
給湯器の交換周期はいつ? 交換すべき症状や業者選びなど徹底解説
「給湯器から異音がする」「給湯器の設定温度とお湯の温度が一致しない」などの不具合が出ている場合、給湯器の寿命かもしれません。給湯器は寿命があり、不調が出てくる前の交換が必要です。急にお湯が出なくなれば、お風呂に入れなくなるなど日常生活に支障が出ます。特に、冬場は困ることになるでしょう。故障前に交換するためには、給湯器の交換周期について知ることが大切です。そこで、本記事では、寿命や交換周期・選び方・業者選びについて説明します。
この記事を読むことで、給湯器の交換周期や時期・選び方などについて知ることができます。交換を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
1.給湯器の寿命について
給湯器の交換時期は、寿命と関係しています。平均寿命をきちんと把握しておけば、適切な時期に交換ができるでしょう。それでは、詳しく説明します。
1-1.平均寿命
給湯器の平均寿命は約8~10年といわれています。無駄な負担をかけずに使用した給湯器であっても、8年以上使用し続ければ不具合が起きるものです。しかし、中には10年以上経過しても故障せずに使い続けている方もいます。
平均寿命が8~10年といわれているのは、給湯器部品の供給期限が製造終了から10年というメーカーの方針があるからです。つまり、10年以上経過した給湯器は、修理部品があるとは限りません。高いお金をかけて修理するよりも、買い替えたほうが良いでしょう。
また、給湯器の設置場所や使い方・水質などによっても、寿命が大きく変わります。購入してから数年で不具合が出る場合は、間違った使い方をしているかもしれません。
1-2.寿命の差の要因とは
給湯器の平均寿命は約8~10年ですが、設置場所・使い方・水質などによって大きく変動します。基本的に、給湯器本体の前は排気口から出てくる排気がたまらないようにスペースをあけておかなければなりません。十分なスペースが確保できないまま設置すると、出した排気をそのまま排気口から吸い込んでしまい、不完全燃焼や機器内部の損傷につながります。
また、入浴剤を頻繁に使いすぎていると、入浴剤に含まれているイオウ・酸・塩分などが配管をとおるたびに化学反応を起こし劣化するのです。白くにごるタイプの入浴剤は、配管に成分が沈殿しやすく、熱交換器内で局部沸騰を起こす可能性があります。これらをくり返すことで、給湯器本体に大きなダメージを与えることになるのです。
さらに、井戸水や温泉水などの利用が、給湯器本体の平均寿命を著しく短くしてしまう傾向があります。井戸水・温泉水は、水道水に少ない成分が多く含まれており、特に、石灰を含む水は局部沸騰を引き起こす原因です。
1-3.燃料による違いとは
給湯器の主な燃料は、ガス・電気・石油の3種類です。燃料の違いによる寿命の差はほとんどありません。けれども、石油給湯器にかんしては、寒冷地で使うことが多く、冬の使用量が増加します。ほかの地域に比べて使用量が増えるため、若干、寿命が短くなるでしょう。
また、給湯器には、瞬間式と貯湯式という2種類のシステムがあります。瞬間式は必要な湯量だけすぐに沸かし、貯湯式は沸かした専用のタンクに沸かしたお湯をためる方式です。どちらかというと、貯湯式よりも構造が複雑な瞬間式のほうが、故障しやすい傾向があります。方式によっても、寿命の違いが現れることを覚えておいてください。
2.給湯器の交換周期について
給湯器の平均的な交換周期や交換すべきタイミング・症状について詳しく説明します。
2-1.平均的な交換周期とは
平均寿命が8~10年となっているため、交換周期の目安は「10年」です。10年以上経過している給湯器は、早めに交換したほうが良いでしょう。10年を過ぎ、15年使い続けていると保守部品がなくなります。給湯器メーカーでも修理対応ができなくなり、たとえ部品がそろったとしても修理費用が高くなる可能性があるでしょう。また、修理できたとしても、ほかの箇所に不具合が起きることもあります。適切な時期に交換するためには、使用期間をきちんと把握しておかなければなりません。
2-2.交換すべきタイミング
交換のタイミングは、使用期間が8~10年経過したころです。使用期間に加えて、起きている症状や不具合をチェックしてみると良いでしょう。また、キッチンやお風呂などのリフォームをするタイミングで、給湯器本体も買い替えるという方もいます。給湯器は水まわりに必要不可欠な機器なので、新しくしたほうが過ごしやすい環境になるでしょう。
2-3.交換すべき症状
交換か、それとも修理か悩んだときは、どのような症状が出ているのか確認してください。交換したほうが良い症状は以下のとおりです。
- お湯の設定温度どおりに出てこない
- お風呂のお湯がぬるい
- 給湯器から異音がする
- 嫌なにおいがする
- 給湯器から黒い煙が出ている
- 電源スイッチの反応がにぶい
- お風呂の追い焚(だ)きができない
以上の症状がくり返し出ている場合は、交換したほうが良いでしょう。突然に壊れてしまえば、日常生活に支障をきたしかねません。故障する前の交換をおすすめします。
3.給湯器の交換~選び方
給湯器を交換する際は、ライフスタイルや家族構成などを考慮して適切な種類を選ばなければなりません。失敗しないためにも、給湯器交換にかんする知識を身につけておきましょう。
3-1.タイプ別
給湯器選びで最も重視してほしいのが、家族構成で選ぶ号数です。号数は給湯の能力を表した数字で、水温+25℃のお湯が1分間に出る量を示しています。家族が多いほど号数も大きくなるのです。目安として、以下の家族構成+号数を目安にしてください。
- 16号:1人暮らし向け
- 20号:2人向け
- 24号:3~4人向け
- 28号:5人以上
一般家庭でよく使われているのは、20~24号です。特に、24号はお湯とシャワーの両方から給湯でき、ほとんどの方が選びます。給湯器を選ぶ場合は、家族構成と必要なお湯の量を考えてくださいね。
また、飲食店などの店舗は、業務用給湯器を使用することになります。業務用給湯器は、10号から大型施設で使用できる50号まで幅広いのです。
マンションなどの集合住宅に設置する場合は、給湯器のタイプが決められている可能性があります。勝手に設置すると契約違反になるおそれもあるため、管理会社や管理人に確認しておいたほうが良いでしょう。
3-2.省エネタイプについて
近年、注目されている給湯器が省エネタイプです。省エネタイプの給湯器は、少ないガス・電気の使用量でたくさんのお湯を沸かすことができます。省エネルギーか熱交換率が高いため、コスト削減につながるでしょう。電気を使用する「エコキュート」は、二酸化炭素の排出量を減らすことができ、地球にやさしい給湯器といえます。ほかにも、スタンダード給湯器といわれている「エコジョーズ」など、省エネタイプの種類も豊富です。
3-3.価格相場
給湯器の価格相場は、給湯器メーカーや販売業者・種類・タイプ・号数などによって異なります。一般的な給湯器本体は、およそ17~40万円です。エコジョーズやエコキュートなどの省エネタイプは、初期費用が高く、およそ40~50万円かかるでしょう。あくまで目安となるため、具体的な価格については業者に問い合わせてくださいね。
3-4.人気機能・最新モデルについて
普通の給湯器よりも、コスト削減につながる省エネタイプに人気が集まりつつあります。初期費用は高めですが、ランニングコストを抑えることができると好評です。また、暖房機能があるタイプや、追い焚き機能がついているものも人気の機能となります。給湯器メーカーから多種多様なモデルが登場しているので、カタログを見ながら比較すると良いでしょう。
3-5.注意点
給湯器を選ぶときは、ライフスタイルや家族構成に適したものかどうかが大切なポイントです。生活を見直して、どの給湯器や機能が適しているのか考えてください。また、設置場所も確認が必要です。貯湯式は貯湯タンクが必要になるため、ある程度のスペースを確保しなければなりません。マンションの場合は、どのような給湯器を設置すれば良いのか、管理人・管理会社に確認しましょう。
4.給湯器の交換~業者選びのポイント
適切な給湯器を設置するためには、業者選びが大きなカギとなります。給湯器の業者選びや注意点・アフターフォローについてチェックしておきましょう。
4-1.どんな業者が良いのか
業者選びで悩んだときは、以下の項目に注目してください。
- 丁寧かつスピーディーな対応か
- 給湯器の種類が豊富か
- 給湯器設置工事の実績があるか
- 見積もり内容に不備がないか
- 低費用で給湯器本体の購入と工事ができるか
- 無料見積もりや無料相談を受けつけているか
- 口コミや評判が良いか
4-2.注意点
「設置後、すぐに故障した」「工事が終わった後に追加料金を請求された」など、業者との間でトラブルが起きています。中には、きちんと設置工事を行わない不正業者も存在しているので注意が必要です。最初から1社にしぼるのではなく、複数の業者を比較してください。比較することで、優良業者と悪徳業者を見極めることができるでしょう。
4-3.アフターフォロー
アフターフォロー・保証がきちんと整っている業者に依頼してください。交換・設置をした後に、何かしら不具合が起きたとしても、アフターフォローが整っていれば無償で対応してくれます。しかし、アフターフォローのない業者は対応してくれません。修理費用を請求されるおそれがあるため、依頼前にきちんと確認してくださいね。
5.給湯器の交換にかんしてよくある質問
給湯器の交換にかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。
5-1.寿命のサインが知りたい
寿命が近づいてくると、給湯器が使いにくくなります。たとえば、設定温度よりもぬるくなる・電源スイッチが入っていてもお湯が出ない・異音がするなどです。これらの症状は寿命のサインとなるため、修理よりも交換を選択したほうが良いでしょう。
5-2.設置工事にかかる費用・期間は?
給湯器の設置工事は、本体価格と別に支払う必要があります。設置業者によって異なりますが、およその設置工事費は3~4万円です。省エネタイプの給湯器は、もっとかかる可能性があります。また、工期は半日~1日で済むことがほとんどです。ただし、天候や設置場所・給湯器の状態によって異なるため、詳細は業者に問い合わせてください。
5-3.給湯器メーカーの特徴とは?
適切な給湯器に交換するためには、メーカーの特徴をつかんでおかなければなりません。代表的な給湯器メーカーといえば、リンナイ・ノーリツ・パロマ・パーパスです。それぞれの特徴を、以下にピックアップしてみました。
- リンナイ:国内トップシェアをほこる給湯器メーカー。機能が充実しており、エコ製品にも力を入れている
- ノーリツ:業界トップクラスのエコ機能と熱効率をほこる。質の良さに定評があるメーカー
- パロマ:幅広い年齢が扱いやすい給湯器がそろっている
- パーパス:半身浴設定や消費カロリー表示など、美容・健康にかんする機能が充実している
5-4.寿命をのばすお手入れ法はあるのか?
給湯器を長く使い続けるためには、お手入れが必要不可欠です。給湯器本体は外に設置していることが多いため、汚れやすい傾向があります。月に1回、汚れを水拭きでキレイにふき取ってください。水拭きで落ちない場合は、中性洗剤を使用すると良いでしょう。また、排気口や吸気口がホコリでふさがっていないか・機器外装に焼けたような跡(あと)がないか・機器本体や配管から水漏れがないかなど、点検することも大切です。
5-5.見積もり依頼時の注意点とは?
設置工事や交換を依頼する前に、必ず見積書を確認しておかなければなりません。特に、給湯器本体の価格・工事費・出張費の有無・割引価格の4点は入念に確認しておきましょう。見積書の内容が細かく記載されていない業者は信用できません。
まとめ
いかがでしたか? 給湯器の平均寿命は約8~10年といわれています。適切な交換時期は、使用期間が「10年」のときです。10年以上使い続けている給湯器は故障しやすく、不具合も起きやすくなります。急に使えなくなると日常生活に支障をきたすため、壊れる前に交換するのが理想的です。「給湯器がおかしいな……」と感じたときは、どのような症状が出ているのか確認してください。使用期間が10年以上経過している場合は、交換をおすすめします。きちんと知識を身につけておけば、壊れる前に素早く交換できるでしょう。