内容はさまざまです。そこで、この記事では、玄関リフォームの基礎知識から業者選びまで、詳しく説明します。
この記事を読めば、玄関リフォームについて知識が深まり、業者選びのポイントについても知ることができます。我が家の顔を新しくする方法を、ぜひ参考にしてください。
1.玄関リフォームについて
まずは玄関リフォームの基礎知識を説明しましょう。
1-1.玄関リフォームとは
玄関は、家の第一印象を左右する場所であり、たとえ部分リフォームでも全体リフォームに匹敵するようなリフレッシュ効果が得られるでしょう。玄関リフォームは、主に以下の2つのタイプに分けられます。
- 補修・交換:古くなったり壊れたりした扉の交換や、床の張り替えなどの修繕
- 機能の追加・改善:玄関収納の追加設置や段差の解消など、使い勝手をよりよくするための改修。間取りの変更を伴う大規模改修をする場合もある
1-2.玄関の重要性
玄関は、家の出入り口として使うだけでなく、お客様を迎える大切な場所です。そのため、家の中のほかの場所とは違い、外部の人の目に触れる機会も多く、家の中と外をつなぐ役割があります。また、家の第一印象を決める場所だけに、住む人の個性を表現する場としても大切です。絵を飾る、花を生ける、趣味の道具をディスプレーするなど、思い思いに我が家の顔を演出することができます。
1-3.リフォームする理由とは
1-3-1.防犯のため
玄関リフォームで一番多いのは、鍵の交換や追加、ドア本体の交換です。実は玄関は、空き巣の被害にあいやすい場所といえます。空き巣の半数近くが無施錠の玄関ドアから入っており、ピッキングなどドアの錠破りも3%いるのです。古い住宅のドアは、ピッキング対策に対応できていないため、被害にあわないようリフォームが必要となります。
1-3-2.機能面の不満
玄関が暗い、寒いなどのケースでは、断熱、採光・通風など、高機能な玄関ドアに交換するリフォームも多く行われています。また、玄関に収納が足りない場合には、大容量の収納スペースを作るリフォームも人気です。
1-3-3.介護のため
高齢化が進んだ昨今では、段差の解消などバリアフリーの介護リフォームも盛んです。手すりをつける、スロープをつけるなど、介護度に合わせたリフォームが必要になります。
1-4.リフォームをした方がいい場合
ドアの錠が壊れたら、防犯上すぐにでもリフォームが必要です。ほかにも以下のような場合には早めにリフォームをしたほうがいいでしょう。
- ・玄関ドアが古くツーロックになっていない
- ・玄関ドアが腐食している
- ・扉の開閉がしにくい・うまく閉まらない
- ・介護認定を受けた・段差の解消が必要
- ・玄関が狭い・収納が足りない
1-5.リフォームのメリット
玄関リフォームは、入り口のデザインをリフレッシュすることで、住まい全体の印象がガラリと変わることが大きなメリットといえます。また、ドアを一枚替えるだけで、防犯性がアップする、断熱効果が上がる、ドアを閉めたままでも明るさや風通しがよくなるなど、機能面でのメリットも見逃せません。毎日使う玄関が、機能的でデザインもよくなることで、家中みんなが気持ちよく過ごせるでしょう。
2.玄関リフォームのプランについて
玄関リフォームはプランニングが重要です。ここではプランの考え方や例を見てみましょう。
2-1.どんなリフォームがあるか
玄関リフォームは、ドアを交換したり手すりを取り付けたりするだけのものから、床や壁などの内装も工事するもの、ドアの位置を変えるような大規模のものまで、いろいろあります。
リフォームを考える場合には、まずその目的を明確にすることが大切です。たとえば、ドア一枚とっても、防犯・断熱・採光・通風・遮音などさまざまな機能があるため、優先すべき点を絞り込む必要があります。また、バリアフリー対応でも、車いすを使うのか杖を使うのかではプランが変わってくるので、本人や介護の専門家とよく相談して、具体的に考えることが大切です。思いどおりのリフォームをするために、目的を絞り、玄関のどこをどんな風にリフォームするのか考えましょう。
ここでは、玄関リフォームの例をいくつか紹介します。
- ドア取り換え:古いガラスの引き違い戸を断熱性の高いアルミのドアに変更。採光を確保するためすりガラスのスリット入りを選んだ
- バリアフリー:段差の解消のために玄関アプローチにスロープを設置。玄関ホールから廊下にもスロープをつけ、車いすのまま家の中に入れるようにした
- 土間:土間を拡張してリビングとつなぎ、ペットが自由に行き来できるようにした
- 玄関収納:家族が増え、収納が足りなくなったため、ウォークインタイプの大型シューズクロークを設置。ベビーカーも収納できるようにした
2-2.最近の傾向
最近では、土間玄関がおしゃれなスタイルとして見直され、リフォームの人気も高まっています。自転車やアウトドア用品の収納・DIYの作業場・ペットの居場所など、多様なライフスタイルに対応するために、リフォームで玄関に土間を取り入れる人が増えているのです。
2-3.そのほか
自分の希望するリフォームが予算内で実現可能かどうか、業者に相談してみましょう。プランを作る際には、現地調査をしてもらうとスムーズでしょう。
3.玄関リフォームの工事について
玄関リフォームの工事について、費用の相場や業者選びの方法などをご紹介します。
3-1.工事の流れ
工事はリフォームのプランに基づいて行われます。玄関ドアを取り替えるリフォームの場合、古い枠を活用する「カバー工法」なら、わずか1日で工事が可能です。工事は次のような流れで行われます。
- 現場の養生をする
- 古いドアなど不要なものを撤去する
- 新しい枠を取り付ける
- 扉の取手と鍵の組み立てを行う
- ドアを取り付ける
- 枠の周りをシーリングして雨水の浸入を防ぐ
3-2.日数
前述のとおり、ドアを取り替えるだけなら、カバー工法を使うと1日で可能です。しかし、枠ごと取り替える方法や、引き戸から開き戸に替える場合には1週間以上かかります。ドア以外に、フローリングの張り替えなど内装工事が必要な場合には、2週間程度必要でしょう。扉の位置を変える、スロープを設置するなど、大掛かりな工事は、1か月以上かかることもあります。
3-3.費用相場、内訳
玄関リフォームは10万~50万円程度でできることが多く、中心価格帯は30万~40万円です。大容量のシューズクローゼットの設置や土間の変更、バリアフリーの工事など大掛かりなものだと50万~100万円以上する場合もあります。
工事費の内訳は、ドア・靴箱など設備本体の費用・床材や壁紙など材料費・古い玄関の撤去費などです。
3-4.費用を安く抑えるには
費用を抑えるには、まず予算を決めることが大切です。リフォームの目的を明確にし、余分な工事が発生しないように目を配りましょう。そのうえで、数社に見積もりを取ります。こうすることで相場が分かり、不当に高額な請求をする業者を避けることができるのです。見積もりは現地調査をしてもらうことで、より詳細な金額を出すことができるでしょう。
3-5.業者選びのポイント
リフォームは価格が安ければいいというわけではありません。リフォーム後、長く快適に使うためにも信頼できる業者に依頼することが大切になります。それには、まずは業者のリフォーム実績を見ることです。リフォーム業者にはそれぞれ得意分野があるため、玄関のリフォームを希望する場合には、玄関の施工例が多い業者を選ぶといいでしょう。
また、玄関リフォームは、内容によって、設備工事・外装工事・内装工事・電気工事・左官工事など、さまざまな工事が必要になります。そのため、リフォーム工事を請け負うには、各職人の手配がスムーズにできる業者でなければなりません。口コミや評判だけでなく、以下の点にも注意して選びましょう。
- 希望しているリフォーム工事と同等の工事の実績があるか
- プランニングの提案力があるか
- 現地調査・見積もりは無料か
- 質問に対して分かりやすく説明してくれるか
- 対応はていねいか
- 保証・アフターサービスはあるか
3-6.注意点
リフォーム業者の中には、不当な高額請求や手抜き工事など、悪質な業者もいます。特にいきなり飛び込みで訪問営業をしてくる業者は、「今日契約すれば半額」などと即日の契約を迫るケースもあるので、その場で安易に決めないように気をつけましょう。しつこい訪問営業などには毅然とした態度で断ることが大切です。トラブルに巻き込まれないように、契約前には見積もりをしっかりと取ってください。施工後の保証やメンテナンスについても、契約前に確認しておくことが大切です。
4.よくある質問
Q.見積もりを数社から取る場合のコツはありますか?
A.リフォーム範囲や要望など、見積もりの条件を同一にすることです。条件が異なると価格や仕様の比較ができません。
Q.大手リフォーム会社と地元の業者では、どちらがいいですか?
A.何を重視するかによって答えは変わるでしょう。大手なら安心感はありますが、小規模な工事ではかえって高くつくこともあります。地域密着の小さな業者でも、住宅を手掛けているところや長年営業しているところなら、技術的には問題ありません。担当者との相性もあるので、両方に相談してみるといいでしょう。
Q.見積もりが気にいらなければ断ることはできますか?
A.一般的にリフォームの見積もりは無料です。契約前ならキャンセル料が発生することもないでしょう。
Q.玄関リフォームに補助金は使えませんか?
A.介護認定を受けている人の住まいを介護リフォームする場合は、条件を満たすことによってリフォーム補助制度(介護保険住宅改修)を使うことができます。玄関のリフォームの場合、手すりの取り付け・段差の解消・引き戸への取り替えが保険適用の改修です。費用の9割の補助が受けられますが、工事着手前の申請が必要になります。詳しくは自治体に問い合わせてみてください。
Q.リフォームの保証にはどのようなものがあるでしょうか?
A.ドア本体など製品の品質保証と、工事に対する保証があります。大手メーカー製の場合、メーカーの製品保証は通常2年間です。工事の保証は、リフォームでは10年間が最高レベルでしょう。
まとめ
玄関は、家族が出入りする場所というだけでなく、お客さんを迎えたり、収納を設けたりライフスタイルが反映できる場としても大切な空間です。玄関のリフォームは住まいの印象を変えると同時に、防犯性・断熱性・機能性の向上など、さまざまなメリットがあります。より安全で快適な暮らしをスタートさせるために、信頼できるリフォーム業者を選び、プランニングをはじめましょう。