畳の正しいお手入れ方法を知りたい！ カビがはえたらどうすればいいの？

1．畳の特徴や耐用年数

畳は、日本独特の床材です。保温・保湿・断熱・吸音など多くの効果があり、肌触りが良いのも魅力でしょう。また、畳の原料であるイグサの香りは集中力を高め、リラックス効果があるとも言われており、畳の良さが再確認されています。
伝統的な畳は、稲わらを何重にも圧縮して芯を作り、そこにイグサを編んだ畳表をつけたものです。重さが30kg以上ありますが耐久性が高く、正しくお手入れすれば10～15年は持ちます。一方近年は、畳ボードやポリエチレンフォームを芯にした軽い畳も増えました。このような畳は安価ですが、伝統的な稲わら畳に比べると耐久性は低く、7、8年で寿命がくることもあります。また、畳返しや表替えといった、リサイクルもできないものも多いのです。畳を新しく入れたいという場合は、値段だけでなく耐久年数やリサイクルの可否を考えて選びましょう。

2．畳の正しいお手入れ方法

この項では、日常的に行う畳のお手入れ方法を解説します。どのようにお手入れをすればいいのでしょうか？

2-1．畳の掃除方法

畳は、目に沿って掃除機やぞうきんがけを行います。畳は湿気が大敵ですから、ぞうきんがけは基本的にからぶきで行ってください。

2-2．湿気と乾燥対策

畳は直射日光や過度な湿気・過度な乾燥を嫌います。直射日光を当てると変色が早くなるので注意しましょう。日当たりのよい部屋は、レースのカーテンをつけるなど直射日光が当たらないようにします。また、適度に窓を開けて風を通してください。なお、伝統的な稲わら畳は湿気がこもりやすいので、梅雨時などはよく晴れた日に畳を少し持ち上げ空き缶などをかませ、半日ほど放っておきましょう。畳を陰干しできればそれが一番ですが、稲わら畳は重いので無理をしてはいけません。
過度に乾燥した場合は、霧吹きで少量の水を畳表に吹いてください。

2-3．害虫対策

畳の中にダニなどが発生していないか心配という場合は、畳用の害虫対策製品を使用しましょう。畳の中に針を刺して殺虫剤を送れる製品もあります。近年主流となっている畳ボードは、虫が湧きにくいのが特徴です。「ずっと伝統的な稲わら畳を使ってきたけれど、メンテナンスが大変」という場合は、畳替えの際に畳ボード芯のものに変えてもいいでしょう。

3．畳のトラブル対処方法

この項では、畳にカビがはえた場合などの、トラブル対処方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

3-1．畳の青さを取り戻したい場合

畳の青さを取り戻したい場合は、お酢入りの水で畳を拭いてみましょう。割合はバケツ一杯の水に対してお酢が小さじ1程度です。厳密に量を測る必要はありませんが、あまりお酢が多すぎると臭いが取れにくくなります。かすかにお酢の臭いがする程度の水を作りましょう。
ただし、1年以上使用した畳だけに行ってください。まだ青々とした畳をお酢で拭くと、かえって変色してしまいます。お酢で拭いた後は自然乾燥させておけば大丈夫ですが、冬場や湿度が高い場合は、から拭きを行いましょう。また、畳のヘリはお酢入りの水で拭かないように注意してください。

3-2．畳が汚れてしまった場合

畳に醤油などの液体をこぼした場合は、重曹・ベビーパウダー・小麦粉などを吸着させ、掃除機で吸い取ります。跡が残った場合は、家庭用の洗剤を溶かした水を作り、ぞうきんをゆすいで固く絞って叩くようにふいてください。こぼした後にすぐ対処すれば、これできれいになります。

3-3．油性の汚れについて

マニキュアや油性ペンなど、油性の汚れは除光液をしみこませた布で拭けば取れます。クレヨンは、少量のクレンザーや重曹でこすり落としましょう。最後に水拭きを行ってよく乾かしてください。

3-4．畳のカビやへりの汚れ

畳のカビは消毒用のアルコールを少量かけ、古歯ブラシで目に沿ってこすり落としましょう。完全に落としたら、仕上げの水拭きを行ってよく乾燥させます。畳にカビがはえる場合は湿気が高すぎるということなので、窓をこまめに開けたりエアコンの除湿運転を行ってください。
ヘリの汚れは、同じように古歯ブラシでこすり落とします。しつこい汚れは住居用の洗剤を少々使ってください。畳専用のクリーナーも販売されています。

3-5．畳の焦げ跡やくぼみ

家具を置いて畳がくぼんでしまったという場合は、畳に少量の水を霧吹きでかけ、タオルを当てたうえからアイロンをかけましょう。また、タバコの焦げ跡はセロハンテープなどを張ってこれ以上穴が大きくならないようにします。とはいえ、見た目が悪くなりますから、焦げ跡を作ってしまったら交換を考えましょう。

3-6．やってはいけないこと

畳の汚れを防ごうと、上にカーペットやじゅうたんを敷く人もいますが、これでは畳とじゅうたん・カーペットの間に湿気がこもり、寿命が短くなります。どうしても汚れを防ぐために何かを敷きたいという場合は、同じイグサで作られたゴザを敷きましょう。ただし、たまには外して畳を外気に当ててください。

4．畳の交換について

畳は、畳表だけ交換する方法や畳そのものを交換する方法があります。伝統的な稲わら畳の場合、使用後3年後くらいに畳表を裏返しにし、使用後6年ほどで畳表だけ交換することが可能です。ただし、近年主流となっている畳ボード芯のものは、これが行えないものも多いでしょう。使用後、10～15年ほどで畳全体を交換します。1畳当たり1万～3万円が相場です。

5．畳のお手入れについてよくある質問

Q．畳が皮脂で汚れた場合はどうしたらいいですか？
A．セスキ炭酸ソーダを水に溶かし、それで水拭きをしてみましょう。夏ならばから拭きの必要はありません。

Q．畳を交換してほしい場合は、どこに依頼すればいいですか？
A．基本的には畳店ですが、今はホームセンターでも畳替えを受けつけているところがあります。

Q．畳に大量の水をこぼしてしまった場合は、どうしたらいいですか？
A．すぐに乾いた布で水を取りましょう。次に、畳をあげてドライヤーや扇風機などで可能な限り乾かします。夏ならば、日陰に陰干しにしておきましょう。

Q．畳に傷がついてしまった場合は、どうしたらいいですか？
A．畳のささくれなどの傷は、木工用ボンドを10倍の水で薄め、筆で塗ってみてください。ボンドは乾くと透明になってささくれがそれ以上広がらなくなります。

Q．畳を処分したい場合、ゴミ捨て場に捨ててもいいでしょうか？
A．畳を粗大ゴミとして回収してくれる自治体ならば、大丈夫です。まずは自治体のホームページなどを確認しましょう。

6．おわりに

いかがでしたか？ 今回は、畳の正しいお手入れ方法を解説しました。畳の値段は幅が広く、高価な畳ほど長持ちします。ただし、子どもが小さい場合やペットがいる場合は、安価な畳を短い間隔で入れ替えていった方がおすすめです。畳の交換については、畳店やホームセンターに相談してみましょう。