
和室リフォームの種類とポイントを紹介! 和室から洋室へ変えるコツ
和室から洋室・和モダンなどへリフォームする場合、畳(たたみ)を取りはずしたりカーテンレールを取りつけたりと、やらなければならないリフォームがたくさんあります。リフォームが大がかりになるほど費用がかかりますが、きちんとポイントを押さえておけば予算内で理想的な空間にできるのです。まずは、リフォームの種類や工事内容など必要な知識を深めておかなければなりません。本記事では、和室のリフォームに関する内容を一挙解説していきます。
- 和室の基礎知識
- 和室のリフォームの種類
- 和室から洋室へのリフォーム
- 洋室から和室へのリフォーム
- 和室から和モダンへのリフォーム
- 和室リフォーム工事の内容は?
- リフォーム業者選びのポイント
- 和室のリフォームに関してよくある質問
この記事を読むことで、和室リフォームを行うために必要な知識を身につけることができます。リフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
1.和室の基礎知識
まずは、和室がどのような部屋なのか基礎知識をチェックしておきましょう。
1-1.和室の定義
和室は畳を敷(し)き詰めた伝統的な日本風の部屋です。畳の敷かれた枚数で部屋の大きさを測ることができ、家の中心になる部屋には「床の間」があります。障子(しょうじ)・襖(ふすま)で囲まれるのが特徴で、寝室・書斎など多目的空間となる部屋でもあるのです。イ草という植物系の自然素材で作られ、夏は涼しく冬は暖かい特性があります。
1-2.最近の傾向、人気は?
現在の新築やマンションでは、ほとんどが洋風のつくりになっています。けれども、昔ながらの趣があり、日本人の癒やしの空間でもある和室は、いろいろな形の「和」として表現されることが増えてきました。たとえば、平凡な和室をモダン風にしてオシャレな空間にするなどです。工夫次第によって、和室が現代風に生まれ変わります。
2.和室のリフォームの種類
基本的な和室のリフォームは、壁紙・畳の張り替えや建具などのリフォームがあります。それぞれの特徴について解説しましょう。
2-1.壁紙の張り替え
「和室をオシャレに見せたい!」という方に人気があるのが、壁紙の張り替えです。壁紙を変えるだけでオシャレな空間に見せることができるため、費用を抑えたリフォームとして人気があります。壁紙は、畳の種類・木の柱と枠・紙の障子・襖などのテイストに合わせることが大切です。最近の壁紙は、自然素材のテイストを本物そっくりに再現しているので、和室×ビニールクロスの組み合わせでも違和感なくオシャレな空間が再現できます。
2-2.畳の張り替え
和室の畳を張り替えるだけでも、印象が大きく異なります。琉球畳やカラー畳などオシャレな種類に変更するだけで雰囲気が変わるのです。「気軽に和室をリフォームしたい」と考えている方は、畳の張り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
2-3.建具などのリフォーム
開口部に設けられた障子・襖・ドア・窓・戸など建具のリフォームも可能です。たとえば、障子窓の上の部分にカーテンレールを取りつけたり、障子とガラス戸を組み合わせたり、リフォーム内容は目的によってさまざまな種類があります。どのような建具を取りつけリフォームするのかによって、部屋全体の雰囲気が変わるのです。
2-4.そのほか
ほかのリフォームとしては、掘りごたつの導入・床下収納の追加・間取り変更などがあります。部分的なリフォームなら短期間かつ低費用でできますが、間取り変更など大がかりな内容になれば工期が長くなり費用もかさむでしょう。
3.和室から洋室へのリフォーム
和室から洋室へリフォームする際の方法とコツなどについて解説します。
3-1.目的とメリットは?
最近は、ライフスタイル・家族の成長と人数の変化などで、和室から洋室へリフォームするケースが増えています。子ども部屋を増やすため、客間を作りたいなどの理由や目的で、洋室に変更するのです。現在のつくりはほとんどがフローリングなので、使い勝手が良いのもポイントとなります。また、フローリングにすることでダニの心配がなくなるのもメリットでしょう。
3-2.主な方法は?
和室から洋室へリフォームする際の主な方法をピックアップしました。
3-2-1.畳からフローリングへ変更
和室から洋室へのリフォームで最も多いのは、畳からフローリングへの変更です。フローリング材は、単層フローリングと複合フローリングに分けられており、部屋によって向き不向きがあります。実際に、どんなフローリング材が使えるのか業者と確認して決めることが大切です。
3-2-2.収納の変更
洋室へのリフォームで押し入れをクローゼットにすることができます。収納の変更で注意しておきたいのは、奥行きの違いです。クローゼットよりも押し入れの奥行きがあるため、デットスペースができる可能性があります。収納スペースを効率良く使うために、中の棚を撤去し洋服用ハンガーパイプを取りつける、好きな位置に棚を追加するなど工夫してください。
3-2-3.部屋全体のフルリフォーム
洋室へリフォームする場合は、大がかりな工事となります。たとえば、壁にボードを張って厚みを調整する方法です。柱・梁が関係するため、工期も長く費用も高めとなります。どこからどこまで、どのようなリフォームを行うのか明確にすることが大切です。
3-3.コツ、ポイントは?
まず、全体か、襖や障子など部分的なリフォームなのか範囲でさまざまなリフォームパターンがあるでしょう。具体的な範囲を定めつつも、予算内で行えるかどうかも大切なポイントです。リフォーム業者と相談しながら、予算内で収められるリフォームプランを検討しましょう。
3-4.工期、費用は?
畳をフローリングへ変更する場合は、6~8畳で約20万~35万円かかることがほとんどです。なお、フローリング材で10万円前後費用が変動する可能性もあります。部分的な建具のリフォームなら、もっと安い費用で済むでしょう。ただし、和室全体をリフォームする場合は、約55万~100万円かかるのが一般的です。床材・壁紙クロス・天井材の張り替え・収納などの変更すべてを行うため、工期も1~2週間ほどかかります。
4.洋室から和室へのリフォーム
洋室から和室へリフォームする際の方法とポイントを解説します。
4-1.目的とメリットは?
畳はクッション性があるため、気軽に横になれるなどくつろぎの空間が確保できます。家具・調度品・置物のレイアウトによって、客間・寝室・居間など用途が広がるのもメリットの1つです。子どもたちを遊ばせる空間としても最適でしょう。天然素材の力を活かして、夏は涼しく冬は暖かい空間が出来上がります。
4-2.主な方法
床材・建具・フルリフォームとそれぞれのリフォーム方法をチェックしておきましょう。
4-2-1.床材の変更
手っ取り早く和室へリフォームしたい方は、床材だけのリフォームがおすすめです。フローリングを取りはずし畳を入れるという簡易リフォームなので、費用も抑えることができます。
4-2-2.建具の変更
人気が出ている和風と洋風の組み合わせとして、ガラス戸と障子を合わせるリフォームがあります。戸・襖・障子など建具を和に変更するだけでも、大きく見違えるものです。簡単に雰囲気を変えたい方や、和の要素を取り入れたい方は建具の変更をおすすめします。
4-2-3.フルリフォーム
部屋の雰囲気を洋から和へ変えたい場合は、フルリフォームとなります。全体を大きく変える場合は、既存の空間を考慮することが大切です。たとえば、リフォーム箇所がリビングとつながっている場合は、和室を取り入れた際の全体的なイメージを考えなければなりません。統一感を演出しなければ、違和感でいっぱいの部屋になって落ち着かなくなるでしょう。
4-3.コツとポイントは?
前述したとおり、住宅全体のバランスに考慮することが大切です。また、和室から洋室、洋室から和室へリフォームする際は、どちらにせよ「床の高さ」を調節する必要があります。畳の厚さは5~6cmで、フローリングは1.2~1/5cmと大きな差があるので、その点も考慮しなければなりません。
4-4.工期、費用は?
工期と費用は、リフォーム範囲や使用する材料などで異なります。たとえば、リビングの中に和室をつくる場合は、約160万円かかるでしょう。比較的大がかりなリフォームとなるため、工期も2週間と長くなります。工期、費用に関しては、リフォーム業者へ確認してください。
5.和室から和モダンへのリフォーム
ほかにも、和室から和モダンへ変えるプランが注目されています。和モダンとはどのような空間なのか、チェックしておきましょう。
5-1.和モダンは人気がある?
和室が持つ畳・障子・床の間など、伝統的な要素と温かみなどを活かしつつ現代風にアレンジした和室空間のことを「和モダン」と言います。いわゆる、和と洋の合体ですね。畳のデザインや障子の色合いなどに変化をつけることで、オシャレな伝統空間に仕上がります。「古民家カフェ」が流行しているように、和モダンを取り入れてオシャレな空間が演出できるので人気急上昇中です。
5-2.目的とメリットは?
和モダンの大きなメリットは、和と洋の両方を上手に取り入れたオシャレな空間が生まれることでしょう。オシャレと伝統が共存する新たなインテリアデザインとなるため、若者も気軽に和室の雰囲気を楽しむことができます。オシャレ感覚で和の要素が楽しめる方法です。
5-3.主な方法
和室から和モダンへリフォームする方法には、床材・建具・壁紙と照明の変更があります。それぞれの方法について説明しましょう。
5-3-1.床材
既存の畳の一部を、オシャレなデザインの「カラー畳」にしたり、アンティークな色合いのフローリングに変更したりするだけで和モダンが完成します。フローリングを取り入れることで、畳との相性が悪いソファーベッドもなじむでしょう。
5-3-2.建具と照明器具
和室から和モダンへのリフォームは、襖・障子など建具と照明器具を変更するだけで可能です。今ある素材を活かすことが、リフォームの目的でもあります。たとえば、襖・障子の質感や色合いに変化をつけたり、一部をガラス張りにしたり、襖の一部を千代紙のような素材にしたりするなどです。一部に現代風を取り入れることで、簡単にオシャレな空間へと仕上がります。
5-3-3.壁紙
和室の壁紙を変えるだけでがらりと雰囲気に変化が起きます。和モダンを演出する壁紙選びは、「少し濃すぎるかな?」くらいの色選びがポイントです。一般的な和室の壁紙は無地ですが、柄物を取り入れることで一気にオシャレになりますよ。
5-4.コツとポイントは?
まずは、和モダンのテイストを決めることがポイントです。たとえば、オリエンタル・シック・アジアン・北欧テイストなど、どのような雰囲気にするのか明確にしておけば素材・畳の種類・建具などが選びやすくなります。テイストに合わせた素材を選ぶことで、理想的な和モダンへと生まれ変わるのです。
5-5.工期、費用は?
和室から和モダンへリフォームする場合は、大がかりなものではないため約50万円以内で済むことがほとんどです。工期も2~3日で完了するケースが多いため、生活のストレスも感じません。気軽にリフォームしたい方には、おすすめの方法となります。
6.和室リフォーム工事の内容は?
和室リフォーム工事は、どのような流れで行うのでしょうか。発注前に押さえておくべきポイントについても解説します。
6-1.発注前に押さえておくべきこと
家族で話し合い、どこからどこまでリフォームを行うのか具体的に決めておきましょう。リフォームの範囲や目的をハッキリ決めておけば、リフォーム業者との打ち合わせもスムーズに進みます。また、予算も決めておいたほうが良いでしょう。発注前に決めておかなければ、あれこれと追加し、予算オーバーになりがちなので注意してください。
6-2.工事の流れは?
主な工事の流れを以下にピックアップしてみました。
- ホームページのフォームまたは電話などでリフォーム業者へ問い合わせをする
- リフォームの要望と予算を伝え、大まかな見積もりと工事プランを決める
- 現場の状態を確認した上で、具体的な内容と見積もりが決まる
- 工事内容と見積書に納得すれば契約し、工事日を決める
- 工事が始まり、作業完了後に業者スタッフと一緒に確認する
- 料金を支払い完了
具体的な流れは業者やリフォーム内容で異なるため、契約前にきちんと確認してください。分からないところや疑問点があれば、その場ですぐに尋ねましょう。
6-3.注意点
リフォーム業者の中には、きちんと工事を行わない悪質な業者が存在します。「リフォーム後に床が抜けた」「見積書に記載されていない料金を請求された」など、さまざまなトラブルが相次いでいるのです。悪質な業者に引っかからないためにも、業者選びのポイントを押さえておきましょう。
7.リフォーム業者選びのポイント
リフォーム業者選びのポイントをはじめ、費用相場とアフターメンテナンスについて解説します。
7-1.業者選びのポイント
リフォーム業者を選ぶ際は、以下のポイントに注目してください。
- スタッフの対応が丁寧でスピーディー
- 見積書の内容が細かく記載されている
- どのような質問にも丁寧かつ詳しく説明してくれる
- 要望を聞き入れながら適切な工事プランを提案してくれる
- 無料見積もり・無料相談を受けつけている
- 低費用かつ高品質な工事を行っている
- 口コミ・評判が良い
- ホームページに施工事例の写真などが記載されている
7-2.費用相場は?
費用はリフォームの範囲や工事プラン・使用する材料などで大きく異なります。大まかなリフォームの費用は、約50万~100万円になるケースが多いでしょう。100万円以上かかる可能性もあるため、無料見積もりを複数の業者に依頼してください。そして、見積書を比較すると相場が分かります。
7-3.アフターメンテナンスは?
業者選びの際にもう1つ注目してほしいのが「アフターメンテナンスの有無」です。アフターメンテナンスが整っている業者なら、施工後にトラブルが起きても無償で対応してくれることもあります。万が一のときにも、アフターメンテナンスがあれば安心です。
8.和室のリフォームに関してよくある質問
和室のリフォームに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.マンションのリフォームで注意すべきことは?
A.マンションは柱と梁を動かすなど大がかりなリフォームができません。大家やオーナーに内緒で勝手にリフォームを始めないようにしてください。リフォームする際は、事前に管理人や管理会社へ連絡を済ませておかなければなりません。
Q.ビニールクロス選びのポイントは?
A.安価で使用できるビニールクロスには、さまざまな色合いがあります。基本は、理想的な空間に適した色を選ぶと良いでしょう。ただし、カタログの色と実際の色に差が生まれることがあります。ビニールクロスを選ぶ際は、直接サンプルを見て確認したほうが安心です。
Q.和モダンの床の間はどんな感じなの?
A.床の間はアレンジできる場所なので、自分好みに仕上げることができます。たとえば、床の間に照明を当てて季節感のある小物を飾るとオシャレ度がアップするでしょう。中には、床の間に石を敷いて大胆にアレンジするケースもあります。
Q.和室の天井の壁紙を選ぶ際のポイントは?
A.和室の天井の壁紙は、作りたい部屋のイメージに合わせるのが一般的です。ビニールクロスから伝統的な杉の板張り・竹を編んだものなどさまざまな種類があります。落ち着いたシックな空間にしたい場合は伝統柄、現代風の明るい空間にしたい場合は白っぽい無地がおすすめですよ。
Q.無骨なコンクリートの壁でも和室は合うのか?
A.コンクリートの壁と和室は合わないと思われがちですが、壁・戸などで部屋を分ける仕切りがなければ、施工次第で調和した雰囲気になります。間取りによっては、無骨なコンクリートでも工夫次第でオシャレな和室へと生まれ変わるのです。
まとめ
いかがでしたか? 和室のリフォームは、和室から洋室へ、洋室から和室へ、和室から和モダンへなど目的や用途でさまざまな内容があります。リフォームの範囲・使用する素材などで費用が大きく異なるため、あらかじめリフォームの「目的」と「予算」を決めておいたほうが良いでしょう。そして、具体的な仕上がりのイメージができるように、リフォーム業者との打ち合わせを重ねてください。できれば、和室リフォームの実績がある業者へ依頼しましょう。ポイントを押さえておけば、理想的な空間へと生まれ変わります。