外壁塗装の手抜き工事とは? 悪徳業者による手口や失敗例を徹底解説

外壁塗装は、まれに悪質業者による手抜き工事が問題になります。手抜き工事をされた場合、施工箇所の不具合や塗膜のはがれなどが起こり、修繕や塗り直しが必要です。余計な出費がかかってしまうため、業者を見極めて依頼することが、手抜き工事を防ぐポイントになります。外壁塗装の手抜き工事にはどのような例があるのか、なぜ手抜き工事が発生するのかなどを理解し、手抜き工事にあたらないように注意しましょう。

本記事では、外壁塗装の手抜き工事についてご紹介します。

  1. 外壁塗装に多い手抜き工事とは?
  2. なぜ外壁塗装に手抜き工事が発生しやすいのか?
  3. 外壁塗装が手抜き工事だとどうなるのか?
  4. 外壁塗装の手抜き工事を防ぐポイント
  5. 外壁塗装の手抜き工事に関する質問

この記事を読むことで、外壁塗装の手抜き工事についてよく分かります。手抜き工事が起こる原因などをしっかり理解しておき、外壁塗装で失敗しないように注意しましょう。

1.外壁塗装に多い手抜き工事とは?

外壁塗装の手抜き工事には、どのようなものがあるのでしょうか? 主な事例をご紹介します。

1-1.塗る回数を減らす

外壁塗装の手抜き工事で多いのは、塗る回数が少ないことです。外壁塗装は、本来は下塗り・中塗り・上塗りと、3回に分けて行います。しかし、格安の費用で行う場合や、粗悪な施工を実施する業者の場合、塗る回数を減らし、利益を出そうとするのです。上(中)塗りに使う塗料は下塗りのものと変えることが基本ですが、3回とも同じ塗料を使う場合、一般の人では何回塗ったのかなかなか見抜くことができないのが難点でしょう。

1-2.安い塗料を使う

悪徳業者の場合、依頼した塗料より低いランクの塗料を使うケースがあります。安い塗料の場合、耐用年数が短く、仕上がりも悪くなるのが特徴です。特に、塗膜による遮熱・断熱などの機能を期待していた場合、本来得られるべき機能を発揮しないため、詐欺にあたる行為でしょう。

1-3.足場や養生など作業の手抜き

足場をきちんと設置しない・養生が不十分という場合があります。足場は隅までしっかり組むことで、しっかり塗装ができるようになるものです。足場組みがいい加減では、安全面でも問題が生じます。養生は、塗料の飛散を防ぐ目的で行うものです。丁寧に養生しなければ、本来つくべきではない場所に塗料がついてしまう可能性が高くなります。工事が始まる前にチェックし、注意を促すようにしましょう。

1-4.職人を使わない

職人を使わず、専門知識を持たない人が施工をし、外壁塗装が手抜き工事になることがあります。外壁塗装は、下地処理や不具合の修繕など細かな作業があるのに加え、熟練した技術で美しい仕上がりにしなければなりません。職人を使わないということは、塗料の希釈や計量もいい加減であるため、塗膜のはがれや劣化などが早期に起こることが予想されます。見積もりの段階で、施工するのは誰かということをしっかり確認しておきましょう。

1-5.期間が短すぎる

外壁塗装は、施工範囲によって差はありますが、1週間程度は必要です。極端に短い工事期間の場合、本来必要な工程の一部を省いていることが懸念されます。たとえば、下地処理前の高圧洗浄をしていない・洗浄後の乾燥時間を取っていない・雨天でも施工するなどです。塗装前に外壁の洗浄をしっかり行うことで、塗膜の密着度が上がります。ただし、高圧洗浄後の水分が残っている状態で塗り始めてしまう業者は、手抜き工事をしていると考えていいでしょう。水分によって塗料の密着度が低下するため、雨天時は工事を中止するものです。工期を伸ばさないよう、雨天でも無理に工事をしようとする業者は、仕上がりより利益や作業時間短縮を重視している悪質業者でしょう。

1-6.塗るべき箇所や修繕を行わない

外壁全体が塗膜で覆われていない場合や、不具合がある箇所の修繕を行わずに塗装した場合、施工後は必ずトラブルが起こります。外壁塗装は一般の人からは見えない箇所が多いものです。外壁塗装の手抜き工事では、雨漏(も)り・浸水・塗膜のはがれなど、予想外のトラブルが起こることもあります。業者にアフターフォローの保証がない場合は、自己負担で補修をしなければなりません。余分な費用をかけることになるため、施工前の説明をよく聞き、可能であれば工事中も作業の進み具合を確認できるようにしましょう。

2.なぜ外壁塗装に手抜き工事が発生しやすいのか?

外壁塗装では、なぜ手抜き工事が発生しやすいのでしょうか? 原因を考えていきます。

2-1.チェックしにくい

外壁塗装は、普段目が届きにくい箇所や高所などもあり、一般の人ではきちんと作業が進んでいるのかを把握しにくいため、手抜き工事をされても気づきません。親身になって対応してくれる業者なら、施工中の様子をチェックできるようにしてくれます。自分なりに外壁塗装の手順や知識を持ってから依頼するようにし、工事期間中の様子を観察しましょう。

2-2.下請け問題

外壁塗装を依頼した業者と、実際に施工する業者が違う場合があります。下請けが施工する場合は注意が必要です。つまり、最初に依頼を受けた業者が中間マージンを取るため、下請けは残りの費用で外壁塗装工事を行わなければなりません。下請けは予算が限られているので、削れるところは削らないと、採算が合わないという理由から、手抜き工事へと発展するのです。

2-3.価格が明確でなく差が大きい

外壁塗装に自信を持っている業者は、塗料の単価や人件費などを明確にした見積もりを出してきます。しかし、悪徳業者は価格が不明確で、大まかな見積もりを提示して安い印象を与えようとするのです。そのため、費用ばかり気にして決めた場合、結果的に手抜き工事につながる恐れがあります。外壁塗装の見積もりは、信頼できる業者ほど綿密な見積もりを出すものです。見積もり内容に納得してもらってから契約というのが本来の流れとなります。安易に費用だけで決めず、内訳の確認をしっかり行ってください。

3.外壁塗装が手抜き工事だとどうなるのか?

外壁塗装が手抜き工事の場合、どのような結果になるのでしょうか? 失敗例をご紹介します。

3-1.ツヤがない

下塗り・中塗り・上塗りの3工程をきちんと行わなかった場合、仕上がりが悪くなります。塗膜にツヤがなく、寿命も短くなるでしょう。3工程を確実に行うことで、しっかりした塗膜が出来上がります。少しでも工程を省略してしまうと、塗膜自体の劣化も早まるでしょう。

3-2.追加工事や塗り直し

外壁塗装の手抜き工事は、塗膜の耐久性に大きく影響します。本来は、塗装工事から10年ほど塗膜の耐久性が維持されるところ、手抜き工事によって塗膜の劣化が早まり、わずか数年で塗り直しが必要になってしまうのです。また、施工後すぐに不具合などが生じ、追加工事を要する場合もあります。きちんと塗装ができていない外壁は、はがれなどが起こりやすいので注意してください。

3-3.1〜3年後に劣化が起こる可能性が高い

前述したとおり、手抜き工事だと余計な出費がかさむだけでなく、追加工事や塗り直しが必要になります。手抜き工事による外壁塗装は耐久性がないため、施工後1〜3年で何らかのトラブルが起こり得るでしょう。浸水などによる建物の劣化を招く恐れもあるので、手抜き工事は防がなければなりません。

4.外壁塗装の手抜き工事を防ぐポイント

外壁塗装で失敗しないよう、手抜き工事を防ぐポイントをご紹介します。

4-1.工事品質をチェック

高品質の工事を行う優良業者を選ぶことが大切です。外壁塗装を請け負う業者は多いため、業者のクチコミや評価を事前にネットなどで確かめておき、施工のトラブルや悪評がないかをチェックしてから依頼しましょう。過去の施工例などを提示してもらい、職人の腕を確かめる方法もおすすめです。

4-2.安さだけで選ばない

格安・大幅値引きなど、過剰に安さを強調する業者は危険です。見積もりで不足部分や不可解な点がないかを入念にチェックする必要があります。一方で、外壁塗装には多額の費用がかかるため、少しでも費用を抑えたいと思うでしょう。しかし、しっかりした外壁塗装を行うためには、人件費や材料費などがかかります。サービス内容が充実していることも業者選びでは大切です。

4-3.見積書の見方

見積書には、工事内容のすべてが記載されているため、熟読することが大切です。塗料の種類・塗る回数・修繕箇所・人件費などをよく見ておきましょう。塗料は、下塗りと上塗りの相性も大切です。見積もりは受け取るだけでなく、きちんと内容の説明も受けるようにしてください。

4-4.信頼できる業者とは?

信頼できる業者とは、地元で長く外壁塗装を手がけている業者です。手抜き工事をする業者は、地域での評判も悪くなるため、長く営業を続けることはできません。また、アフターフォローもしっかりしており、何かあったときに無償で対応してくれるなど、頼りになる業者を選びましょう。

5.外壁塗装の手抜き工事に関する質問

外壁塗装の手抜き工事でよくある質問を集めました。ご一読ください。

Q.3回塗りを分かりやすく手がけてもらうためにできることは?
A.塗料の色が同じだと、下塗り・中塗り・上塗りの見分けがつかないことが多いものです。それぞれ別の色で塗ってもらい、塗り忘れや手抜き工事を予防するのも1つの方法でしょう。見積時に提案してみてください。

Q.大手の業者だと手抜き工事がないのか?
A.大手だから安心とはいいきれません。少額の費用で下請けに依頼し、手抜き工事となってしまう失敗例もあります。依頼する前は、業者の実績や評価をきちんとチェックし、信頼できるところを選んでください。

Q.外壁塗装を行う職人の技量を見極める基準は?
A.1級塗装技能士という資格を持つ職人なら、品質の高い塗膜を作ることができます。外壁塗装を依頼するときは、資格証書の写しを見せてもらうといいでしょう。

Q.見積書が専門用語ばかりで分かりにくい場合はどうすべきか?
A.優良な業者なら、見積書の解説を丁寧にしてくれます。専門用語で分かりにくい点があれば、率直に質問しましょう。中途半端な説明で終えようとする業者は、手抜き工事をする恐れがあるので注意してください。

Q.訪問や電話で勧誘する業者は、悪徳業者の可能性が高いのか?
A.訪問や電話勧誘の業者は避けるべきです。必要のない工事をするケースや法外な料金を請求するケースなど、トラブルが多くなっています。手抜き工事をされてしまうケースも目立つため、契約しないように注意してください。

まとめ

いかがでしたか? 外壁塗装の手抜き工事は、仕上がりの悪さだけでなく、塗膜の劣化を早める原因になります。多額の費用をかけて外壁塗装をしても、手抜き工事だと追加工事や塗り直しが必要になり、無駄な出費がかさむばかりです。優良な業者を見極めて依頼することが大切であるため、クチコミや評価をよく確認して選びましょう。