
ヒートショックの対策はお任せ! 温度差をなくして安全な入浴を!
「ヒートショック」という言葉を耳にしたことがある人も多いことでしょう。ヒートショックとは、激しい寒暖差に耐えきれなくなり、体にさまざまな支障が出ることです。しかし、実際に対策しようとしても、何をすればいいのかよくわからないことも多いでしょう。適切な対策をして、安心して暮らしたいものです。そこで、今回は、ヒートショックの正しい対策について詳しく解説します。
この記事を読むことで、ヒートショックに関する基本がわかり、正しい対策で予防することができます。まずは、記事をじっくり読んでみてください。
1.ヒートショックとは?
最初に、ヒートショックの基本として、主な原因や起こりやすい場所・人について詳しく解説します。
1-1.ヒートショックとは
ヒートショックとは、体が温度差に耐えきれずさまざまな障害を引き起こすことです。温温度差のショックにより、血圧や心拍が急上昇して、脳梗塞や脳出血・心筋梗塞などが起こりやすくなります。症状が重い場合や発見が遅れた場合は、後遺症が出たり命を落としたりすることがあるので注意しましょう。普段特に健康に問題がない人でも、ヒートショックが起こることがあるので油断しないでください。
1-2.ヒートショックの原因
ヒートショックの原因は、温度差が激しさにあります。特に、冬場は、暖かいところから急に寒いところに出た場合や、暖かい衣服を脱いで冷たい空気に触れたときに発症しやすくなるのです。原因がはっきりしているので、対策を行えば事前に防ぐことはできます。また、ヒートショックを起こしやすい場所は特に気をつけることが必要です。
1-3.ヒートショックが起こりやすい場所
たとえば、以下の場所出は特に気をつけてください。冬になると、以下の場所では暖かい服装を脱いだ瞬間にヒートショックが起こりやすくなります。
- 浴室
- トイレ
- 寝室(暖房設備がない場合)
- 脱衣所
1-4.ヒートショックを起こしやすい人
以下に当てはまる人は、特にヒートショックを起こしやすいので注意しましょう。場合によっては、命にかかわることがあります。
- 高齢者
- 糖尿病
- 高血圧
- 心臓病
- 脳血管障害(後遺症のある人を含む)
- 自律神経失調症
2.ヒートショックの対策方法について
ヒートショックの対策では、温度差をなくすことが大切です。どんな工夫をするとするといいのかをはじめ、特に心配な浴室での対策方法について詳しく解説します。
2-1.温度差をなくす工夫をしよう
ヒートショック対策では、温度差をなくすことが基本となります。たとえば、以下の工夫をしてください。
- 防寒効果の高い服装にする(家でも靴下をはくなど)
- 浴室暖房機を導入する
- カーペットやラグをしく
- 床下暖房を導入する
2-2.最も多い浴室での対策方法を詳しく解説
ヒートショックは、浴室での発生が最も多くなります。そのため、浴室では以下の対策を行うといいでし
2-2-1.お湯の温度を41℃以下にする
熱いお風呂が好きな人は、ヒートショックになりやすいものです。熱いお湯は、心臓に負担がかかりやすくなります。さらに、寒いところからいきなり熱いお湯に入ることで体が温度差に対応できなくなり、ヒートショックを起こすのです。41℃以下のぬるめのお湯にゆっくりつかりましょう。
2-2-2.夕食前に入浴する
食事後は、血圧が低くなる傾向があります。また、気温も遅い時間になればなるほど下がるため、夕食前の入浴がおすすめです。早めに入浴を済ませ、ゆっくり夕食をいただきましょう。
2-2-3.ふたを開けてお湯をわかす
湯舟のふたを開けてお湯をわかすことで、蒸気で浴室内を温めることができます。すると、脱衣所との温度差がなくなるので、ヒートショックを防ぐことができるのです。ただし、お湯が冷めやすくなるので、できるだけ早めに入浴するといいでしょう。
2-2-4.入浴前に熱いシャワーで壁を濡らす
入浴前に熱いシャワーで冷えた壁を濡らすことで浴室内の温度を上げることができます。数分間かけ続けると壁が温まって、冷めにくくなるでしょう。空気が暖かいうちに入浴してください。
2-2-5.浴室暖房機を設置する
浴室暖房機を設置すると、手間をかけずに簡単に浴室が暖かくなります。初期費用はかかりますが、最も安心で効率のいい方法であるのでおすすめです。さまざまなタイプがあるので、業者とよく相談して設置してください。
3.ヒートショックの対策:浴室暖房機について
ヒートショックの対策方法として、浴室暖房機の導入をおすすめします。主な種類やメリット・ランニングコストなどについて、詳しく解説しましょう。
3-1.浴室暖房機とは
浴室暖房機とは、浴室専用の暖房機器のことです。機能は、エアコン並みに装備しているので、いろいろと便利に使うことができます。システムバスを作るときにオプションとして選ぶことができるほか、単体でも設置可能です。
3-2.浴室暖房機の種類
浴室暖房機にも、さまざまなタイプがあります。主な種類は、以下をご覧ください。
3-2-1.電気ヒーター型
電気ヒーター型は、電気の熱を使うタイプの浴室暖房機です。一酸化炭素中毒になる心配がなく、安心して使うことができます。天井埋め込み型・壁かけ型の2種類が主流です。
3-2-2.ヒートポンプ型
ヒートポンプ型は、空気の熱エネルギーを利用した浴室暖暖房機です。電気ヒーター型よりも、省エネ効果に優れ、光熱費を抑えることができます。
3-2-3.天井埋め込み型
天井埋め込み型は、天井に浴室暖房機を埋め込んだタイプのものです。システムバスのオプションとして扱われることが多くあります。デザインに統一感があり、スタイリッシュな外見であることも特徴です。
3-2-4.壁かけ型
壁かけ型は、現在の浴室を生かして設置できるタイプのものです。コンパクトなサイズのものが多く、システムバス・従来型のタイル浴室の両方に対応できます。導入費用を抑えたい場合にもおすすめです。
3-3.浴室暖房機を使うメリット
浴室暖房機には、浴室を温めるだけでなく以下のメリットもあります。
- 換気ができる
- カビ対策になる
- 洗濯ものを乾かすことができる
多くの浴室暖房機は、暖房機能だけでなく、換気機能や乾燥機能を備えています。風呂場の湿気がこもらなくなるので、さまざまなメリットがあるのです。
3-4.浴室暖房機のランニングコストについて
浴室暖房機を設置する場合、気になるのがランニングコストです。機種や使用条件によっても異なりますが、目安としては1時間につき、数十円程度となります。ランニングコストを気にする場合は、省エネモードがある機種を選ぶ・必要なときだけ使うなどを心がけましょう。しかし、光熱費を節約したいからといって、肝心の目的を見失わないようにしてください。
3-5.浴室暖房機に関するそのほかのこと
浴室暖房機も、日ごろからの手入れが大切です。特に、吹き出し口には汚れがたまりやすいので定期的に掃除をしましょう。手入れ不足では、カビが発生することもあります。また、浴室暖房機の寿命を早めてしまうので気をつけてください。定期的に業者にメンテナンスを依頼することで、安心して使うことができます。
4.浴室暖房機の設置や交換について
浴室暖房機の設置や交換で、業者選びのポイント・費用・設置や交換の流れなど、詳しく解説します。
4-1.業者選びのポイントをチェック
浴室暖房機の設置は、以下のポイントを満たす業者に依頼しましょう。
- 浴室暖房機の設置で豊富な実績がある
- 多くの機種を取りそろえている
- 見積もりは無料
- 設置費用がリーズナブル
- 希望の納期に合わせてくれる
- 担当者の態度がよく質問に対する回答がわかりやすい
- 利用者からの評判がいい
- 保証やアフターサービスが充実している
4-2.浴室暖房機の設置費用
浴室暖房機の設置には、以下のような費用がかかります。
- 浴室暖房機本体の費用
- 設置費用
- 取り外し費用(古いものと交換の場合)
設置費用の目安は、総額で数万円程度です。ただし、浴室の状況によっては、配管を延長するなどのため、さらにオプション工事費が必要になることもあります。詳しくは業者に確認してください。
4-3.浴室暖房機の設置や交換の流れ
浴室暖房機の設置や交換は、以下のような流れで進みます。設置時間は、4~5時間程度が目安です。
- 業者に浴室暖房機の設置・交換を相談する
- 業者が視察をし、依頼者の希望も取り入れながら見積もりを出す
- 依頼者が見積もりを確認後、正式に契約する
- 依頼者が希望した日時において浴室暖房機の設置工事が行われる(交換の場合は取り外し工事も行う)
- 設置後、業者と依頼者で現場確認をして完了
4-4.浴室暖房機の設置や交換に関する注意点
浴室暖房機の設置や交換は、業者選びに大きなカギがあります。親切な業者は、現状を見て最も適切な機種を選んで紹介してくれるはずです。また、利用するときの注意点などについても詳しく教えてくれることでしょう。反対に、ただ売り上げだけを確保したい業者もいるので注意してください。理由もなく予算より高額な機種ばかりをすすめてくるところは、信用できません。設置した後は、点検もしてくれずに放置する業者もいます。設置後も長く安心して使い続けるためには、保証やアフターサービスがよく、信頼できる業者を選びましょう。
5.ヒートショックの対策に関するよくある質問
最後に、ヒートショックの対策に関するよくある質問に回答します。それぞれの内容を確認し、万全な対策をしましょう。
Q.体力がある人ならヒートショックにならないのでは?
A.体力とヒートショックは関係ありません。体力がある人でも、ヒートショックの対策は必要です。自分は大丈夫と過信することが危険を招きます。特に、働き盛りの中高年は、高血圧を自覚していない人も多く、ヒートショックになるケースが見られるので注意しましょう。
Q.夏場はヒートショックの心配がないのですか?
A.ヒートショックの原因は、温度差であるため、冷房の効いた部屋から暑い屋外に出るなどで起こることもあります。また、反対に暑い屋外から冷房の効いた室内に入る場合も同様です。しかし、冬場に比べると危険性は下がります。
Q.ヒートショックを起こしたときの対処方法は?
A.ヒートショックになった場合は、慌てないで安静にしてください。家族が発見したときは、本人の動揺を抑え意識を保つためにも、名前を呼んだり会話を続けたりすることが大切です。また、意識がない・息苦しさや痛みを訴えるなど、重症になることも多いため、救急車を呼びましょう。対応が遅れると命にかかわります。
Q.浴室暖房機で人気のメーカーは?
A.たとえば、以下のメーカーが人気です。
- ノーリツ
- 高須産業
- パナソニック
- TOTO
- 日立
浴室暖房機を選ぶときには、好きなメーカーを中心にさまざまな機種を比較するといいでしょう。
Q.高機能な浴室暖房機のほうが長持ちしますか?
A.高機能な浴室暖房機であっても、使用頻度や使い方によっては寿命が早まるでしょう。また、手入れが不十分な場合も同様です。長く使い続けるためには、使用説明書をよく読み、正しく使うことと手入れをこまめにすることを心がけましょう。不具合が出たときは、業者に連絡して点検・メンテナンスを依頼してください。
まとめ
今回は、ヒートショックの対策について詳しく解説しました。特に、冬場はヒートショックの多発時期です。自分は大丈夫だろうという過信を持ってはいけません。特に、高血圧などの持病を抱えている人や、高齢者などは注意してください。ヒートショックから身を守るためには、浴室暖房機を導入するなどの工夫をして、寒暖差をなくすことが大切です。ヒートショックは、命にかかわることもあるため、万全な対策をして安心して生活しましょう。