
住宅リフォームで適用できる補助金・助成金を紹介! 適用条件は?
「リフォームしたいけどお金がかかる」など、リフォームでの1番の悩みが費用のことでしょう。大がかりな住宅リフォームほど、費用が高額になります。できるだけ費用を抑えたい、何とかして節約したいという方は、リフォームの補助金制度を活用するのも選択肢の1つです。さまざまな補助金制度があり、条件に当てはまれば利用できます。上手に活用するためには、住宅リフォームの補助金制度について詳しく知ることが大切です。そこで、本記事では、リフォームに関する補助金について解説します。
この記事を読むことで、リフォームに関する補助金制度の仕組みと活用法が分かります。検討している方はぜひチェックしてください。
1.リフォームにかかる費用は?
まずは、リフォームにかかる費用の目安と内訳・坪単価などをチェックしておきましょう。
1-1.リフォームにかかる費用の相場は?
リフォームを行う範囲・工事内容・使用する建材などによって費用が大きく異なります。たとえば、戸建住宅をまるごとリフォームする場合の目安は、おおよそ300万~2,000万円が必要です。水まわりの場合は約20万~150万円、居室の場合は約30万~150万円、増改築の場合は約750万~1,000万円となります。
1-2.内訳をチェック!
リフォーム費用の内訳を大まかに分けると、工事費・材料費・設備費・そのほか諸経費となります。諸経費に含まれるのは、契約や事務手続きにかかる費用などです。たとえば、工事契約をリフォーム会社と結ぶ際に必要な印紙税や、金融機関から借り入れする場合のローン事務手数料・保証料などが当てはまるでしょう。高額な費用になるからこそ、住宅リフォームを依頼する際は、見積書の内訳も細かく確認しておかなければなりません。
1-3.坪単価はいくら?
住宅リフォームの費用は、施工範囲を坪単位で計算することになります。坪単価約20万~40万円が目安です。ただし、間取りの変更や良い素材を使用する場合は、坪単価が50万円以上になる可能性もあります。業者によっても異なるので注意が必要です。
1-4.新築よりもリフォームがお得?
新築とリフォーム、どちらのほうがお得なのかは、条件や目的などで異なります。中古物件をリフォームするときは、同規模の物件を新築するときの費用と比較してください。リフォームのほうが新築費用の約70%以下の予算で済むのなら、リフォームがお得といえるでしょう。ただし、自分で好みに合った住宅を実現できる予算がある・既存住宅の間取りと外観が理想と大きく異なる場合は、新築のほうがメリットがあります。
2.リフォームの補助金・助成金とは?
リフォームの補助金・助成金とは、一体どのような内容なのでしょうか。
2-1.補助金とは?
一定の条件をクリアすると、リフォームの費用が補助されることです。国や自治体には、さまざまな補助金制度が用意されています。つまり、補助金制度を活用すれば、自分たちで支払う金額を抑えることができるのです。一定の条件に当てはまる場合は、補助金制度を活用しましょう。
2-2.助成金とは?
国や自治体から支給される返済不要な支援金のことを「助成金」といいます。条件を満たし所定の様式に従って申請を行うのが一般的です。各自治体によって、耐震化・バリアフリー化・防災対策・省エネルギー化など支援分類が異なるので、お住まいの地域をチェックしてみてください。
2-3.補助金と助成金の違い
補助金と助成金は似たようなものですが、受けるための条件・必要な書類の整備などに違いがあります。たとえば、助成金は資格要件を満たせば受けられますが、補助金は何のために使用するのか必要性を証明しなければなりません。よって、必要な書類も補助金の場合は、何のために使ったのか証明できる書類の整備が必要です。
2-4.返済の必要性は?
基本的に、助成金と補助金どちらとも返済義務がありません。助成金・補助金を受け取ることができる時期は、リフォーム完了後になることが基本的です。
3.リフォームに使える補助金・助成金は?
それでは、主な住宅リフォームの補助金・助成金を紹介します。
3-1.エコリフォーム
住宅ストック循環支援事業補助金として、住宅のエコリフォームの補助金を受けることができます。エコリフォームの要件は、以下の要件を満たすリフォーム工事が対象です。
- 自ら居住する住宅について、施工者に工事発注してエコリフォームを実施すること
- エコリフォーム後の住宅が耐震性を有すること
- 予算成立日と事業者登録した日のいずれか遅い日以降に、工事着手すること
補助対象は「開口部の断熱改修」「外壁、屋根・天井または床の断熱改修」「設備エコ改修」のいずれか1つが必須です。また、これらの補助額の合計が5万円以上でなければなりません。補助額は内容によって異なりますが、補助限度額は1戸につき30万円です。平成29年度の申し込みは終了しているので、詳細はホームページをチェックしてください。
3-2.バリアフリーリフォーム(介護保険)
要介護者または要支援者がバリアフリー工事を実施する場合は、介護保険により「高齢者住宅改修費助成制度」が利用できます。受給できる条件は、以下のとおりです。
- 要介護認定で「要支援・要介護」と認定されていること
- 改修する住宅の住所が被保険者証の住所と同一で、本人が実際に居住していること
- 助成額の限度は工事費用最高20万円(支給額18万円)
支給対象となるリフォーム工事には、手すりの取り付け・段差の解消・引き戸等への扉の取り替えなどがあります。また、支給を受けるためには、領収書・工事費内訳書・改修完了確認書を市町村の介護保険課に届け出をしなければなりません。ほとんどの自治体でバリアフリーリフォームに補助金が適用されますが、申込期間や方法などが異なるので市町村の窓口で相談してください。
3-3.省エネリフォーム補助金
最低限のエネルギーを使用するためのリフォームは、国または自治体が積極的に進めている事業です。そのため、さまざまな補助金制度が用意されています。たとえば、「省エネリフォーム促進税制」です。一定の要件を満たす省エネリフォームを行うことで所得税が控除されます。自己資金で行った場合は工事総額の10%がリフォーム年だけ所得税控除、ローンで行った場合は年末の工事ローン残高1%分が5年間控除となる制度です。
また、どちらの方法でも控除を受けるためには、その年度の合計所得が3,000万円以下で工事の費用が50万円を超えるものが対象でなければなりません。また、所得税控除上限金額は250万円、太陽光パネル設置の場合は350万円となります。そのほかの詳細については、国税庁のホームページをご覧ください。
3-4.耐震リフォーム補助金
耐震リフォームを行う場合、減税措置を受けることができます。対象者は耐震改修リフォームを実施した住宅に居住する人で、一定の金額をその年分の所得税額から控除できる仕組みです。ただし、平成26年4月1日~平成29年12月31日までとなっているので、現在は利用できません。自治体や金融機関によっては、耐震リフォームのための融資サポートを行っているところもあるので、お住まいの自治体に相談してみてはいかがでしょうか。中には、最大300万円融資してくれる自治体もあります。
3-5.長期優良リフォーム補助制度
住宅の劣化対策・耐震性向上・省エネ化など、既存住宅の長寿命化を図る「長期優良住宅化」を目指したリフォーム補助制度があります。リフォーム費用の1/3、一戸当たり最大で200万円まで国から補助金が交付される内容です。対象者は、長期優良リフォームの発注者または購入者となります。申し込み方法や内容に関しては、「国立研究開発法人 建築研究所」をチェックしてください。
3-6.地域型住宅グリーン化事業改修
地域の中小工務店が建てる高性能住宅に対する補助事業が「地域住宅グリーン化事業改修」です。省エネルギー性能や耐久性能などに優れた木造住宅を対象に補助金が交付されます。対象となる木造住宅は、長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅などです。補助金限度額は内容で異なりますが、最大215万円までとなっています。最新の情報に関しては、「地域住宅グリーン化事業」のサイトをチェックしてください。
3-7.ゼロエネ住宅補助金
一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が認定するゼロエネルギー(ZEH)仕様の住宅だけに適用される補助金を「ゼロエネ住宅補助金」といいます。SIIが認定する仕様・条件に当てはまることが必要で、平成30年度は「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業」などが実施されている制度です。ただし、補助金額は未だ具体的に決まっていないため、経済産業省のホームページをこまめにチェックしておいたほうが良いでしょう。
3-8.省エネ住宅促進事業費
省エネ性の高い高性能建材で住宅の改修を行った場合、一部の改修費用に補助金が交付される制度です。補助金交付の対象者は以下のとおりとなります。
- 戸建住宅・集合住宅(分譲)の所有者
- 集合住宅(分譲)の管理組合等の代表者
- 個人・法人の所有者
- 転売物件を購入し、所有を予定している者
それぞれ具体的な条件が決まっているので注意が必要です。補助額も改修費用で変わります。現在は、平成30年度「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」の募集が行われているので、詳細は「環境省のホームページ」をご覧ください。
3-9.各自治体の補助金
国だけでなく、自治体でもリフォームの補助・助成金制度を実施しています。国の制度とは異なり、ほとんどの自治体が「地元の経済活性化」が目的です。また、条件の中には、地元の建設業者に依頼することが含まれていることもあります。たとえば、東京都足立区の場合は「住まいの改良助成制度」が利用可能です。ぜひ、住まいの自治体の補助・助成金制度を確認してください。
3-10.固定資産税や減額は?
リフォーム費用の補助・助成金制度以外にも、減税制度というものがあります。耐震・バリアフリー・省エネのいずれかのリフォームで、一定の条件を満たせば所得税の減税や固定資産税の減税措置が適用可能です。どちらも確定申告の手続きで適用となるため、手続きを忘れないように気をつけましょう。
- 省エネ化のリフォームによる所得税減税・ローン控除
省エネ化のリフォーム費用に対して、所得税の10%(最大20万円)が控除される。ローンで工事費用をまかなった場合は、年末ローン残高を上限に工事費の2%を所得税から控除(最大250万円)
- バリアフリー化のリフォームによる固定資産税の軽減措置
国が提供する制度で、一定のバリアフリー化のリフォームを行った場合に100㎡相当部分までの固定資産税の1/3が1年間減額される
3-11.注意点
各補助・助成金制度や当てはまる条件などによって、申請方法と受給までの流れが異なります。具体的な内容に関しては、制度を実施している国または自治体のホームページを確認しましょう。ホームページで分からない場合は窓口で尋ねるか電話で問い合わせをしてください。また、申請に必要な書類も用意しなければなりません。何が必要なのかもチェックしておくと安心です。
4.中古住宅のリフォーム補助金は?
中古住宅のリフォームを行う場合も補助金制度が利用できる可能性があります。ここでは、中古住宅のリフォームに関する内容を解説しましょう。
4-1.リノベーションの現状、人気
「新築は高くて手が出せない」「長年住んで愛着のある家を手放したくない」という方に、中古住宅のリノベーションが人気です。リノベーションは、何よりも低コストで新築と同じ状態にできる点が大きなメリットとなります。注文住宅や分譲戸建住宅は約4,000万円かかりますが、中古住宅は約2,500万円で済むのです。築年数が増えるほど建物の価値が下がるので、ほぼ土地代だけで購入できるのも魅力の1つでしょう。
4-2.中古住宅の購入における補助金制度は?
国土交通省が実施している「すまい給付金」という制度があります。住宅ローン減税による効果を十分に得られない人を対象にしている制度です。収入額が510万円以下など条件を満たした人が対象となり、借入要件もあります。入居後すぐに申請でき、最大30万円が受給可能です。詳細は、「すまい給付金の公式サイト」をご覧ください。
4-3.中古住宅のリフォームにおける補助金制度は?
中古住宅のリノベーションで受けられる補助金は、直接、施工主に支払われるわけではありませんので注意が必要です。基本的に、施工業者を通じて、補助金額に相当する工事費を値引きする形となります。また、補助金を申請する場合は、どのようなリノベーションを行うのか申請先の事前調査を受けることになるのです。募集期間も限られているので、リフォーム会社へ相談することをおすすめします。
5.リフォームの補助金に関してよくある質問
リフォームの補助金に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.補助金を利用する前のチェックポイントは?
A.どこをどんな風にリフォームしたいのか明確にしておかなければなりません。これは、適切なリフォームを実施するためにも必要なことです。明確にしておけば、具体的な費用が分かり、活用できる補助・助成金制度も分かりやすくなるでしょう。
Q.マンションの場合も補助金は利用できるのか?
A.介護・省エネリフォームなど、マンションの場合も適用可能な補助金があります。ただし、適用要件が細かく決められているので、詳細を必ず確認してください。
Q.リフォーム・リノベーションが向いているケースは?
A.新築を購入したくても希望エリア内で見つからない場合があります。エリア重視の場合は、中古住宅のほうが見つかりやすい傾向があるのです。良い立地の中古住宅を見つけ、リフォームまたはリノベーションで快適空間に生まれ変わらせる家庭も増えています。
Q.どの補助・助成金制度を利用すべきか分からない……
A.自治体の窓口やリフォーム業者に相談すると良いでしょう。その時期に申し込み可能な補助・助成金制度をピックアップしてくれます。
Q.リフォーム業者選びの注意点は?
A.補助金をきちんと受けるために、補助事業者の登録をしている業者を選びましょう。補助事業者の登録がある業者なら、補助金に詳しいのでより良いリフォームが施工できるはずです。
まとめ
いかがでしたか? 大がかりなリフォームほど費用がかさみますが、一定の条件を満たせば適用できる補助・助成金制度を利用することで費用が抑えられます。国または自治体でさまざまな制度が適用できるので、補助事業者登録を済ませているリフォーム業者に相談すると良いでしょう。何のためにリフォームをするのか明確にした上で、適用できる制度を見つけてくださいね。