雨漏りを放置してはいけない! 原因となる屋根の診断や業者の選び方

雨漏りが起こったら、誰でも慌てるものです。天井に雨染み、壁伝いに雨のしずくと、さまざまな症状が起こります。雨漏りは放置しても直りません。豪雨でさらに状況が悪くなることも考えられるでしょう。雨漏りが起きたときの対策や応急処置などを覚えておいてください。

  1. 屋根の雨漏りについて
  2. 屋根の雨漏り・まずどうするか?
  3. 屋根の雨漏り・修理について
  4. 屋根の雨漏りでよくある質問

この記事を読むことで、雨漏りの原因や対処法がよく分かります。雨漏りは家全体を傷める可能性があるため、放置しないよう注意してください。

1. 屋根の雨漏りについて

屋根の雨漏りが起こる原因や、放置するリスクを覚えておきましょう。

1-1.雨漏りの症状

雨漏りの症状といえば、天井から雨水が滴り落ちるというイメージが強いでしょう。しかし、進行具合によって症状は異なり、見抜きにくいのが難点です。雨染みが天井やクロスにある・家全体がカビ臭いといったものも、雨漏りの可能性が高いとされています。外壁や屋根にひび割れがある場合は、劣化に伴う雨漏りのリスクがあるのです。

1-2.屋根の雨漏りは何が原因か?

屋根が最も雨漏りしやすいでしょう。なぜなら、屋根は風雨や紫外線に晒(さら)され、劣化が進行しやすい場所だからです。コーキング剤のひび割れ・塗膜の劣化・屋根材を固定する釘(くぎ)が浮いているなどにより、すき間ができることが原因で雨漏りを引き起こします。

1-3.雨漏りを放置するとどうなるのか?

雨漏りが発生したばかりであれば、雨染み程度で留(とど)まる可能性もあるでしょう。しかし、そのまま放置した場合、室内に雨水が浸みこみ、家中が水浸しになることも心配されます。また、雨水が家具や家電などを濡(ぬ)らし、漏電や火災などの二次災害につながる恐れもあるでしょう。家全体が雨水の影響を受け、木材の腐食が起こります。湿気がこもることで、シロアリが繁殖する環境になってしまうのです。そのため、家そのものの耐久性が著しく損なわれる危険性もあります。

2.屋根の雨漏り・まずどうするか?

雨漏りが起きた場合の対処法をご紹介します。

2-1.自分で対策ができるのか?

雨漏りが起きた場合、屋根のどこにダメージがあるかをしっかり確認しなければなりません。屋根の診断は、プロの目で行うことが理想です。DIYで補修しようとしても、根本的な解決に方法が分からないため、その場しのぎで終わってしまうケースもあります。業者に依頼するまでの間、応急処置として、屋根全体にブルーシートをかけるなどの手段は有効です。

2-2.応急処置方法

雨水の浸入を防ぐため、屋根全体をブルーシートで覆いましょう。ブルーシートは風で飛ばないように、砂利などが入った土嚢(どのう)で固定してください。砂の入った土嚢(どのう)は、泥水が室内に浸入する恐れがあるため、使わないようにしましょう。雨漏りしている箇所が分かる場合は、粘着力のある防水テープをすき間に貼りつける方法もあります。貼りつける箇所をしっかり拭き取り、水分や汚れを取り除いてから使ってください。コーキング剤の使用も効果的です。原因箇所に直接塗布します。コーキング剤の接着効果をあげるため、プライマーを併用するといいでしょう。

2-3.雨漏りは業者へ依頼したほうがいい

雨漏りは応急処置をしても、原因をしっかり特定しないと、根本的な解決には至りません。業者による屋根の診断を受ける必要があります。塗膜の劣化やひび割れなどは、プロの目で見なければ見逃してしまうことが多いものです。また、雨漏りが再発する危険性もあり、広範囲に被害をもたらすこともあるでしょう。業者による調査は、目視調査・散水調査・発光液調査・赤外線サーモグラフィー調査などがあります。調査を依頼し、原因を特定して修繕するようにしてください。

3.屋根の雨漏り・修理について

業者による雨漏りの修理についてご紹介します。塗料の選び方や修理方法などを覚えておきましょう。

3-1.主な修理方法

屋根の部分的な劣化なのか、全体的に傷んでいるのかにより、修理方法が異なります。というのは、屋根全体にダメージがある場合、屋根材をめくり、補修や葺(ふ)き替えが必要になるからです。釘(くぎ)が浮いている場合は打ち直しをし、スレートにひび割れがある場合はコーキング剤で埋めます。割れた瓦は新しいものに交換する方法が一般的です。また、劣化の進み具合に応じ、必要な修繕も行います。
塗膜が劣化している場合、塗り替えが必要です。防水機能が高い塗料を選んでください。防水塗料はゴムのように弾性があり、ひび割れやすき間などを埋める役割があります。アクリル塗料やシリコン塗料などを選んでください。弾性のない塗料を選んだ場合、屋根の内部に起こった劣化が塗膜まで影響し、塗膜表面のひび割れにつながるのです。再び雨漏りを起こす可能性があります。そのため、弾性のある防水塗料を選ぶことが大切なのです。

3-2.修理方法の選び方

劣化箇所や範囲により、修理方法は異なります。業者による点検や診断を受け、適切な修理方法を提案してもらいましょう。

3-3.雨漏り修理を依頼する業者の選び方

雨漏り修理は、業者の腕しだいという部分があります。なぜなら、雨漏りの再発を防ぐため、問題点を見抜く能力と専門知識が問われるからです。雨漏りが起きた場合、慌てて修理を依頼したところ、契約を急ごうとする業者はトラブルが起こり得ます。まずは現地調査をしっかり行い、原因の特定や修理方法などの提案をきちんとしてくれる業者を選びましょう。費用のことばかり話してくる・調査がいい加減という業者は、悪質な手抜き工事をするケースが多いものです。また、工事後のアフターフォローがあるかどうかもポイントになります。

3-4.修理工事について

雨漏りの修理工事は、工事内容や範囲により、日数や費用が変わってきます。屋根に原因がある場合、だいたい半日から1日あれば完了するでしょう。ただし、急な勾配がある屋根では、時間がかかるケースもあります。費用相場は業者に見積もりを出してもらい、複数の業者を比較することで見えてくるでしょう。広さによっても変わりますが、数十万円は想定しておいてください。

3-5.雨漏りの修理工事における注意点

雨漏りの修理工事を行ってもらうときは、複数の業者に調査や見積もりを依頼し、比較検討することが大切です。雨漏り診断士という資格を持つ社員が在籍しているかなど、技術が確かな業者かどうかを見極めましょう。応急処置をしておけば、ひとまず慌てて依頼を急ぐ必要はありません。じっくり修理工事について見比べてから決めてください。契約を急いでしまい、手抜き工事で何度も修繕が必要になれば、余計な出費がかさむことが予想されます。また、何度も雨漏りが再発しては、精神的ストレスも大きいものです。そのため、信頼できる業者選びが大切になります。

4.屋根の雨漏りでよくある質問

雨漏りが起こると慌ててパニックに陥る人が多いものです。冷静に対処法を考えるためにも、質問集をご一読ください。

Q.雨漏りの診断というのは難しいものなのか?
A.雨染みを見つけたから、すぐ上の屋根に原因があるとは限らないものです。反対側の屋根から伝い、雨漏りを引き起こしている可能性もあるため、雨漏りの診断は難しいとされています。雨漏り診断士という資格があるのも、原因をきちんと特定する高いスキルが求められるからです。

Q.築年数が古い家の場合、屋根材の葺き替えや塗装の塗り替えだけでは不十分なのか?
A.新築時から数十年が経過している場合、屋根材の下に敷いてある防水シートが劣化している可能性があります。防水シートに破れや腐食がある場合、屋根材を新しくしても、雨漏りが起こる恐れがあるでしょう。そのため、防水シートの交換作業が必要です。

Q.雨漏りが起こりやすいタイミングとは?
A.台風や地震の後は、特に注意しましょう。屋根材のずれや釘(くぎ)浮きが起こる可能性があります。雨染みを発見したら、早急に応急処置を行い、業者による診断を受けてください。

Q.雨漏りが起こると、シロアリが繁殖しやすいというのは本当か?
A.はい、本当です。雨漏りが起こると木材の腐食が発生し、ジメジメした環境になります。シロアリが発生する原因の80%は、雨漏りです。シロアリは湿気が多い環境を好んで繁殖を繰り返す性質があるため、雨漏りを放置することは建物の寿命にも影響します。

Q.雨漏りは予防することができるもの?
A.屋根のメンテナンスを定期的に行うことで、雨漏りの予防につながります。数年に1回は、業者による診断を受けましょう。数万円程度の費用はかかりますが、安心して暮らしていくためには必要な点検です。定期点検を受けていれば、劣化や異常を早期発見できます。

まとめ

いかがでしたか? 雨漏りが起こった場合、慌てて混乱してしまう方が多いと思います。また、小さな雨染みで留(とど)まっている場合、見逃してしまうケースもあるものです。わずかな雨漏りでも、家全体が劣化する可能性や二次災害のリスクも考慮し、早急に対処することが望ましいでしょう。業者による診断を受け、雨漏りの原因を特定してもらってください。