塗装の経年劣化に要注意! 塗り替え時期や方法・注意点など解説!

塗装は、塗料を物体の表面に塗って塗膜を作ることを指しています。美しい外見を保つため建築物の外壁・柱などの粗面に塗装したり、機械・道具・工芸品などの仕上げ加工として塗ったりすることもあるのです。塗装は1度塗れば良いというわけではなく、耐用年数が決まっているので時間が経過すれば劣化します。劣化すると見た目が悪くなり、剝(は)がれ・浮き・サビ・カビなどの症状が現れるでしょう。塗り替え時期をきちんと把握して、適度にメンテナンスを行うことが大切なのです。

本記事では、塗装の耐用年数や塗り替えの方法・ポイントについて解説します。

  1. 外壁塗装の基礎知識
  2. 外壁塗装の劣化とは?
  3. 外壁塗装の劣化を放置する影響
  4. 外壁塗装の劣化の対処方法
  5. 外壁塗装の塗り替え工事の方法とポイント
  6. 外壁塗装に関してよくある質問

この記事を読むことで、塗装の劣化状態が分かり、適切な時期に正しく塗り直すことができます。塗料の耐用年数について知りたい方や塗り替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1.外壁塗装の基礎知識

まずは、塗装がどういうものなのか基礎知識を理解しておきましょう。

1-1.どういうものか

一般的に、物体に塗布して塗膜を形成することを「塗装」といいます。いわゆる、表面処理の1つです。特に、鉄製の場合は、表面のサビが内部に向かって浸食する性質が強いため、多くの鉄製品は必ず塗装を行っています。均一に施された塗装ほど長持ちしますが、1度の塗布では十分な効果が出ないので、単一の塗料でも重ね塗りをするなど工夫をすることもあるでしょう。

1-2.どこに使うか

外壁・車・機械・道具・工芸品など、さまざまな場所に塗装を行います。塗装は、物体の表面に乾燥した膜をつくるので、使用する場所でさまざまな役割と効用をもたらすでしょう。では、具体的にどのような役割と効用があるのか、次の項目で説明します。

1-3.なぜ塗装が必要なの?

塗装をすることで、「物体を保護する」という効果が生まれます。たとえば、鉄・アルミ・銅などの金属やモルタル・コンクリート・プラスチック・木材などが日光や風雨にさらされるとサビが発生するでしょう。風化してもろくなり、腐食するおそれがあります。塗料は、それらを防ぐための膜を形成するのです。さらに、塗料を塗ることで光沢が生まれ、美しく見せることができます。また、防錆・防虫・防腐効果のある塗料を塗れば、特別な効用を与えることが可能です。

1-4.主な塗料の種類

塗装に使用する塗料はさまざまな種類がありますが、以下の4種類が代表的です。

  • アクリル樹脂塗料:一般的に使われる最も安価な塗料
  • ウレタン樹脂塗料:価格・性能ともに中位
  • シリコン樹脂塗料:耐久性とコストパフォーマンスに優れている
  • フッ素樹脂塗料:最も耐久性に優れているが高額

1-5.最近の傾向は?

最近は、一般的な塗料に付加価値をつけるケースが増えています。たとえば、外壁塗装の場合は耐熱性・耐水性・耐陰性が向上できる塗料を選ぶなどです。特に、メンテナンスが必要のないタイプを選ぶ人が多く、付加機能を求める傾向があります。

2.外壁塗装の劣化とは?

外壁塗装の耐用年数と劣化状態をチェックしておきましょう。

2-1.耐用年数をチェック!

塗装の法定耐用年数は、塗料によって異なります。法定耐用年数とは、外壁塗装を減価償却する際に法的に決められた耐久性のことです。つまり、塗料で10年もつものは、10年を通して会社の経費に計上することができます。以下に、前述した主な4種類の法定耐用年数をまとめてみました。

  • アクリル樹脂塗料:5~7年
  • ウレタン樹脂塗料:10年
  • シリコン樹脂塗料:12~15年
  • フッ素樹脂塗料:15~20年

以上の法定耐用年数は、あくまで目安となります。台風などの自然災害に何度も遭えば、法定耐用年数よりも早い時期に寿命を迎えることもあるでしょう。よって、法定耐用年数が近づくころは、定期的に塗装の状態をチェックする必要があります。

2-2.塗装が劣化するとどうなるの?

塗装が劣化すると、さまざまな症状が現れます。以下に、主な症状別にピックアップしてみました。

  • 剝がれ・浮き:塗膜が付着力を失うことで素地から離れる現象
  • サビ・サビ汁汚れ・カビ・こけなどの付着物:塗膜表面に汚れが付着しやすくなる。金属製の場合は腐食・サビなどが発生
  • 変退色:太陽光の紫外線などで塗膜表面色が減退する
  • ひび割れ・クラック:塗膜に裂け目ができる現象
  • チョーキング・白亜化:熱・紫外線・雨風などで塗膜が劣化し、塗膜表面が粉状になる現象
  • つや引け:塗装した直後にあった光沢が劣化で低下する

3.外壁塗装の劣化を放置する影響

では、外壁塗装の劣化を放置するとどのような悪影響が出るのでしょうか。

3-1.外壁内部への悪影響

外壁塗装の劣化が進行すると、耐久性が低下しひび割れが発生しやすくなります。そうすると、今度は外壁内部の劣化が進んでしまうのです。ひび割れが起きたところから雨・湿気・汚れなどが入り込み、外壁内部が腐食します。その結果、建築物そのものがもろくなるでしょう。

3-2.見た目が悪くなる

塗装が変色しカビやこけが生えた状態は、見た目が非常に悪くなります。外壁の塗装は、外観を美しくする役割を担っているものです。見た目が悪くなると、外観が古く汚い印象を持たれるでしょう。美しく保ち続けるためにも、定期的な塗り替えが必要です。

3-3.雨漏りしやすくなる

劣化を放置した結果、ひび割れ部分から雨水が入り込み雨漏りが発生します。雨漏りを放置すると外壁や内部の耐久性が下がるので、すぐに対処しなければなりません。劣化の進行で建築物の耐久性が低下すると、地震などの自然災害に弱くなります。

4.外壁塗装の劣化の対処方法

それでは、外壁塗装の塗り替え時期と、すぐに塗り替えるべき症状について解説します。

4-1.塗り替え時期をチェック!

塗り替え時期は、外壁塗料の法定耐用年数が一般的です。法定耐用年数以上が経過している場合は、外壁の劣化が進行している可能性があります。特に、安価な塗料は耐用年数が短い傾向があるので、塗り替えの周期が早くなるでしょう。もし、外壁塗装を長持ちさせたいなら、比較的耐用年数が長いものを選んでください。

4-2.すぐに塗り替えるべき症状は?

耐用年数の時期を迎えていなくても、以下の症状に当てはまる場合は早急の対処が必要です。

  • 外壁塗装のひび割れや剝がれが目立つ
  • チョーキング現象が起きている
  • 外壁塗装にこけ・カビなどの付着物が激しくついている
  • 変色がかなりすすんでいる
  • 雨漏りが起きている

5.外壁塗装の塗り替え工事の方法とポイント

適切な塗装の塗り替え工事を行うためには、業者選びが大きなポイントです。工事の流れや費用など、必要なポイントをしっかり押さえておきましょう。

5-1.業者選びのポイント

現在、外壁塗装を業者へ依頼するケースが多く需要が高まりつつあるため、高額な費用を請求する悪徳業者も出てきているのです。悪質業者に引っかからないためには、業者選びのポイントを押さえておく必要があります。業者選びの際は、以下のポイントに注目してください。

  • スタッフの対応が丁寧でスピーディー
  • 外壁塗装の実績があり、経験が豊富
  • 塗装前の現場調査を行っている
  • 見積内容が細かく記載されている
  • 無料見積もり・無料相談を受けつけている
  • アフターフォローが充実している

悪徳業者は見積内容があまく、質問に対しても適当に答える傾向があります。以上のポイントを踏まえた上で複数の業者を比較すると良いでしょう。比較することで、優良業者と悪徳業者を見極めることができます。

まとめて見積もりを依頼できるサービスも!

外壁塗装を行ってくれる業者はたくさんあります。その一方で、業者選びに悩む人も珍しくありません。いろいろな業者に見積もりを依頼したいと考えている人もいるでしょう。しかし、業者を探して見積もりを依頼するのも大変です。業者ごとに依頼の方法も異なれば、別途費用が発生することもあります。業者を選ぶ前に疲れてしまった、という人もいるでしょう。

そこで、おすすめしたいのが外壁塗装の案内所です。外壁塗装の案内所では、24時間無料で外壁塗装の見積もりを複数の業者に一括依頼できます。外壁塗装の案内所に登録している業者は、独自の審査をパスした優良業者です。また、利用者からのアンケート調査によって定期的に審査されており、悪い評価がついた場合は除名処分もありえます。ですから、安心して見積もりを依頼できるでしょう。外壁塗装の案内所を利用すれば、業者の特徴がよく分かるだけでなく、業者選びがスムーズに行えます。


5-2.工事の流れ

具体的な工事の流れは業者で異なりますが、大まかな流れを以下にピックアップしてみました。

  1. ホームページまたは電話で無料見積もりを依頼する
  2. 工事前に業者スタッフによる現場調査を行う
  3. 具体的な見積もりと塗装内容を決め、プランに納得すれば契約し作業日時を決める
  4. 工事開始日に、必要に応じて足場を組む
  5. 外壁塗装を行う
  6. 外壁塗装後に業者スタッフと確認し工事完了

5-3.工事期間と費用

外壁塗装の工事期間は、外壁塗料の性質と塗装面積で異なります。数日~数週間程度の期間が必要になるのが一般的です。しかし、天候の影響や乾燥に時間がかかるタイプの塗料を使用する場合は、何回も塗装をくり返す必要があるので長期間かかるでしょう。
また、塗装にかかる費用は塗料・外壁材の費用だけでなく、足場・工事費用などさまざまな費用が必要となります。塗り替えの場合は、塗装撤去費用もかかるでしょう。そのため、業者へ依頼する前に無料見積もりを利用してきちんと確認してください。

5-4.費用を抑えるポイント

できるだけ費用を抑えたい方は、以下のポイントに注目すると良いでしょう。

  • 複数の業者を比較して低費用かつ高品質の業者を選ぶ
  • 足場を組まないで外壁塗装を行う
  • 安い塗料や外壁材を使用する

ただし、費用にこだわりすぎると仕上げが悪くなる可能性があります。完成した塗装に不満が残ったり仕上げが悪くなったりすると、塗装をし直すことになるでしょう。さらに費用がかさばる可能性があるため、品質の良い工事を行うことが大切です。

5-5.注意点

「工事後に追加費用を請求された」「塗り直した直後にひびが割れた」など、悪徳業者とのトラブルが相次いでいます。トラブルを避けるためには、慎重に業者を選ぶことが大切です。もし、悪徳業者に引っかかった場合は、早めに国民生活センターまたは消費者センターに相談しましょう。

6.外壁塗装に関してよくある質問

塗装の劣化に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.主な塗装方法が知りたい
A.建築物の外壁塗装で使用されるのは、ハケ塗り・ローラー塗り・吹きつけ塗装などです。下塗りで塗膜を強力に密着させた後、より塗装に厚みをつけるための中塗りを行います。中塗りを終えた後は、最後の仕上げとして上塗りを行う流れです。下塗り→中塗り→上塗りの3層仕上げを行うことで、より丈夫な塗装ができます。

Q.塗料で注目されている新機能は?
A.保護・機能・美装などさまざまな目的を持った塗装がありますが、近年は低汚染・防錆・防水・耐久性などの新機能が注目されています。特に注目されているのが、断熱・遮熱塗料です。断熱・遮熱塗料を使用することで、暖かく涼しい室内が得られます。ほかにも、太陽の光で汚れを分解し浮かせる「光触媒塗料」が注目されているようです。

Q.危険な状態のひび割れ・クラックは?
A.ひび割れの幅が1mm以上あるクラックは注意が必要です。外壁の下地や構造部分に悪影響が出ているおそれがあるため、自分で補修できません。早めに専門業者へ相談してください。ひび割れの補修工事が遅くなるほど、費用がかさばります。費用を抑えたい場合は、できるだけ早めに補修することも大切なのです。

Q.塗料の選び方は?
A.何のために塗り替えを行うのか、「目的」を明確にしておきましょう。また、塗装にどのような効果を得たいのかにも注目です。たとえば、メンテナンスを楽にしたい場合は、耐用年数が長めの塗料を選ぶと良いでしょう。耐用年数が短くなるほど、こまめな塗り替えが必要となります。どうしても悩む場合は、専門の業者に相談すると良いですよ。要望を聞きながら、最適な塗料をピックアップしてくれます。

Q.塗装の劣化を防ぐコツは?
A.こまめに点検を行い、外壁に汚れがついている場合は水洗いをしてください。なぜなら、汚れが付着した状態を放置すると、外壁の塗装が剝がれやすくなるからです。適度に水洗いを行い、落としきれない汚れは中性洗剤を使いましょう。また、風通しを良くすることも大切なポイントです。風通しの悪い環境は、外壁に湿気がこもりやすくなります。庭の手入れが不十分だと風通しが悪くなるので、定期的に手入れを行い風通しの良い環境をつくりましょう。

まとめ

いかがでしたか? 塗装の剝がれや激しい汚れ・クラックなど外壁の経年劣化は、放置するほどさらに悪い状態へと進行します。放置するほど外壁内部の劣化が進み、雨漏りの発生や建築物の耐久性の低下も引き起こしかねません。また、劣化を放置すれば、塗り替えの費用も高くかかってしまいます。費用を抑えるためにも、外壁の劣化を早めに修繕し定期的に塗り替えをしてください。さまざまな塗料があるので、目的に沿った種類を選ぶと良いでしょう。安心して依頼できる業者と話し合いながら、具体的な工事内容を決めてくださいね。